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2008年12月30日 (火)

閉塞性胆管炎 2つかよ!?

閉塞性胆管炎で、どうしても閉塞が改善しないような症例も出くわします。直ぐに詰まってどうしよう?と思ったことないでしょうか?

詰まると熱が出て、血液培養を採取します。半日程度経つと血液培養が陽性になりスメアを見ます。

殆どが単一菌ですが、稀に複数菌出てきます。閉塞性胆管炎の場合、複数菌検出されれば予後が悪いと当検査室では過去のデータで証明されています。

こういった、検査室で取れるエビデンスを用い、グラム染色結果を返すのは有効なことではないでしょうか?でも、本質は、染色結果をどれだけ正確に報告するかにもよります。

このスメアはどうでしょう?閉塞性胆管炎で血液培養陽性でした。2セットの4本とも陽性です。抗菌薬はフリーです。主治医はCPZ/SBT投与しましたが、どうアドバイスしましょう?

ペニシリンでしょうか?菌の形態から究極の答えを探してみませんか?

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コメント

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

早速ですが、胆管炎症例でこのように見えるGPCとしてはEnterococcusが一番に考えられ、もしかしたらGBSもありかもしれません。またGNRに関しては非発酵菌というよりはE.coli, Klebshiella などの腸内細菌だと思います。
また腸管内由来の感染で嫌気ボトルからも生えているため嫌気性菌も念頭に考えたいです。
胆管炎のEnterococcusはカバーしなくても問題ないと一般的に言われているみたいですが、本当のところはどうなんでしょうか。
以上、考え合わせるとEnterococcusにセファロスポリンは使いにくく、嫌気性菌も含めた腸内細菌GNRをカバーするためにPIPC/TAZ(最近出たゾシンR)なんかはいかがでしょうか?
究極の答えには遠いかもしれません。
Enterococcusを無視するという戦略ならばCMZも嫌気性菌、腸内細菌をカバーするためにはいいと思いますが。

投稿: highgear | 2009年1月 3日 (土) 08時27分

highgear さま明けましておめでとうございます

>詰まると熱が出て、血液培養を採取します。
半日程度経つと血液培養が陽性になりスメアを見ます・・・
イメージから腸球菌と腸内細菌あたりでしょうか?
嫌気性菌感染を想わせる菌はいないように思います。
私もhighgear さまと同じくPIPC/TAZか、ABPC/SBT×4/日
ゾシンについては現状理解してません。


投稿: 倉敷太郎 | 2009年1月 3日 (土) 11時34分

今年もたまにおじゃまします。
本症例ですが、いろいろな情報が必要でしょうね!
Opeはしたの?閉塞きちんと対応できてる?前投与薬?前回検出菌の薬剤感受性結果はなどなど・・・
再発くりかえすのであれば、以前に何らかの投与はあったのでしょうね・・・PIPC/TAZ、ABPC/SBT・・・胆道への移行も考えてそして腸内細菌メイン、嫌気性菌からむとなれば、この2薬剤ではどうでしょう?いけるのでしょうか?下部消化管ですよね。。。EnterococcusもE.faecalisと決めてるような。グラム染色でE.faecalisとE.faeciumは鑑別がつくのでしょうか・・・と考えて、おじゃま虫としてはFMOXかな。安易ではありますが、胆道への移行はいいですし、本感染症へのTotalのポテンシャルはそこそこあるのではないでしょうかね!カルバでもいいような・・・基本的にEnterococcusのことは後回しでいいのでは?と思います。実際にはDeescalationできれば、初期は一気に叩いて、ナローなやつでフォローでいいんでしょうね。予後が悪いのであればなおさらですね・・・助けるほうが優先ですよね!このようなケースの場合には菌の形態からの究極の投薬よりも検出される菌の薬剤感受性と耐性機序が早くわかりたいものです。それは再発をくりかえしているから・・・

投稿: おじゃま虫 | 2009年1月 3日 (土) 14時12分

おじゃま虫さま
>Opeはしたの?閉塞きちんと対応できてる?前投与薬?前回検出菌の薬剤感受性結果はなどなど・・・
再発くりかえすのであれば、以前に何らかの投与はあったのでしょうね・・・

菌交代現象も考慮するなら、カルバペネムもありかなと思います。
また下部消化管、嫌気性菌もカバー必要なら言われる通りでしょう。
検査する側からは、血液培養陽性時、次日中には菌の同定・薬剤感受性と耐性機序の検出は出来るように努力したいものです。

投稿: 倉敷太郎 | 2009年1月 3日 (土) 16時50分

元日当直の明けで夜中まで働かされるはめになり、トータル40時間ぶっとうしで起きていました。そのためか、本日は昼過ぎまで熟睡で、ようやく動き今ブログチェックをすると白熱してましたんでビックリしました。

このようなケースは非常に迷うところでしょうね。迷うポイントは検出される菌と抗菌薬がマッチングしないところです。腸球菌は後から・・・などとオカルトにコンタミした菌のように扱われます。菌検査をしていてどこまで必要なのでしょう?と考えることが多いです。私も本当のところ迷うことも多いです。患者さんの状況に左右されることが多いのでしょうか?やはり怖いのが腸内細菌の感染で、敗血症性ショックを起こすこともしばしばあります。腸球菌ではさほどショックは起きない(例数が少ない)ことも、初期治療の抗菌薬選択へとつながるのでしょうね。

少し参考書から(サンフォードガイド2008)
p29に記載があります。
腸内細菌68%、腸球菌14%、Bacteroides10%・・・・。選択抗菌薬はPIPC/TAZかABPC/SBT(生命危機の場合はカルバペネム←ここは2008年に追加されたもの)、第3世代セフェム+MNZ。

腸球菌と記載ありますが、E.faecalisかE.faeciumかは分類されていません。
別の文献ですが、たまに見直すものです。(JCM, Nov. 1981, p. 522-526)。これにも腸球菌の分類はされていませんが、スペクトルに関係なく治療されているケースを認めます。腸球菌の対応はケース・バイ・ケースなんでしょう。

おじゃま虫さんが
>Opeはしたの?閉塞きちんと対応できてる?前投与薬?前回検出菌の薬剤感受性結果はなどなど・・・
検査結果の一人歩きを防ぐためには、患者背景が非常に重要な要素となることを示して頂いています。

もちろん、過去のデータを参照に起炎菌を予測し抗菌薬投与するでしょう。手術が最優先される場合もありますし、再燃なんて場合はもちろんのことです。手術が出来ないケースも当然出てきます。無理難題が絡み合うこともあります。

ICTとしては、前回のサマリー、感受性結果なども踏まえて相談に乗ります。でも、ESBLなど出ていない限り、抗菌薬の選択はいつもサンフォードと同じようになろうかと思います。つまり、腸球菌は後回し・・・。
でも、胆汁ならまだしも、今回のように血液から出ている場合は、腸球菌を無視できないのかもしれません。E.faecium、E.faecalis関係なくVCMを入れてしまわないでしょうか?

ところで、この菌ですが腸球菌は予想できますよね。少し丸っこいが完全な丸ではなく、やや大きめから考えるとE.faeciumの可能性が高くなります。うちではだいたい、50%の確率ですがグラム染色で分別可能です。
E. faecium:http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-c8df.html

投稿: 師範手前 | 2009年1月 3日 (土) 17時59分

>検査結果の一人歩きを防ぐためには、患者背景が非常に重要な要素となることを示して頂いています。

師範手前さま少しご無沙汰しました、本年もご指導お願いします。
抗菌薬先行投入の場合本当に厄介な状況になってしまいます。
そこのところ我々検査技師の出番といつも思わされます。
患者背景とともにグラム染色スメアを通しもう一度じっくり治療法考える事が重要と考えます。

投稿: 倉敷太郎 | 2009年1月 3日 (土) 19時15分

倉敷太郎さま
>師範手前さま少しご無沙汰しました、本年もご指導お願いします。

こちらこそ、宜しくお願いします。

投稿: 師範手前 | 2009年1月 3日 (土) 21時45分

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