何歳まで範疇に入れて検査をすべきか迷います
当院では、尿の培養検査をする場合、依頼科と性別、年齢について必ず見るようにしています。やはり、問題なのはSTDを疑い検査の依頼があるからです。
STDを考えた場合は、培養検査が主体になるのでしょうか?また、遺伝子検査が主体になるのでしょうか?二つとも検査をした場合は、主たる検査法のみ算定となっているので、PCRの方のみの算定になります。
こういったスメアを探すのは基本的な技術というように思いますが、そもそも、本質的な疑問があり、尿で淋菌の検査をするのでしょうか?淋疾は尿道炎を起こす疾患であり、尿を材料とする場合は、排尿時に通過して一緒になって落ちてくる淋菌を検出してるのです。最も良いのは尿道分泌物でありますが、状況により採取が難しい場合もあろうかと思います。でも必要な検査の採取方法であるのは間違いありません。
じゃあ、尿を材料としてきた場合は、何歳の患者までSTDを引っ掛けようと思い検査をしなければならないのでしょうか?20-30歳であれば必要かな?と思うでしょうが、40歳ならどうしよう?50歳なら除外かな?と思うでしょう。皆さんは何歳まで考えますか?
一番良いのは、提出医にSTDのコメントを貰うのが良いのでしょうが。検査室は何でもしてくれているという希望を込めた検体もフォローが必要な場合もあるでしょうね。
でも、このスメアはキレイなので激写しました。患者はちなみにOver50歳です。
白血球も多いのですが、膀胱炎とも違うようです。
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コメント
今のところ、尿のグラム染色でGNDCには行き当たったことがありません。毎回、意識して尿グラム染色はしていますが。いつの日か、行き当たるだろうと思って続けています。
投稿: 三省 | 2008年11月10日 (月) 21時51分
三省さま
淋菌は見たことありませんか?意外にありますが、開業医に行くには少し勇気が要るのでしょうか?尿は少なくとも3000回転で5分以上遠心させないと淋菌は見えません。尿道の分泌物が出ている場合は、拭ってください。想像以上に菌ははっきり見えないので最初は冷や汗ものですよ。
投稿: 師範手前 | 2008年11月12日 (水) 01時11分