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2009年3月 6日 (金)

グラム染色道場の初級者コース

先日参加した日本環境感染学会で『グラム染色道場の段持ちではなく、入門希望者向けの内容も必要ではないか?』と知人の先輩からコメント頂きました。

確かに初心を少し忘れていた気がします。検体管理加算のこともあり、これから始める方(入門希望者)に対する配慮を少し忘れていました。たまに掲載したいと思います。

ところで、肺炎の代表的な起炎菌としてこれがあります。これは、見ての通り二双性のグラム陽性連鎖状球菌=肺炎球菌。はて、どう考えますか?これは殆ど合うことでしょう。しかし、これが長期入院患者から出るようなケースたまに見ませんか?そういった少し状況が変わった場合でも肺炎球菌と言える器量はありますか?ただ、市中に多い肺炎の起炎菌ですが、肺炎球菌と断定出来るプロセスを再度確認しましょう。患者背景もそうですが、診断の一助になるにはしっかりと主治医もしくはカルテ等に記載している情報が大切です。かならず読んだり、見たり、話したりしましょう。

治療薬は、健常成人に発生した場合はペニシリンでしょう。COPDなどの場合は状況が変わることも考えないといけません。ペニシリンは細胞壁合成阻害剤で、ペニシリン耐性はペニシリン結合蛋白(PBP)の変異による親和性低下です。耐性と言ってもβラクタマーゼとは少し様相が変わります。あとは各自勉強しましょう。

また、昨年からCLSIの感受性判定基準でも肺炎の場合はカテゴリーが変わっています。おそらく殆どが感受性菌と判定されるはずです。http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm5750a2.htm

トレーニングとしてこれで肺炎球菌性肺炎と考える力を試して下さい。

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コメント

時々覗いてはいるのですが、ハイレベルなのでコメントなど無理なんですけど、初級編なので思い切って入門!
右端真ん中のあたり、下辺部には莢膜が抜けた双球状GPCが見えるのでこれか?と思います。双球に見えないけど抜けてるGPCも肺炎球菌なのでしょうか。背景の白血球は壊れていてよくわからんですが単球なのでしょうか。単球は治癒過程に見えると解釈しておりましたが、長期入院でなにかしらの抗菌薬が投与されているためにあまり急性炎症像を呈さない、とかあるのでしょうか?
なんか素人くさくてすみませんが、師範はじめ達人の方々なんでもいいのでコメントいただけるとウレシイです。

投稿: てんてん | 2009年3月10日 (火) 21時52分

てんてんさま ありがとうございます。

>辺部には莢膜が抜けた双球状GPCが見えるのでこれか?と思います。双球に見えないけど抜けてるGPCも肺炎球菌なのでしょうか。

そうです。肺炎球菌です。肺炎事例には欠かせない菌であり、これが分からないのはもう、既にインシデント領域になろうかと思います。分からない方、精進してください。
この場合は白血球はそれほど綺麗ではありませんが、炎症像の強い像として捉えます。すべては好中球ですが、核が一部不明瞭であり、古くなっていっていると示唆されます。
細胞を見るときは核の染まり方を見ると種類が分かるときが多いですよ。細胞観ているかたに聞くと丁寧に教えてくれます。

投稿: 師範手前 | 2009年3月10日 (火) 23時54分

師範さま、ありがとうございます。
WBCの種類、言い当てられなく残念でした。そういわれれば好中球に見えます…ダメだこりゃ、ってかんじですがもっと皆で勉強しようと思います。また時々初級編もおねがいします。

投稿: てんてん | 2009年3月11日 (水) 18時29分

>また時々初級編もおねがいします。
了解しました。

でも私は師範では無く、師範に少し足りない師範手前の身分です。師範になれるかは精進次第になりますが、抜かないようにして下さいね。

投稿: 師範手前 | 2009年3月12日 (木) 22時02分

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