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2009年2月16日 (月)

緑膿菌を緑膿菌と言える匠の技

臨床微生物学会では私の稚拙なプレゼンのため、グラム染色による菌の同定は正しくないのか?という議論になりました。

確かに質問が出るのは止むを得ないことと思います。過去にそのような検討が日本でなされてなかったためです。海外文献ではたまに見ていました。面白いな?と思いながらこの道場を通じて情報公開していましたが、自分ではどれくらいかな?と思い今回の発表に踏み込みました。

あの発表で伝えきれなかったことは

 ①全て私が見た結果であり、複数人によるバラつきはまずありません。

 ②材料は全て適切に取れていることが前提

 ③入院と外来は今回無視して見たこと(重要なファクターですが、バイアスかかるかもしれないので敢て入れていません)

 ④スメア見る前には年齢や性別は見た

さて、緑膿菌を緑膿菌と鑑別するにはどうしましょうか?

・患者の背景(免疫状態、手術歴、入院歴、抗菌薬投与歴)

・緑膿菌の既往(特に喀痰は大事)

・菌の染色像(グラム陰性にやや薄く染色され、中型、湾曲や集塊を形成したり、ムコイド)

を同時に見抜く必要があります。

それは匠の技では無く、いつも皆さんがどういった動機付けでグラム染色を見ているか?にかかってきます。

緑膿菌を緑膿菌と言うのは博打かもしれませんが、ガイドラインも一つの確率論の上に成り立っているように思います。博打の確率を上げる、外れる危険を回避するためにも緑膿菌を緑膿菌と言えるスキルが、いずれは必要視されるのでしょう。

これは、リウマチ性膿胸悪化で紹介のあった患者の胸水です。このときは緑膿菌と言いました。培養は緑膿菌でした。

Photo ×1000

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コメント

師範手前さま

>緑膿菌を緑膿菌と鑑別するにはどうしましょうか・・・
・患者の背景(免疫状態、手術歴、入院歴、抗菌薬投与歴)
・緑膿菌の既往(特に喀痰は大事)・・・

主に喀痰などから緑膿菌が検出され始める過程は大体似ているように思います。
慢性気道性感染(下気道)を起こしやすい代表的な菌になろうかと思います。
気道の防御機能低下(特に緑膿菌の線毛運動障害を起こす外毒素)や液性免疫能の低下により、繰り返し感染を生じさせ遷延状態になる為と思われます。

また、高度浸襲性手術の後や腹部手術、長期入院患者ではリスクが高いと思われます。

抗菌薬投与歴は特に重要で、抗緑膿菌薬以外の、ペニシリンやセフェム薬投与後の菌交代としてよく経験するところです、やはりグラム染色から緑膿菌を推定する事は重要と思います。

因って、患者背景を理解できればその他のブ非発酵菌や、腸内細菌群との鑑別は逆に容易かも知れませんね。

投稿: 倉敷太郎 | 2009年2月17日 (火) 16時29分

師範手前様

高熱で倒れています.
ところでご質問ですが,「緑膿菌」というのか「緑膿菌らしい」というのでは,若干ニュアンスが変わってきます.
私自身はよくわかりませんが,例えばPseudomonas putidaやAlcaligenes,Burkhorderia,その他に,「緑膿菌によくにたブドウ糖非発酵菌だが緑膿菌ではない菌」の区別もつくのでしょうか?

投稿: ID conference管理人 | 2009年2月17日 (火) 17時53分

コメント遅れてすいません。バタバタしていたもので…ゆっくりコメント見れませんでした。
緑膿菌を緑膿菌と言えるのは本当に匠の世界です。でも馴れてくると腸内細菌やヘモフィルスとの鑑別は出来ると思います。それは経験や培養結果との照合が多くできていればその確率は上がると思います。このブログを見ている人は非発酵菌とはちゃんと鑑別出来ていると思います。
IDconference管理人さんの求める非発酵菌の中での鑑別ですが、私はマルトフィリア、セパシア、アシネトなんかはおおよそ解りますが、プチダやフルオレッセンスなんかはちょっと…と感じてます。本当に形が似ているんで。でもそのあたりは同定機も苦手なんで本当に同定が合ってるか?て言うのも気にしないとダメな事もあります。小ネタです。

投稿: 師範手前 | 2009年2月22日 (日) 17時20分

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