抗菌薬の適正使用をする場合は、グラム染色はかなりのポテンシャルを占めていますよね。
先日、こんなケースがありました。
脳外科の手術後に痰が気になったので採取して出したそうです。(後で聞きましたが)
喀痰のスメアの結果に、ブドウ球菌のコメントがありABKを投与したが、投与量が合っているのかどうかの確認をICTでして欲しいとのことです。TDMのお話をしながら、患者の状態を確認しようと、カルテ診ながら質問しました。
肺炎の症状は無く、レントゲン所見もキレイ。発熱もなく、ただ、痰の増量が気になり出したようです。横に居た看護師さんにも、痰の増量について聞きましたが、どうやら入院時から多かったようです。嚥下障害もあるため、誤嚥性肺炎の疑いの方が強いですね?コメントし、前日まで投与していた、CEZで良かったんじゃないか?と進めていきました。
結局、ABKをどうするのか主治医とディスカッションになり、グラム染色では菌は見えてますが、貪食などもなく、上皮に付着しているものも多く見え、保菌と判断出来ます。と。コメントを追加して、ABKは中止してもらいました。CEZを再開してもらい、O2の状態が悪くなればABKを投与しましょうと最終的に決めました。ただ、絶食で少し様子を見てくださいね。と付記しました。
次の日も結局、何の変化もなく適正に使用出来たケースであったと思われます。
ポイントは
①グラム染色の結果を深く読めたこと
②主治医の情報に合わせて、看護師さんの情報が役に立ったこと
③嚥下障害に対しては絶食で様子を見たこと
などです。アルブミンのチェックもなく、翌日ラウンド予定のNSTへと情報を引き継ぎ介入を開始して貰いました。ICT⇔NSTのネゴシエーションは大切ですね。
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