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2008年9月29日 (月)

夜中の呼び出し

最近、ココログブログの編集があったんでしょうか?画像が少し小さくなってしまいました。少し大きく見たい方は、写真を一度ダウンロードして、パワーポイントやエクセルなどに貼り付けて拡大して見て下さい。少し見やすくなります。

先日、夜中に呼び出しされました。

2歳の男児です。発熱、嘔吐があり、一応・・・と髄液を採取したら白濁しているくらいです。当直者より『一応染色して見ます』という報告を貰いましたが、『直ぐ出向くので、そのままにして下さい。主治医には少し時間下さい』と言いました。15分で到着し、グラム染色をしましたが、このような像です。主治医には菌名を言い、抗菌薬の選択をして貰いました。

最も大切なことは、抗菌薬投与前に髄液を採取することです。ちなみに、抗菌薬投与後のグラム染色の感度は20%未満です。

あとで、細菌室以外の方にこのスメアを持ってアンケートしましたが、はっきりと菌名まで言える方が居なく、また染色像もまともに言えない状況でした。やはり、本当に緊急の場合は、慣れている人の力が必要なのだと考えさせられた日でした。

どうみます?グラム陽性?陰性? 球菌?桿菌?

Hib600 ×1000

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グラム陰性菌」カテゴリの記事

コメント

市中髄膜炎、髄液の外観で白濁したものは細菌の検出率が高い。

生後~1ヶ月は、B群レンサ球菌、大腸菌、リステリアとか。
1ヶ月~3ヶ月まで、上記にインフルエンザ桿菌、肺炎球菌それから原因菌としては少ない髄膜炎菌などが起炎菌になるのでしょう。

2歳という年齢からインフルエンザ桿菌(グラム陰性多性球桿菌)でしょうね。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年9月30日 (火) 17時37分

 僕も、グラム陰性短桿菌→インフルエンザ桿菌を疑いました。画像が残念ながら小さくて、200%に拡大したら少し画質が落ちてしまいますので、解りませんが、このようなときにもし莢膜があったら、Hibを考えなければならないところでしょうか。
 僕が外来で髄液穿刺をする事はないですが、ドキッとする症例ですね。それにしても、夜中に出向かれるとは、素晴らしいですね。「この症例は一応報告しておいたほうがいいだろうな」と現場で思えるようになっているのですね。うらやましい環境です。それには、師範手前様の並々ならぬ努力と苦労があって、ここまで来られているのでしょうね。臨床研修医の研修病院にうってつけの病院のようです。

投稿: 三省 | 2008年9月30日 (火) 18時52分

コメントありがとうございます。

グラム染色を見慣れている他に患者背景から起炎菌を推測出来る場合は勿論、菌の同定も楽ではないかと思います。
髄膜炎の起炎菌は殆ど限られているので。かえって市中の髄膜炎でぶどう球菌が見える方が何で?って感じですよね。

>臨床研修医の研修病院にうってつけの病院のようです。
でも、中々当院の研修医はグラム染色をしてくれません。私がちゃんとするからでしょうか?と返って他力本願になってしまっているのでは?と思ってしまいます。
グラム染色が凄くしたいと研修に来る方っているかな?とマニアックにも思いますが。

オンコールは昔からです。いつもは遅くまで居るのですが流石に夜中は不在です。年に数回呼ばれますが、臨床医の桁ではないと思います。

投稿: 師範手前 | 2008年9月30日 (火) 21時14分

三省さま師範手前さま

当院でも髄液など案外夕方外来終了後とか、夜中とか細菌担当者の不在時出てくることがあり、明日ドキッとさせられます。
できるのであれば検査当直者に頼みたいのですがやはり無理です。
急性細菌性髄膜炎などで直ぐにでも抗菌薬必要な場合、諸検査待ってられませんよね。
何とか検査当直者にグラム染色でグラム陰性菌か陽性菌かすみずみまで観てもらって判断できればいいかなあと思っていますが、とてもシリヤスな問題なので腰が引けてしまいます。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年10月 1日 (水) 07時48分

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