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2008年10月14日 (火)

これは、ほんまもんのブドウ球菌です

先日のは、アーチファクトをどう見るかで、ブドウ球菌と紛らわしいものをお見せしました。(写真が小さくなり、見難いと思いますが)

今回は、ブドウ球菌です。

腹壁に出来たMRSA膿瘍に対してVCMによる治療を開始しています。腹壁は、腹腔内との交通を持ち、腹水も貯留しています。LZDも考えたいところですが、除水も必要で、なかなか600mgのキットは使いにくいということで、VCMを投与しています。投与後7日目の腹水を採取して来ました。写真に掲載します。

膿瘍形成がありますので、親水性の抗菌薬であるVCMは限界があると思い、2日目からはICTと協議してRFPの追加をしました。RFPは感受性でした。

写真見れば判りますが、菌はやや小型から中型のものがあり、初めて見ると違う菌のように感じますが、VCMの作用で細胞壁が薄くなっているものが多数を占めます。

=(イコール) 培養陰性の可能性が高い

と判断出来ます。でも、菌が多数見えている状況より、

①菌の分裂が少ないが菌は生きている(培養では発育しないことも考えられる)。

②バイオフィルムなど形成して、今は活動期ではない状況を示唆している

以上のことより、細胞分裂が活発な時期に作用するような、細胞壁合成阻害剤はどこまで有効なのか?と思われます。こういった場合は、蛋白合成阻害などの別の抗菌薬のコンビネーションも必要になってくるのでしょう。もともと内科的な処置では限界があるのも、こういった現象から確認出来ますよね。

追伸:最近の写真が小さいのは、vista用にしているのではないでしょうか?vistaなら右下のサイズ変更で、少しは改善しますが・・・。まだ返信待ちです。

Capdvcm6002 ×1000

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