人工呼吸器装着者 その①
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コメント
集中治療部において喀痰から貪食されているグラム陰性桿菌がみられたら、今回のスメアのように染色性が強く腸内細菌の方が強く疑われる場合でも、非発酵菌のカバーを外すことは実際の臨床では難しいのではないかと思います。じゃあ、グラム染色をする意義は?、と言われたら言葉に詰まりますが、患者背景を考えると人工呼吸管理をされているimmunocompromisedな患者にCTRX、CTXなど緑膿菌のカバーのない抗菌薬単剤で対応することは、許されるのかどうか分かりません。実際に集中治療部から検出される菌の感受性をみると、とてもCTRX単剤で戦う気にはなりません。でもこういった弱気(?)なことを続けていると、さらに耐性菌の発生率が上がってしまうのでしょうか?
個人に対する治療と集団に対する利益の狭間で、いつも難しい問題だと感じています。
投稿: highgear | 2008年11月14日 (金) 07時25分
highgear さま
いつもありがとうございます。先日、同僚の方からお話を少し伺いました。グラム染色にかなり力を入れられているようですね。頼もしいです。
ところで、院内肺炎が絡んだ場合は、市中肺炎と違い、グラム陰性桿菌のリスクが高くなることは知られていることです。特に日和見感染、デバイスなど非発酵菌には絶好の条件が揃っていますよね。
グラム染色の意義に迷われているかもしれませんが、基本的に院内肺炎では、グラム染色の威力は市中肺炎より劣ると考えています。培養で追加で発育してくる菌が多いのが理由です。つまり、宿主の状態にもよりますが、少数による感染もあるからです。
非発酵菌と腸内細菌を分別する理由は、例えばCTRXかCAZにするかになるのでしょう。目玉焼きをソースで食べるか、醤油で食べるかの違いくらいでしょうか?(例になっていない?)。
そりゃ、院内肺炎ですので、CAZを使いたいのが心情でしょう。そういった意味でも、PIPC/TAZは適正に使えそうな薬でしょうね(でも、当院にはありません)。
院内肺炎では、グラム陽性菌か陰性菌か判別出来れば上出来では無いでしょうか?そういった意味でも、院内肺炎のガイドラインは私の考えとは少し違う面もあります(グラム染色のところは)。
投稿: 師範手前 | 2008年11月14日 (金) 22時39分
院内感染か、市中感染か、まずその違いをちゃんと認識して鏡検に望むということが大切ということですね。
病院の性質上、あまり市中感染に出会う機会がないので、院内感染であってもグラム染色からなるべく多くの情報を引き出せるように頑張っているつもりですが、そこはグラム染色の限界を認識して、あまり深読みしすぎないことが大切だなとおもいました。
今後もよろしくお願いします。
投稿: highgear | 2008年11月16日 (日) 09時41分