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2008年10月 8日 (水)

こんな症例の解説

喘息症状があり、気管支鏡で潰瘍・・・・気管支結核を疑いますかね。気管支結核は、肺のレントゲン所見で写らないことが知られ、喉頭結核などとともに、院内感染対策には非常に厄介ものです。

チールネルゼン染色をすれば良く分かりますが、グラム染色でも十分に疑う所見は撮れます。

グラム陽性ですが、脂質が多いため陽性に染まりにくく、顆粒状に染まったりやガラスの短冊状に見えます。絞りを上下に合わせるとこのように、陽性に見えたり、ガラスに見えたりします。面白い画像なので掲載します。芸術的ですね。ご堪能あれ。

また、結核に特有の組織球が沢山見える所見もありますので、こういった場合は結核も疑うのが良いかもしれません。

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グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

>気管支潰瘍があり、また組織球の浸潤が多いので細菌感染でも細胞性免疫が働くような感染を疑います

もしかしてとは思っていたのですが、想像があさっての方向でした。
つい先日、同じことを経験したばかりです。
患者さん痰が少し増え気になり来院された方で、発熱なし、呼吸音も清、胸写の必要性も考えられず、痰の検体がきました。

いつものように、時間があれば急検でなくてもグラム染色鏡検をします。師範さま言われるように上下のコントラストによりガラス状に見えたり、グラム陽性桿菌(まっすぐではない)様に見えたりと抗酸菌を疑いチールネルゼン実施、結果抗酸菌陽性(PCRではアビュウム)でした。

やはり、グラム染色からでも慎重に観察して行けば結構見つけられるものですよね。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年10月 8日 (水) 17時19分

 うーん、残念です。なんか、写真の掲載方法が最近変ってから、小さな画像しかみえず、拡大すると画像の画素が落ちてぼやけて見えにくいです。結核菌は標本が加熱されて熱いうちにササッと染色して作成したら染まりやすいのですよね。実際それで見つけたことはないですが。

投稿: 三省 | 2008年10月11日 (土) 10時47分

三省さま
そうなんです。最近、このココログのコンテンツが変わったようで、写真が見難くなりました。画素数を上げて対応したいとも思いますが、少しブログ管理先に聞いてみます。ご迷惑おかけしています。加熱して…と言うのはチールネルゼン染色の事ですか?あれは加熱と言うより冷やす事がポイントになります。肺結核の場合で空洞化あっても感度は50%くらいです

投稿: 師範手前 | 2008年10月11日 (土) 12時12分

三省さま

>結核菌は標本が加熱されて熱いうちにササッと染色して作成したら染まりやすいのですよね・・・
三省さまが言われているのは、グラム染色前の火炎固定のことなんでしょうか?
少し強めの火炎固定直後にグラム染色法で抗酸菌がグラム陽性に染まりやすい事を言われているのでしょうか?
火炎固定後の標本をしっかり冷やすと、抗酸菌グラム染色はほとんど染まらず、ガラスの傷のように見えます。
抗酸菌は喀痰に限らず、様々な検体から見つかる可能性があり、グラム染色から推定できればいいですね。
しかし、その時見つけられる抗酸菌数はやはり相当多くいる時は気がつき安いけど、少数の場合やマクロフャージなど貪食状態では気がつきにくいかもしれませんね。
ちなみに先日のガフキー数は8でした。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年10月12日 (日) 10時29分

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