肺炎桿菌もうひとつ
肺炎桿菌は、尿路感染症の主要な起炎菌の一つです。バルンの長期留置患者にもバルン感染を起こし発熱します。
下記はそのスメアです。多く敷き詰められた肺炎桿菌らしきグラム陰性桿菌。緑膿菌かどうかの判断はこのクラスターからは難しいですが、気にかかるのは間に塊のあるグラム陽性球菌。MRSAの履歴がある場合は、当然MRSAを疑うべきで、長期留置患者の中でも血液培養陽性者は10%ほどいるようです。
培養で見てみると、肺炎桿菌の集落が多く、通常の血液寒天(分画の赤い方)ではぶどう球菌が確認出来ません。マッコンキー寒天培地(分画のピンクの方)では胆汁酸の影響もあり、発育出来ません。
じゃあ、見えたのは?こういう場合はスクリーニングをしないと見つからないことが多いです。当時に足したクロモジェニック法を使ったMRSA培地(左の培地)にはピンク色のMRSAが。スメアは大事ですね。落ちやすい菌には腸球菌も居て、スメアをみてこういうスキルを応用し、検査技術を高める必要があるかもしれません。
| 固定リンク
「グラム陰性菌」カテゴリの記事
- グラム染色所見を用いたグラム陰性桿菌の菌種推定(2017.10.18)
- カルバペネム耐性腸内細菌は五類感染症になるぜよ(2014.09.12)
- CarbaNPテストをしてみました(2014.08.22)
- Campylobacter見つけ隊(2014.08.05)
- それって結石ないですか?(2013.05.31)
コメント