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2008年12月16日 (火)

尿路感染か?

消化器がん末期の患者で、両側の誤嚥性肺炎あり。心不全もあり胸水も認め、37~38度台の熱が続きます。熱は弛張熱。尿バルン留置中(1週間目)

突然の悪寒戦慄が出て、39度台の熱が2-3日続きました。主治医から相談あって、尿を採取し、このようなグラム染色。一般検査で混濁を認めるコメント付、尿白血球が3+。菌のみ答えて返しますか?

まずは、起炎菌の種類から入りしょう。

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グラム陰性菌」カテゴリの記事

コメント

両側誤嚥性肺炎があるのですでに、ABPC/SBT, PIPC/TAZ, CLDM さらにはセファロスポリン、もしかするとカルバペネムなんかも使っている状況かと思います。そんな中バルン留置中の患者の尿路感染だとすれば、耐性菌の関与、バイオフィルム形成菌などの関与が疑われます。
強拡大で見えるGNRは大きくはっきりしているためクレブシエラ、大腸菌など考えたいです。ただしコンプロマイズな患者で入院期間も長いでしょうから高度耐性菌の関与も捨て切れません。
強拡大で小さくゴースト状に見えるものは起炎菌でしょうか?蛋白性物質だと思いますが・・細菌には見えません。しかし好中球内にも見られており貪食像?かとも一瞬思いました。細菌だとすれば・・・アシネト?それ以外思いつきません。
治療はバルン抜去、輸液付加、現在の治療薬とは毛色の違うAbxなどでしょうか。

投稿: highgear | 2008年12月20日 (土) 17時51分

highgearさま

お久しぶりです。
通常、ターミナルで入院中の誤嚥性肺炎で、しかもバルン挿入者になるので、緑膿菌が気になりますよね?

今回のグラム染色の主題が、緑膿菌をどう除外するのか?です。このように、以前からこのブログで紹介しているように、濃い染色性を示し、湾曲もない状況から考えると緑膿菌は除外出来るのかな?と考えることが出来ます。いくら院内感染の原因菌と言えども、大腸菌を始めとする腸内細菌の尿路感染は多いもので、深く考えないようにすることが大切な場合が多いです。意外にもシンプルな原因菌であるかどうかの鑑別が大切ではないのか?と思う習慣を付けることでしょう。

アシネトの場合はもう少し小さい菌なので除外可能ですよ。また、バルン挿入と言えどもそうは多くない原因菌ではないでしょうか?

投稿: 師範手前 | 2008年12月21日 (日) 20時26分

ありがとうございます。たしかにグラム染色の世界でもCommon is commonは成立すると思います。尿路感染であれば入院、外来の区別はあっても腸内細菌は外せないと思いました。

投稿: highgear | 2008年12月26日 (金) 06時50分

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