インフルエンザ菌はここ
11月に掲載した『子供の耳漏:http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-7244.html』ですが、正解を掲載していませんでした。
こんな小さい菌も見つけるのが仕事です。でも、結核菌見つけるのより楽と思えば良いのではないでしょうか?
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コメント
久しぶりに書き込みます。このインフルエンザ桿菌、このような所見がポツリポツリしかなかったら、僕には同定する自信がありません。
子供の中耳炎のこと、耳漏として外耳道から明らかに膿が流れ出たときには起炎菌として確定できると思いますが、耳漏が出ること自体が少ないほうだと思います。耳漏が出ない場合、その中耳炎の起炎菌をチェックするには、黄色い鼻漏が出ていればそれをグラム染色して、明らかに貪食を受けるような細菌が確認できれば、中耳炎の起炎菌と推定してもいいのでしょうか?
それと、インフルエンザ桿菌を疑った場合、僕は全例、培養にも提出しているのですが、時々、報告書には期待した菌種が培養されず、全く別のα-streptococcusと報告されて着たりします。まさか、グラム陽性と陰性を間違えただろうか??と思って標本をre-viewしても、やはりインフルエンザ桿菌と思われるものが見えるのだけれど・・・といったことがたまにあります。
僕の判断ミスの可能性もありますが、培養の段階で、釣菌時に釣られなかったり(常在菌と判断されやすいとか)、培養で生えにくかったりする要素はありえるのでしょうか?痰の提出は、咽頭スワブの容器で綿棒に痰をべっとりつけて提出しています。以前、痰のスピッツに入れて出したら、外部委託検査なので検体集荷間での時間で乾燥するのでスワブ容器で取るように言われました。
「インフルエンザ桿菌は生えにくい」とか、「見落とされやすい」とか、「見間違えられやすい」とか、培養検査の段階でそのような可能性が出やすい菌なのでしょうか?
投稿: 三省 | 2008年12月16日 (火) 00時12分
三省さま
お久しぶりです。さて、ご質問の回答となるでしょうか?
>耳漏が出ない場合、その中耳炎の起炎菌をチェックするには、黄色い鼻漏が出ていればそれをグラム染色して、明らかに貪食を受けるような細菌が確認できれば、中耳炎の起炎菌と推定してもいいのでしょうか?
確かに、鼻咽頭との交通を考えると起炎菌を抑えておくのに鼻汁を見る(膿性の)のは一つの策だと考えます。でも、必ずしもイコールと考えれないのが現状ですので、果てしなく近いと考えないといけません。
>時々、報告書には期待した菌種が培養されず、全く別のα-streptococcusと報告されて着たりします。
これは契約上の問題でしょうか?三省さまは確か開業されていましたよね(間違っていたらすいません)。
契約上、この病院であれば起炎菌でなくても1つは取ると決めている場合は明らかに培養で大きな集落を拾うことが想定され、インフルエンザ菌のように、発育が悪く、2日目でやっと発育するような場合も少なくともあります。そのため、このような結果を招く恐れがあります。納得いかない場合は検体を返してもらい遺伝子検査をするという手もありますが。
>「インフルエンザ桿菌は生えにくい」とか、「見落とされやすい」とか、「見間違えられやすい」とか、培養検査の段階でそのような可能性が出やすい菌なのでしょうか?
一般にこのように考えているような場合は、その検査室は進んでいると思いますよ。普通は発育して当たり前で検討もしない病院は五万とありますので。
自施設で塗抹を見て、起炎菌を推測してから、培養で結果が合わないのは良くある話です。目的菌を塗抹で肺炎球菌やインフルエンザ菌を見たから検出して下さいとすれば、一生懸命検出してくれるはずです。
投稿: 師範手前 | 2008年12月17日 (水) 20時02分
とても参考になりました、ありがとうございました。当院では培養は外部委託ですので、委託先の検査(隣の県まで持っていって調べているみたいです。)がどのような形でされているかはサッパリわかりません。コメント欄に、明らかに起炎菌として疑うので、是非に、とお願いをするようにします。
遺伝子検査までは・・ようしませんので・・当面、培養結果と再度保存しておいたスメアのレビューで摺り合わせてゆきます。
投稿: 三省 | 2008年12月18日 (木) 18時37分