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コメント
グラム陰性のやや大型の桿菌、K.Pneumoniaeだと思います。しかし、上部尿路か、下部尿路か、どうやったらわかるのか・・・×1000の写真の中央やや右よりにある、やや大きめの丸い核で細胞質の細長い細胞が、どこかの脱落上皮なのですか?移行上皮?ご教示いただければ幸いです。
投稿: 三省 | 2008年9月11日 (木) 20時53分
菌は肺炎桿菌にしては少し大き過ぎています。簡単に考えて下さい。大腸菌でしょう。講演でもたまに言いますが、同定しなくても陰性桿菌が尿から見えて大腸菌と言えば9割程度正解します。大腸菌と違うような所見を確認出来る場合に違う所見を考える発想が大切だと思っています。(上から目線ですいません)
スメアですが、全て白血球になります。顕微鏡学的に膿尿という判断になりますが、肝心なのは貪食です。通常、膀胱内ではよっぽどの侵襲性がない限り貪食は見られません。尿の浸透圧の関係だそうです。なので、貪食があればまず、上行尿路の感染を疑っても良いと思います。三省先生は、臨床で患者さんを診ているので、こういったスメアを見た場合は通常発熱しているはずです。無熱の場合はスメアしようかな?モチベーションも下がると思います。
ただし、一つ頭の片隅に入れて欲しいことがあります。大腸菌の中には侵入因子を持っているのがあり、その場合は膀胱炎でも貪食したりします。でも、白血球の集塊もそうですが、移行上皮が見れるはずです。
投稿: 師範手前 | 2008年9月11日 (木) 22時19分
ありゃりゃ、僕は、大腸菌のほうが肺炎桿菌より小型だと思っていました。うっすら莢膜も見えるようなので、肺炎桿菌でビンゴ!と思っていました。お恥ずかしい限りです。でも、こうしてトライ&エラーで勉強になっていくのですね。
ほんとの今日の午前中に、膀胱炎症状で来院、熱は37.2度、尿グラム染色でGNR-やや大型⇒肺炎桿菌と判断して、どの道、セフェム系と思ってCFDNを処方しました。×1000で一視野に20個とは言わない沢山の菌体、貪食いっぱい。背部叩打痛はなし、本人も元気。「元気だし、腎盂炎ではないだろうな。」と思いながら、採血もせずに、水が薬と一緒くらいに大事だからいっぱい飲んでね、お薬は昼を飛ばすと効き目が半減するから、必ず1日3回飲んでよ、と話して処方しました。
ちょうど、昨夜この写真を診ていたので、「肺炎桿菌だろうな、確認してみよう。」と思って、培養に提出したことでした。
熱がなくても尿のグラム染色はしています。今まで3回、尿からGPC-chainに出会ってから、尿路感染でもグラム染色は必須と思って続けています。それと若い女性の尿のGNDCも意識して。もう、1年以上GPC-chainには出会っていません。GNDCは一度も出会っていませんが。これが泌尿器科で、膀胱炎ばっかり診るときには、そこまでようしないかもしれません。僕は町医者の一般内科医で、膀胱炎症状の人は時々ですので。
投稿: 三省 | 2008年9月12日 (金) 17時54分
三省さま 引き続きコメントありがとうございます。セフェムをファーストチョイスにする場合は腸球菌が気になるところですね。キノロン耐性の腸内細菌が多い中、キノロンをファーストチョイスで使うのは少し躊躇しますよね。私は検査室中心で仕事してますので症状をあまり知らないまま仕事していく事が多くなります。一患者毎に複数検体処理しますので、プロスペクティブに結果を解釈しないといけない事が良くあります。なので具体的なコメントを表示する事で検査を進める情報としたり、臨床へ役立つ情報を提供したりしてます。
臨床の症状が手に取るように解りグラム染色を直ぐに出来る先生は羨ましい限りです
投稿: 師範手前 | 2008年9月12日 (金) 19時20分