ブランハメラは細気管支に感染しますよね
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コメント
一番左上のGPDCは、貪食されつつあるように見える気もします(ブランハメラに時々見られる染色が濃い目のGNDCかもしれませんが)。GNDCが多数貪食されているすぐ近くのGPDCも、同じく貪食されつつあるように見える気がします。『グラム染色道場』と書いてある文字の染と色の字の間の真下とのころの、うっすらとした莢膜も見えるような、少し小さめの染色の悪いGPDCは、融解しかけのGPDCにも見えます。
このあたり、とても判断に迷うところです。僕だと、混合感染と判断してしまうかもしれません。無難路線の心も働いて。GPDCにCAMが効かなかったら・・・と思うと、思い切ってLVFXを使っているかもしれません。いや、師範手前様のコメントがなければ、きっと使っています。トホホ・・・お恥ずかしい話ですが。
師範手前様、この場合はどの部分から、コロナイゼーションと踏み切れるのですか?ぜひご教示いただけましたら嬉しいところです。
投稿: 三省 | 2008年11月 1日 (土) 04時07分
三省さま
一つは貪食などの反応が無いことでしょうか?でも、肺炎球菌のような強毒性の菌が回りに居ると迷うところですね。
ブランハメラなので、マクロライドで良いと考えて治療を開始するには勇気と経験が必要でしょう。肺炎球菌でも気管支肺炎起こしますし。迷うところですが、貪食が無いのが私は鑑別点にしています。あと、混合の肺炎は少ないというデータも見ますので。
治療は?というと、高容量のペニシリン/βラクタマーゼ阻害剤になるのでしょうが。安全策を採るのが一般的になるかと思います。
重症化するかしないかの予測が立てれますので、貪食ありとするより、肺炎球菌は貪食認めませんと細かい記載が必要になることもあります。
市中肺炎ですので、肺炎球菌に合わせ、インフルエンザ菌が居ないか探すのも重要です。
経験則から言えばどうでしょうか?
投稿: 師範手前 | 2008年11月 1日 (土) 12時23分
おじゃまさせていただきやす。あえておじゃま虫ということで。
ブランハメラは気管支炎も肺炎もありでしょう!
肺炎球菌はそのきょうまくという武器でもって、ファゴサイトと戦っています。なので貪食が明らかでない場合もありますよね。
感染に関与しているかどうかは難しいところですね。
あと、最近の血液寒天培地は肺炎球菌用にたいなところがあって、発育のやや遅いブランハメラは菌量が少ないくみえるのでとまつでしっかり捕まえたいところですね。
治療はブランハメラ単独感染であればセフェムでもいいのでは?
外来治療であればですけど。回数を重症度に合わせて
混合感染であれば、特に倍量3回でしょうね。重症であれば入院させて、ペニシリン系えいや!でしょうけどね。
最近でた、キノロンも短期勝負であればいいのではないでしょうか?クラビットちまちまだけは避けたいものです。
師範様に一言二言・・・
高容量⇒高用量ですよ!
あと三省様へのコメントの中で、混合感染がないと言っておきながらヘモフィリスを探しましょうというのはなんとなく矛盾ではないでしょうか?
すいません・・・もろ通りがかりです。。。
投稿: おじゃま虫 | 2008年11月 1日 (土) 18時30分
おじゃま虫さま 温かい文面ありがとうございます。
(誤)高容量→(正)高用量 気付かず打ち込んでました。高容量ってどんな薬なんでしょうね?あれば興味ありますね。すいません。気を付けます。
ところで、細気管支炎と気管支炎の区別は不要でしょうか?細気管支炎は肺炎に区別される呼吸器疾患に思いますが…。無意味かも知れませんが肺炎の類型化をグラム染色で行って重症化へのマーカーにしてます。
莢膜ですが貪食を逃れるようにしてるのでは無く、食細胞に取り込まれて消化されにくくしてるだけと思ってましたが違いますか?好中球は目の前にあるものを貪食するので…。病理学的にはそうだったと思ってますが。間違ってますか?教えて下さい
投稿: 師範手前 | 2008年11月 1日 (土) 20時12分
通りすがりだったのにもどってきてしまいました。。。
その原因菌がどこに寄生しやすいかは、その菌によりある程度ありますよね。細気管支炎、気管支炎、肺胞内どこの感染かは原因菌が検出されたときにある程度鑑別できるでしょうね。ヘモフィリスと肺炎球菌でも違いますよね!ただ、それはある程度統計学的な話かなとも思います。菌は時として予想を裏切ります。まあ、この件は師範にお任せします。
あと莢膜ですが、病理学的な話はよくわかりませんが・・・莢膜の免疫機構の回避は、食細胞による貪食から逃れやすくなるためであると思います。理由はよくわかていませんがどうやら莢膜を構成する高分子が親水性で表面が負の電荷を帯びていることで、食細胞から認識されにくくなるためだという説があります。また菌体表面への補体の結合を抑制することで、補体による殺菌を回避することも知られていますよ。
今回のケースはおじゃま虫としては、無視(虫)できないかなと思います。ブランハメラはβラクタマーゼを産生しますよね。ゆえにそのβラクタマーゼに守られて関与していること(する?)も考えた方がいいかなと・・・菌に聞いてみないとわかりませんが。両方ともにカバーできる薬剤選択がいいように思います。
ということで、通りすがりのおじゃま虫でした。
投稿: おじゃま虫 | 2008年11月 1日 (土) 21時30分
おじゃま虫さま
ありがとうございます。
少し調べましたが、莢膜の研究論文は1930年代のものだったので、中々正確なことがわかりませんでした。
おっしゃる通り、莢膜にアセチル基を有しているとヒトに病原性が高いようです。また、莢膜産生菌は白血球の貪食を逃れると記載されていました。肺炎の場合は、貪食を逃れた菌が異常増殖をして、肺胞内にフィブリンを貯留させていくと言います。肺胞内への白血球の浸潤は2日以降になり、貪食のあった場合は、発症から2日以上経過している状態を示すようです。詳しくは新たに記事を掲載します。
非常に勉強になりました。またコメント宜しくお願いします。
>ブランハメラはβラクタマーゼを産生しますよね。ゆえにそのβラクタマーゼに守られて関与していること(する?)も考えた方がいいかなと・・・菌に聞いてみないとわかりませんが。両方ともにカバーできる薬剤選択がいいように思います。
まさにその通りと思います。
あと、遅くなりましたが、混合感染は無いのではなく、少ないので。市中で複数菌感染の場合、重症化するくらいの酷いのは僅か2%程度だそうです。
医療は確率論から入ることもありますが、それではいかない面々もあるところです。そのためには、グラム染色は大事になるのではないでしょうか?
投稿: 師範手前 | 2008年11月 3日 (月) 18時01分