« 感染症学会のおさらい① | トップページ | 感染症学会のおさらい③+α »

2009年4月28日 (火)

感染症学会のおさらい②

以前にも紹介をしたかと思いますが、肺炎球菌の自己融解像です。血液培養のグラム染色をした場合に、たまに見られます。採取条件にもよりますが、血液培養陽性のシグナルが鳴り、分離した時点ではもうこの状態というのがあります。

前回の記事にも掲載しましたが、これを肺炎球菌として考え付くにはまさに経験以外ないもので、誤ってグラム陰性桿菌?と報告してしまいそうです。特に小児患者においてはインフルエンザ菌との鑑別が非常に難しく、私の鑑別では

 インフルエンザ菌は、このような崩壊した像では無く、しっかりとした桿菌が散在する。

 肺炎球菌の方が分離頻度が高い。

といった考えに至ります。必ずしも正解ではありませんので、補填に抗原検査などもする場合があります。

Photo_3

|

« 感染症学会のおさらい① | トップページ | 感染症学会のおさらい③+α »

背景など病態把握」カテゴリの記事

コメント

 先日診療した患者さんで、グラム染色では明らかにグラム陰性短桿菌のように見えて、咳も結構出ている患者さんでしたので、インフルエンザ桿菌か百日咳か、どちらかと思って、培養提出しましたら、何にも出ません、という結果が返ってきました。???とおもってもう一回保存しておいた標本を確認しましたが、やはりグラム陰性短桿菌に見える。でもインフルエンザ桿菌にしては少し大きめに見えて、まさか、肺炎球菌の自己融解像?と思いながら、真相は解らないままでした。或いは、自宅にあった薬を飲んで、それがAMPCかなにかで、ちょっと効きかけた抗生物質の作用だったのか。外国人だったので、僕の拙い英語力では聞き出せないままでしたので、結局のところ解りません。
 自己融解は、通常の気管支炎とか肺炎レベルでも起こりえることでしょうか?

投稿: 三省 | 2009年4月28日 (火) 18時51分

>自己融解は、通常の気管支炎とか肺炎レベルでも起こりえることでしょうか?

通常は増殖期に起こりますのであり得ますが、見掛けはしません。肺炎球菌ですが、私の研究では10%程度は不発育ですので、あり得ますが、百日咳の培養検査はしっかりと指示出されていますか?ボルデジャンク培地という特別なもので、しかもベッドサイドでしないと分離出来ないです。百日咳は綿棒でも良いという場合もありますが、十分発育しないことも考えられますし、グラム染色で見えた菌全てが発育しないと思っていただいても問題ないです。
成人市中肺炎で痰の質が良ければインフルか肺炎球菌かが8割程度になろうかと思いますので、何も既往などなければどちらかなのでしょうがね。
お答えになったでしょうか?

投稿: 師範手前 | 2009年4月29日 (水) 00時25分

 ありがとうございます。通常の喀痰ではめったに自己融解は見られるものではないのですね。
 百日咳菌とインフルエンザ桿菌は、それぞれ指定分離培養をオーダーして鑑別依頼をしていますので、培地も問題ないと思っています。ただ、喀痰よりは綿棒で鼻の奥に突っ込んで、インフルエンザみたいに採取したほうが検出率がいい、と検査センターの方に教わりました。でも、グラム染色でたくさん見えたのできっと大丈夫、と思って出したのですが。
 件の患者さんは、その後の咳の状態からもやはり百日咳が怪しく、ペア血清を先日提出しましたので、その結果待ちです。明日か明後日には結果が出ます。

投稿: 三省 | 2009年4月29日 (水) 17時44分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 感染症学会のおさらい① | トップページ | 感染症学会のおさらい③+α »