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2008年8月25日 (月)

おかしいと思う、動機付け

グラム染色を見るときは、臓器別に推定起炎菌を想定してみる癖は付けておくべきです。じゃないと、対象が多すぎるからです。感染症の診療をする時は、きっとそうしているハズなので、検査もそうした方が効率的です。

でも、たまに『!!?なんだろ』と思うことは無いでしょうか?そういった動機付けが必要ですよね。

下記のスメアはどう思いますか?腹腔内容物です。

患者は、膵臓の手術後6日目feverとabdorminal tendernessありました。血液培養も実施しています。縫合部のドレーンからは膿性の浸出液が出ていて、ドレーン挿入部の周囲はやや発赤です。スメア見ると、こんな感じです。少し違うと感じた方は優秀です。次の日の培養結果が楽しみです。

案の定、血液寒天とマッコンキー寒天の培養成績は陰性です。え!?と思うか、やっぱり!と思うか、少し実力の差が見える瞬間です。

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コメント

師範手前さま

嫌気性グラム陰性桿菌であるBacteroides sp、Prevotella sp、Fusobacterium sp やグラム陽性有芽胞桿菌のClostridium spなど、患者自身の口腔内・腸内(圧倒的多数の嫌気性菌数)の嫌気性菌によるbacterial translocationを疑います。

また、このスメアでは長短2種類(染色性にあまり違いを感じないので多形性かも)のグラム陰性桿菌が認められ、Bacteroides sp、Prevotella spの感染を疑います。

ドレーンの留置には予防的、情報的、治療的な目的で重要で、ドレーン排液からの培養成績は感染源、起因菌の特定が可能になり、排液の性状である混濁・化膿性や腐敗臭や酸性臭などの有無も重要となってきますね。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年8月26日 (火) 18時43分

倉敷太郎さん
まさに、その通りです。多形成のグラム陰性桿菌が腹腔から出てきた場合はバクテロイデスやプレボテラを予想します。2つともβラクタマーゼ産生菌としてよく知られていますが、プレボテラは意外にマイナーな菌なんで知らない臨床医は多いでしょう。また『嫌気性菌なん?』となることも多いので、報告書で返せないプチ情報は食堂や廊下で会った時に何気に渡してあげましょう。バクテロイデスは嫌気性菌の王道です。CMZやCLDMの耐性化が問題です。CMZは特にキードラッグなんで、スメアの威力が少しだけ発揮出来る場では無いでしょうか?

投稿: 師範手前 | 2008年8月30日 (土) 16時37分

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