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2009年4月15日 (水)

ガス産生の肝膿瘍

  夜間というのは、日常話出来ない情報が多く取得出来る場でもあります。病棟でICTラウンドレポートを作成していると、CTを眺めている先生が。

覗き見すると『CTでLiver abscessが、ガスが内部にある膿瘍なんでしょうね。』と立ち話。

『どういう菌が想定されるんですかね?抗生剤どうしましょう?』と。

そう言われたら皆さんはどう答えますか?直ぐに答え準備されていますでしょうか?

肝膿瘍の主要な起炎菌は、腸内細菌(大腸菌や肺炎桿菌が多い)、B群溶連菌、Fusobacteium spp.などで、ガスを産生するので腸内細菌じゃないですか?と返答。

特に耐性菌が出る背景(手術、入院期間が長い、狭域抗菌薬が既に長期間投与されているなど)が無ければ、CMZなどの肝移行の良い抗菌薬が第一選択ではないでしょうか?ご検討下さい。と・・・。あ、今夜間でドレナージ出来なければ血液培養は採取下さいね。と付け加え、12時間後に血液培養陽性に。

下記の菌が検出されました。後々の同定結果は大腸菌(ABPC耐性:β-ラクタマーゼ陽性でESBL陰性)翌日、膿瘍が提出されたものも掲載します。

大切なのは、日ごろから気にかけている、臓器特異性や系統的に細菌検査室でのデータ。まとめていますか?

600_2 ×1000(血液)

600_4 ×1000(膿瘍)

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グラム陰性菌」カテゴリの記事

コメント

肝臓でのガス産生膿瘍は、日本では大腸菌、クレブシエラが多いとありました.
質問なのですが、ガスの量で経過が長いかどうか、感染時期の予測はつくのでしょうか?

投稿: 後期研修医 | 2009年4月15日 (水) 22時25分

後期研修医さま

続けてのコメントありがとうございます。ガスの量で経過が長いかどうかは難しい内容です。はっきり言って分かりません。
少し違う話ですが、細菌検査をしていて腸内細菌の同定時にガス産生性を確認します。ブドウ糖を発酵して、赤痢はガス出さないのですが、大腸菌は出します。肺炎桿菌は産生が多く鑑別点の一つです。ガスの産生は生体内でも起こりうる現象で、ガス壊疽などそうじゃないですかね?一般的にはクロストリディウムが良く上がりますが、嫌気でガスが出ていれば想定出来ます。その鑑別をまずはグラム染色がベースになろうと思います。

投稿: 師範手前 | 2009年4月16日 (木) 20時00分

師範手前様
少し話しがずれるのですが、肝膿瘍から赤痢アメーバの栄養体もしくは囊子を見たことはありますでしょうか?
栄養体を見ることができるのは稀です、と学生時代に教わったおぼえがあります。(いまだに私は見たことがありません)
もし、見たことがありましたら教えていただけると嬉しいのですが。
コーン染色が主流になるんでしょうか?

投稿: こたろう | 2009年4月17日 (金) 01時33分

こたろう様

赤痢アメーバーの肝膿瘍時のトマツの感度は20-30%(多くて50%)と言われいます。栄養体は私は1度だけ拝ませて貰いました。あとはシストのみです。コーン染色が主流になりますが、ギムザ染色でも綺麗に染まりますよ。血液検査のものではなく、pHを6.2にしないといけませんが。コーンは鉄ヘマトキシリンなので2-4時間掛かりますが失敗すれば黒くて見えません。
ご存知の通り、採取後30分を限度に見終わらないといけないもので、常にスライドは温め続け見る努力が必要です。病理の伸展盤などお借りすれば効率的です。
ただ、膿瘍の採取をちゃんとしてもらわないと見えないことは意外に知られていないことで、膿瘍の真ん中をついても見えるのは壊死組織のみで、アメーバーも自己融解を起こし見えないものも多いと思います。膿瘍は必ず辺縁部を採取してもらい活動期のアメーバーを採取するように指導が必要です。極論はアメーバー抗体検査をEIAでだすとほぼ100%で検出出来ます。

投稿: 師範手前 | 2009年4月18日 (土) 00時00分

師範手前様
貴重なご意見ありがとうございます。
なかなか栄養体に遭遇は難しい様ですね。ヨード染色もあるみたいですが、あまり染まりが良くないのでしょうか?

投稿: こたろう | 2009年4月19日 (日) 00時59分

絶好の行楽日和です。
さて、ヨード染色も良いですが色のコントラストが弱いので少し見にくいかもしれません。一度ならずとも何回も見ないと頭に焼き付かず感度は下がるかも…

投稿: 師範手前 | 2009年4月19日 (日) 13時11分

ありがとうございました。
今後、赤痢アメーバを拝めるようにがんばります。

投稿: こたろう | 2009年4月21日 (火) 00時46分

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