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2008年8月22日 (金)

抗菌薬と投与したあとに見た胸水

肺炎を見た場合、レントゲンを撮影し、血液検査をし、喀痰検査や血液培養は出して抗菌薬を投与する手順になるのでしょうか?多くの場合はそうなると思います。

翌日、血液培養は陰性、喀痰培養は起炎菌不明。スメアのコメントは期待出来ない状況になるとします。夕刻で緊急で撮影出来なかったCTを撮影し、胸膜炎と推測していた所見と合致。胸水を抜いて検査に出します。

結果は見えていますよね。よっぽど酷い化膿性病変以外は菌が見えるわけないでしょう。

でも諦めてはいけません。スメアは抗菌薬を投与してからも痕跡を残しているものを見つけることが出来ます。

これは、そのようなスメアに出くわした時に見えたものです。

菌は居ないが、好中球(しかも核が鮮明)が多く見えます。化膿性病変を疑う訳で、やはり患者の背景とも合致します。

低アルブミンの栄養不良で、市中肺炎を合併。そんな胸水に対しても怖いものはありません。細胞診はしっかり判読出来ますが、1日以上かかります。グラム染色はそんな疑問にも迅速に答えることが可能な場合も多いです。しっかり見ましょう。

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コメント

このスメアから、タンパク質を豊富に含む滲出液か、ただの漏出液かの特定に、グラム染色で十分有効だと思わさせられます。

膿胸など、肺炎や肺膿瘍が胸膜腔内に広がった場合はまず、胸写により胸膜腔内への液体の貯留を確認することが第1段階で、次にCT検査により、肺や液体がより鮮明に示されるので、肺炎、肺膿瘍、腫瘍など鑑別が可能かと思われます。
超音波検査は、液体が少量なとき、その位置を確認するのには有効でしょう。

確かに抗菌薬投与後では細菌見つからないのは当たり前で、グラム染色により炎症反応の強い、タンパク質を多く含んだ滲出液による化膿性とを区別できることは意義が高いと思います。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年8月22日 (金) 15時24分

倉敷太郎さま

私の意見は少し違いますが、好中球優位な胸水所見になりますので、細菌感染が強く疑われると感じます。たまに悪性も判断出来ますし、老人で漏出性かどうか見るときも使います。細胞診でも構いません。ただ、細菌検査としての方向性も考慮できるので、グラム染色でも使っています。
http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_4fa1.html

投稿: 管理人 | 2008年8月25日 (月) 19時30分

先ほどのブログネーム間違えです。すいません。私です。

投稿: 師範手前 | 2008年8月25日 (月) 20時44分

師範手前さま

おはようございます。
なるほど、言われる通りです。
胸水認められれば胸水を抜いて検査になりますが、簡単・迅速に塗抹鏡検から菌は認められないが感染疑いか、異型細胞を認め悪性を疑う所見なのか、マクロフャージが多数認められる場合など、胸水中に認められる細胞の種類から有力な情報も分かりますね。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年8月26日 (火) 09時12分

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