材料が悪いけどどうしましょう
喀痰のグラム染色をする前に、Miller&Johnsの分類で痰の概観を確認します。
M2(膿成分が少なく唾液成分のみ)の材料をどうしましょう?
・採り直してもらう。
・仕方なしにする。
肺炎を疑うが外来治療される場合ですが、痰を提出して帰るが、採り直しをお願いしても患者さんはもう居ないなどということもあるでしょう。
そういった場合は止む無く培養を行いますが、信憑性に欠ける結果になる可能性は高いと思います。
しかし、グラム染色は逃しません。色々と見ていると、膿の部分が見えこのように肺炎球菌を疑う貪食像が確認されます。αレンサ球菌との鑑別も大切で、肺炎球菌を疑うが、どうかな?と思いますよね。でも良く見れば肺炎球菌なので、コメントに加えることも検討が必要では無いでしょうか?
私は逆手に取って、αレンサ球菌(上皮に付着しているもの)と肺炎球菌(古い白血球?に貪食されて確認されてるもの)を比べこの時ばかりに違いを頭にインプットします。
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コメント
師範手前さま
>喀痰のグラム染色をする前に、Miller&Johnsの分類で痰の概観を確認します。
M2(膿成分が少なく唾液成分のみ)の材料をどうしましょう?・・・
いつも品質の良い喀痰ばかりじゃあありませんよね、どちらかというと問題にとなる喀出痰の方が多いように思います。
ぼやいていても仕方が無いので、取り直しをお願いしますが、同じような品質のものが返ってくる事の方が多いような気がします。
私自身はあのガァーペッ!と痰を喀出するのが昔から苦手です。 喀出が出来ない患者さんも多いと思いますが、しかしそこは仕事ですから、看護士さんにお願いして、患者さんにはがんばってもらうようお願いしています。
P1以上膿性部分の見られる痰はいいとして、M2(またはM1の一部)の性状痰は全て取り直しが必要なのかどうかですが。
案外M2膿性部分が見られないが、スメアで治療中の患者さんや、慢性の気管支炎患者さんなどでインフルエンザ桿菌(緑膿菌)などが優位に見られることなど経験することがあります。
私も思います、グラム染色は逃しませんね、しかし、起炎菌かどうかは慎重に判断する必要があると思います。
投稿: 倉敷太郎 | 2009年2月23日 (月) 18時57分
倉敷太郎さま
本日、貴病院の技師さんからGSSG参加申し込み頂きました。熱心ですね。
さて、「私自身はあのガァーペッ!と痰を喀出するのが昔から苦手です。」に食いつきますが、基本的にこのような排痰による喀痰培養は不向きですね。せいぜい気管支に付着した良くわからないゴミや粘液が入るのが落ちですので。
しっかりと痰を出せるような訓練が必要でしょうが、私は正確には知りません。痰があると認識させて体位変換や軽い上半身の運動が良いようですがね。
投稿: 師範手前 | 2009年2月23日 (月) 22時48分
師範手前さまおはようございます
本当に言われるとおり、ガァーペッ的排痰は喀痰培養には不向きですね。
いつも私は現場で簡単な説明方法があればいいのになあと思います、どなたか教えてください。
私、ガァーペッと痰を喀出するだけでも涙が出てくるぐらい苦手です、ちょっと固執しすぎてすみません。
投稿: 倉敷太郎 | 2009年2月24日 (火) 07時57分
私の職場でも品質の悪い痰が多いです
グラム染色の実施件数自体が少ないこともありますが、Miller&Johnsの分類でM3の材料がでるとその日一日は幸せな?気分になります
品質のいい検体採取というのは私たちの至上命題ではありますが、難しいところですね(苦笑)
投稿: 侍 | 2009年2月24日 (火) 21時24分