細菌性腸炎の起炎菌
細菌性腸炎の場合、グラム染色をするかしないか、まずそこが分かれ道だと思います。
どうして?
スメアしても起炎菌が分からない。分かったとしてもキャンピロバクターくらい。キャンピロバクターの場合は、自然軽快する場合もある。重症化しない。 などでしょう。
私は、必要ないかな?とも思いますが、背景の観察が有用だと思っているので、見るようにしています。でも、キャンピロバクターは探しますが・・・。
先日、小児の患者で生肉を喫食したという方が来ました。この時期に・・・と思いながら、スメアを見ました。小さい桿菌と鮮明な好中球が見え、一応コメントをしました。次の日、血液培養も陽性になりました。
そうです。この菌です。よく見れば一緒ですが、糞便からこの菌と言えるのはかなりの熟練が必要でしょうね。
さあ、トライしてみましょう。
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コメント
糞便中のこの視野だけでは、特定形体の菌のみ認められます。
腸内細菌のバランスが非常に乱れていそうです。
血培陽性スメアにも同じような形体の菌のようです。
Salmonell sp.による食中毒と、腸管膜リンパ節や血流からの、非チフス性菌血症を疑います。
追:昨日コメントしましたが、大量調理施設衛生管理マニュアル
の調理従事者等において、腸管出血性大腸菌0-157以外の腸管出血性大腸菌群も含めることとなっています。
あまりにも逆時代的に思えて仕方ないのですが・・・
検査方法を工夫しなければコストばっかりかかりそうです。
例えばエンテロヘモリジン血液寒天培地でのスクリーニングなど
投稿: 倉敷太郎 | 2008年8月20日 (水) 16時54分
サルモネラ菌は大腸菌と比べ小さいのが特徴です。便を観るときは白血球の様子、数などを見て、炎症性が強い像で、小さいグラム陰性桿菌を沢山見つけた場合はサルモネラ菌も少し頭に入れた方が良いでしょう。順番から言えば、キャンピロ→白血球→サルモネラの順番なのかな?
皆さんはどうですか?
投稿: 師範手前 | 2008年8月30日 (土) 16時42分