« 歯科材料のグラム染色 | トップページ | 自己排尿と腎盂尿 »

2009年1月26日 (月)

この時期

インフルエンザを初めとして、ウイルス性疾患が流行している時期です。2月に入るとインフルエンザの流行も一層拡がります。

施設でも、ノロウイルスを初め、インフルエンザの流行するケースも多く、予防接種をして罹患しても軽快出来るように準備していると思います。

この時期から4月初めまで多いのが肺炎球菌の肺炎です。

施設から肺炎疑いで緊急入院してくる例もあると思います。施設から来た場合、市中肺炎と少し考え方を変えなければなりません。nursing home–acquired pneumoniaと言うようです。Clinical Infectious Diseases 2005; 40:7–8

口腔衛生が悪くなり、口腔内の常在菌による肺炎、耐性菌による肺炎など想定してグラム染色を見ることも大切です。肺炎球菌などの市中肺炎の起炎菌についても当然想定範囲になります。情報も少なく、すべての網でひっかけるように丁寧に見なければなりません。

弱拡大では古い白血球、繊毛上皮などありますが、しっかりと肺炎像を掴めません。材料不適とも思われる像で、強拡大では白血球も少なく連鎖球菌が・・・。誤嚥?とも思われますが、典型的な誤嚥像も無く、この連鎖球菌を肺炎球菌かどうか判定するのは難しいです。尿中抗原などもしっかりチェックしなければなりませんね。

この例は、尿中抗原が陽性になりました。ワクチンは接種していません。

M100 ×100

M6002 ×1000

|

« 歯科材料のグラム染色 | トップページ | 自己排尿と腎盂尿 »

グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

>弱拡大では古い白血球、繊毛上皮などありますが、しっかりと肺炎像を掴めません。材料不適とも思われる像で、強拡大では白血球も少なく連鎖球菌が・・・。誤嚥?とも思われますが、典型的な誤嚥像も無く、この連鎖球菌を肺炎球菌かどうか判定するのは難しいです

療養施設の患者さんや、基礎に免疫疾患などをもっている場合
いわゆるぐりぐり(典型的な)な肺炎球菌像を認めなくなったようなものを経験することがあります。
このスメアでは典型的な肺炎球菌の双球菌様ではありませんが、色々なバリエーションを経験してくると、片割れのみ認められるようになったやはり肺炎球菌として十分認識できると思います。
確かに急性増悪を思わせる肺炎球菌感染症例とは、気をつけなければスルーしそうです。

投稿: 倉敷太郎 | 2009年1月30日 (金) 12時26分

この記事へのコメントは終了しました。

« 歯科材料のグラム染色 | トップページ | 自己排尿と腎盂尿 »