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2009年7月24日 (金)

化膿性(悪性)外耳炎

耳鼻科材料で菌検査をしていて多いのが、黄色ぶどう球菌だったり、肺炎球菌だったりします。この時期であれば海水に由来した仕事に従事している場合は稀にVibrio alginolyticusなんか出てきます。

緑膿菌も散見される耳鼻科材料の起炎菌ですが、まれに悪性外耳炎もあります。治療が不完全であると頭蓋骨への感染拡大するなど結構怖い場合もあります。サンフォードガイドにもありますが、基本は、抗緑膿菌作用のβ-ラクタムや経口ならキノロンのようです。膿瘍形成もしたり、耐性化、バイオフィルムを形成したりややこしくなるケースもあると思います。

下記は耳漏から出た緑膿菌です。初めは薬剤耐性も少ないですが、彼らは薬剤耐性域ギリギリのMICを保有していることが多く、直ぐに耐性となってしまします。

軟膏、点耳薬、消毒などを繰り返しして早期に治すことが先決でしょう。

緑膿菌かどうか、これじゃ判らないよ。という方も居ると思いますが。私も報告したら実はインフルエンザ菌だったなんかも稀にあります。防ぐのは患者情報です。これは結構大切。

菌のスメアの見方としては、染色性が悪く、やや湾曲もあり。長くない桿菌であることより緑膿菌かどうかの予測は立ちます。さあ、どうでしょう。

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