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2008年9月26日 (金)

これは保菌と判定しました

抗菌薬の適正使用をする場合は、グラム染色はかなりのポテンシャルを占めていますよね。

先日、こんなケースがありました。

脳外科の手術後に痰が気になったので採取して出したそうです。(後で聞きましたが)

喀痰のスメアの結果に、ブドウ球菌のコメントがありABKを投与したが、投与量が合っているのかどうかの確認をICTでして欲しいとのことです。TDMのお話をしながら、患者の状態を確認しようと、カルテ診ながら質問しました。

肺炎の症状は無く、レントゲン所見もキレイ。発熱もなく、ただ、痰の増量が気になり出したようです。横に居た看護師さんにも、痰の増量について聞きましたが、どうやら入院時から多かったようです。嚥下障害もあるため、誤嚥性肺炎の疑いの方が強いですね?コメントし、前日まで投与していた、CEZで良かったんじゃないか?と進めていきました。

結局、ABKをどうするのか主治医とディスカッションになり、グラム染色では菌は見えてますが、貪食などもなく、上皮に付着しているものも多く見え、保菌と判断出来ます。と。コメントを追加して、ABKは中止してもらいました。CEZを再開してもらい、O2の状態が悪くなればABKを投与しましょうと最終的に決めました。ただ、絶食で少し様子を見てくださいね。と付記しました。

次の日も結局、何の変化もなく適正に使用出来たケースであったと思われます。

ポイントは

①グラム染色の結果を深く読めたこと

②主治医の情報に合わせて、看護師さんの情報が役に立ったこと

③嚥下障害に対しては絶食で様子を見たこと

などです。アルブミンのチェックもなく、翌日ラウンド予定のNSTへと情報を引き継ぎ介入を開始して貰いました。ICT⇔NSTのネゴシエーションは大切ですね。

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グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

 ×1000倍のグラム染色で、細胞質に取り込まれているようなGPCが見えるので、僕は、貪食と判断してしまいそうです。これを見たら、「ええっ、起炎菌?!」とドキッとしそうです。でも、これが貪食ではない、と判断できるのは、ピントが白血球とGPCとで少しずれているときは、上に載っただけの細菌と判断できる、と以前おっしゃっていた事で判断できるのですか?或いは、GPCがグラム陽性にきれいに濃染しているから、とか。
 ICTでこのように明確なアドアイスがいただけるところは、幸せですね。個々の医師が「ICT任せ」になってしまうと困るでしょうが、ディスカッションで色々と教えていただけるのは、本当に助かることと思います。

投稿: 三省 | 2008年9月27日 (土) 13時24分

保菌と判定したのはMRSAのことで、誤嚥はあった訳で。
1000倍で中央下と左上に見える大きめの陽性球菌はMRSAと判定可能ですが、貪食があるやや小さめの球菌は唾液中の常在菌と考えられます。小さく、連鎖に見えるためそう判断出来ます。

>>ピントが白血球とGPCとで少しずれているときは、上に載っただけの細菌と判断できる、と以前おっしゃっていた事で判断できるのですか?
⇒そうですね。上手に使い分けが必要です。

こういったコメントは信じる方は多いですが、中には信じない人も居ると思います。ICT任せにはなっていないと思います。一症例に関してじっくり話合いますからね。電話で対応しても、後で出向き状況を確認することは忘れません。
明確なコメントを臨床も求めていると思いますので、カルテ等に書くときもあります。私は次世代型のグラム染色と言っています。電子カルテの場合は付箋で書くことも可能ですよね。

投稿: 師範手前 | 2008年9月28日 (日) 12時23分

抗菌薬投与後のグラム染色鏡検は、とても解釈を困難なものにし、
その為、菌交代現象を観ていることも多くなり、患者情報は大変重要になってくると思います。

下気道感染症におけるこういったピットフォールに嵌らない為には、患者側のパラメーター情報として、グラム染色、ガス分析、呼吸苦、呼吸数などが重要で、感染症以外でも異常を示す、白血球数、CRP、体温などのパラメーターには十分注意する必要があると思います。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年10月 1日 (水) 14時52分

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