呼び出し
検体管理加算Ⅲか施行されて1年が経ちました。グラム染色を当直帯ですると加算が採れるようになっています。厳密には臨床上役に立つ微生物学的な塗抹検査と書かれていますが、=グラム染色と解釈出来ます。
当直者でも行いますが、まだまだ、出来る環境にはありますが、従事者のスキルトレーニングが進まずオンコールにより対応している施設もあろうかと思います。さらに、グラム染色を当直者にさせても、Critical過ぎる場合には、当然微生物検査の担当者が呼ばれることも多いと思います。
休日の出来事ですが、当直も外れ、せっかくの休みのため出かけようとしていた時です。敗血症性ショックの患者が昨晩入院してきて、今大変な時期にさしかかっていますと主治医より連絡。血液培養は陽性になっているようで、当直者と協議の上、緊急出勤しました。
直ぐに行き、血液培養陽性ボトルのスメアを作り見ました。(下記のスメアです)
『先生、溶連菌でしょう!』とPHSを鳴らし応答。患者の容態を確認しにいくと、下肢に紅斑認めショック。侵入門戸の検索をして問題点を洗い出すことにしました。
一応確認のため、先生とグラム染色を見ながらディスカッション。リアルタイムかつアクティブな情報交換は臨床検査をしていて良かったと思える瞬間です。
また、ひとえに連鎖球菌と言えども菌名も分かる事があります。
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コメント
グラム染色道場、お疲れ様でした。僕も近隣で開催されれば、是非参加したいところです。
さて、このグラム染色で溶連菌と菌だけを見て確信するにはどの点がポイントですか?患者背景も含めて判断されているのだとは思うのですが、見た目では、 ・長めの連鎖で ・菌の辺縁がやや赤っぽくて ・粒が長くない丸っこい形 ということですか?これまでもそのような指摘をされていたかと思いますが、今一度教えていただけますでしょうか。
投稿: 三省 | 2009年4月25日 (土) 13時33分
三省さま
また高知で話があれば是非行きます。
この点は賛否両論の内容ですが、私的には
・丸く連鎖が長い
・染色性が一部悪いところがある
・菌体の周囲が一部紅くなっているところがある
周囲の紅いのはM蛋白かFibronectin binding proteinと考えています。蛋白が紅く染まるのは大体理解出来るかと思います。
ただし、周囲に蛋白質を多く含む検体においても同じ像を確認出来るかは統計取らないと分かりませんが、今のところ100%の同定確率を私は持っています。(←これは少し自慢です)
投稿: 師範手前 | 2009年4月25日 (土) 21時20分