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2008年8月29日 (金)

腸球菌を疑いますか?

50歳台の女性です。バルンの装着もなく、単なる市中の尿路感染です。基礎疾患は特にありません。

CVA tendernessは明らかに所見として得られ、発熱もあります。尿検査などを経て、腎盂腎炎と診断。

見えた菌はこれです。腸球菌と直球勝負する前に、ご一考を。

なんと、Group B Streptococcusでした。よく見れば違うのかな?よく間違える菌です。抗菌薬は同じなので、結果オーライ?ですが。

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2008年8月28日 (木)

少しステージが進んだ肺炎

先週、解説付きで記載しました肺炎の話ですが、最近このようなスメアを見つけました。

起炎菌と肺炎のステージが合致しません。どう考えるか?(まだ、エビデンスは確立させてませんが)

気管支肺炎から状態が悪化して、小葉単位の肺炎からさらに進んだ肺炎ではないかと思う症例です。

通常、気管支肺炎のタイプなのに、フィブリンの塊が集積しているのが理由です。

菌は分かりますよね?イメージして下さい。

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2008年8月26日 (火)

カンジダ!?いや・・・

先日こんなスメア見ました。ターミナルの患者ですが、尿バルンは挿入中。尿の混濁、発熱があり、こんなスメアを見ました。

カンジダ? いやいや、少し違いますよね。

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2008年8月25日 (月)

おかしいと思う、動機付け

グラム染色を見るときは、臓器別に推定起炎菌を想定してみる癖は付けておくべきです。じゃないと、対象が多すぎるからです。感染症の診療をする時は、きっとそうしているハズなので、検査もそうした方が効率的です。

でも、たまに『!!?なんだろ』と思うことは無いでしょうか?そういった動機付けが必要ですよね。

下記のスメアはどう思いますか?腹腔内容物です。

患者は、膵臓の手術後6日目feverとabdorminal tendernessありました。血液培養も実施しています。縫合部のドレーンからは膿性の浸出液が出ていて、ドレーン挿入部の周囲はやや発赤です。スメア見ると、こんな感じです。少し違うと感じた方は優秀です。次の日の培養結果が楽しみです。

案の定、血液寒天とマッコンキー寒天の培養成績は陰性です。え!?と思うか、やっぱり!と思うか、少し実力の差が見える瞬間です。

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2008年8月22日 (金)

抗菌薬と投与したあとに見た胸水

肺炎を見た場合、レントゲンを撮影し、血液検査をし、喀痰検査や血液培養は出して抗菌薬を投与する手順になるのでしょうか?多くの場合はそうなると思います。

翌日、血液培養は陰性、喀痰培養は起炎菌不明。スメアのコメントは期待出来ない状況になるとします。夕刻で緊急で撮影出来なかったCTを撮影し、胸膜炎と推測していた所見と合致。胸水を抜いて検査に出します。

結果は見えていますよね。よっぽど酷い化膿性病変以外は菌が見えるわけないでしょう。

でも諦めてはいけません。スメアは抗菌薬を投与してからも痕跡を残しているものを見つけることが出来ます。

これは、そのようなスメアに出くわした時に見えたものです。

菌は居ないが、好中球(しかも核が鮮明)が多く見えます。化膿性病変を疑う訳で、やはり患者の背景とも合致します。

低アルブミンの栄養不良で、市中肺炎を合併。そんな胸水に対しても怖いものはありません。細胞診はしっかり判読出来ますが、1日以上かかります。グラム染色はそんな疑問にも迅速に答えることが可能な場合も多いです。しっかり見ましょう。

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2008年8月21日 (木)

誤嚥性肺炎 解説つき

先々週に、誤嚥性肺炎について色々記載したと思います。

難しすぎて分からない方向けに、解説付きを掲載します。

膿性の非常に強い吸引痰なのに、扁平上皮がたくさん見える。つまり、唾液誤嚥を疑う症例に出くわします。『誤嚥性肺炎?』とコメント出来れば問題ありませんが、分からない方は徐々に理解して下さい。

検査室から誤嚥性肺炎?と返した場合に生じるアウトカムは臨床で、誤嚥もあるしな~と思いながら診療をしている、検査医の手助けになること間違いなしです。

下記は唾液誤嚥のケースです。少々汚いですが、解説しました。

分からないことがあれば、またコメント下さい。役立ちそうでしょうかね?

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2008年8月20日 (水)

細菌性腸炎の起炎菌

細菌性腸炎の場合、グラム染色をするかしないか、まずそこが分かれ道だと思います。

どうして?

スメアしても起炎菌が分からない。分かったとしてもキャンピロバクターくらい。キャンピロバクターの場合は、自然軽快する場合もある。重症化しない。 などでしょう。

私は、必要ないかな?とも思いますが、背景の観察が有用だと思っているので、見るようにしています。でも、キャンピロバクターは探しますが・・・。

先日、小児の患者で生肉を喫食したという方が来ました。この時期に・・・と思いながら、スメアを見ました。小さい桿菌と鮮明な好中球が見え、一応コメントをしました。次の日、血液培養も陽性になりました。

そうです。この菌です。よく見れば一緒ですが、糞便からこの菌と言えるのはかなりの熟練が必要でしょうね。

さあ、トライしてみましょう。

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600_3 ×1000血液培養液

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2008年8月18日 (月)

では、これはどうでしょうか?

今ウイルス性の上気道炎が流行っていますか?クーラーの影響でしょうか?濃厚な喀痰が良く見られます。

ところで、先日の解析のあとでは何ですが、このスメアではどう解釈しましょうか?

応用編です。

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2008年8月16日 (土)

インフルエンザ菌の肺炎 解説付き

先日のコメントで、細菌性肺炎でもスメアで種類が推測出来るんじゃないの?と書きました。http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_aa20.html

確かに、胸部レントゲン写真で分類可能なので、グラム染色でも可能ではないでしょうか?

今回は解説付きで、先日見たインフルエンザ桿菌による肺炎を掲載します。肺のレントゲン所見では、気管支の走行に沿って見える肺炎になります。炎症の反応としては、気管支上皮の脱落と、線状で粘液っぽいフィブリンの走行が見られます。大葉性肺炎のような、フィブリン塊はあまり見られません。見られた場合は、さらに抹消の臓器にも炎症が進んだ状態を示していると推測されると思います。

どう使うか?

抗菌薬が投与されてからの喀痰を見ないといけないケースがあろうかと思います。そういいった時に、コメントを付加すると役に立ちます。どうでしょうか?

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2008年8月14日 (木)

喀痰で見えた時のコメント

グラム染色で見えるものは多いと思います。ちゃんとした材料が採取されれば、その信憑性が高いものです。

先日、外来からこんな喀痰スメアが見えました。コメントに『放線菌症を疑う?』と、記載しましたが、ばっちり合いました。主治医もなんとなく疑っていたようですが、確信がもてないままだったようです。

ただし、放線菌症をスメアのみで疑う場合は、歯科衛生が悪いがどうかの確認も必要かと思います。虫歯が多い?入れ歯の手入れが行き届いていない?など、喀痰の通り道の菌を引っかけているかどうかのことも確認が必要です。

ただし、その場合は、菌塊(Druse)はあまり見えないので、見えれば、放線菌症を疑っても良いと思います。肺ノカルジアとの鑑別もして下さいね。http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_362f.html

ノカルジアは堅いイメージです。

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2008年8月11日 (月)

猫に噛まれた場合

先日、動物の咬傷のことを掲載しましたが、猫に噛まれたという主訴の患者は以外に多いです。

これは、先日、整形外科から出てきた膿汁です。コメントに『猫の噛み傷』と記載がありました。出てくる菌は前に掲載したように大体予想されています。合せるように細菌検査も培養⇒同定を進めたいです。http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2008/08/post_da24.html

その膿汁のスメアを掲載します。これは何菌を予測しますか?

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2008年8月 9日 (土)

肺炎の種類

肺炎球菌性肺炎とインフルエンザ菌の肺炎では、肺炎の起こり方が違います。きっと、臨床医は医学生の時に習得する内容ですが、検査技師は同じじゃないの?と思っている人が殆どでしょう。

肺炎球菌の場合は、肺胞性の肺炎が殆どで、滲出液が多く観察される(肺炎桿菌も同じ)。

インフルエンザ菌の肺炎の場合は、細気管支型の肺炎で、滲出液は肺炎球菌より少ない(これはブドウ球菌の肺炎も同じ)。

なので、背景を見てその肺炎の起炎菌を推測してから、菌を観察することも出来ます。

肺炎の機序、一度勉強する価値ありです。

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×400(インフルエンザ菌)

400_2 ×400(肺炎球菌)

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2008年8月 8日 (金)

さらに続き

画像上はっきりしない肺炎でも、スメアを見れば経過が分かると言いました。

治療も奏功していると判断して、そのまま経過を見ていると、いよいよ炎症反応が治まってくるのが分かります。継続して菌検査を出してもらう必要ありますが、培養検査よりも有用であろうと思います。

何故なら、培養検査は依然として、陰性の結果のみになるからです。

終焉になってくると、滲出液の量が減り、白血球は核が不明瞭になり、炎症が治まってきているのが分かります。

下記は、先日の胃液誤嚥の10日後になります。非常に付加価値の高い結果報告として、喜ばれています。

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2008年8月 7日 (木)

先日の胃液誤嚥の続き

逆流性(胃液)の誤嚥肺炎を診断すると、あとは予後の判断をどうするか?です。非常に化学的な侵襲性が強く、中々即効性ではなく、治療の方針が良いのか悪いのか?抗菌薬はどうなの?と細菌学的に証明は難しいです。

何故なら、抗菌薬が持続的に投与されていて、培養検査は陰性ばかり・・・。でも、そういった判断に使えるのが、スメアです。スメアは嘘をつきません。

下記のスメアですが、(胃液誤嚥から4日後)

①菌はいませんが、滲出液と白血球が見えている。

②白血球は核が明瞭なものが多い。

なお、炎症性が強く残り、菌は消滅しているため妥当とですが、肺炎の治療は尚も続ける必要があるのではないでしょうか?

こういう場合は、画像所見では評価し難いことが多く、スメアの威力発揮大になります。

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2008年8月 5日 (火)

誤嚥の違いが分かるようになりましょう

先日参加した研修会で、次週の予告を少ししました。

唾液誤嚥と逆流性誤嚥の違いです。え!?違いが分かるの?と思われるでしょうが、ちゃんと見れば分かります。

これは先日見つけて報告出来た”逆流性誤嚥”のスメアです。

①扁平上皮は見えますが、唾液で見えるような明確なものはない

②上皮に胆汁酸?の付着がある。

③口腔内というより、polymicrobial patternは見られず、グラム陰性菌が多く見える。

唾液誤嚥と見比べて下さい。違いが分かりますかね?

http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_e667.html

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2008年8月 4日 (月)

稀な感染症

先日、こんな症例の相談頂きました。

2日前に野良猫に噛まれた患者がショック状態に。

相談を受け、患者の状態を聞き、血液培養を実施したら、この菌が出ました。培養しても発育が非常に悪く・・・。

ふと、思ったのがそうです。Capnocytophaga canimorsus。

同定しらた、まさにそうでした。

猫に噛まれた場合は、80%は自然軽快しますが、約20%ほどは抗菌薬の内科的な投与が必要になるそうです。

また、1%程度で非常に重篤な感染症が起きるようで、中には死亡例もあるとIDSAのsoft-tissue,skin感染症のガイドラインに記載されていました。

その1%の中にC. canimorsusが多いと書かれています。狂犬病などとは違い、発症に少し時間がかかります。猫に関する疾患なので、猫ひっかき病もありますが、2週間くらいしてから微熱が起こってくるようですので、鑑別は容易ですよね。Bartonella hensellaは培養に1か月くらいかかります。通常の血液培養でも検出可能ですが、Bartonellaを疑う場合は検査室に、そう言ってください。通常の細菌を対象にしますので、5-7日で培養が終了します。

忘れていました。Pasteurella multocidaも多いですが、重症化はあまりありません。

抗菌薬はペニシリナーゼを産生するものが一部あります。マクロライドやCLDM耐性のものがありますので、β-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリンかセフェムになるようです。

どちらにしてもグラム染色で特徴あるので、鑑別は可能でしょう。

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2008年8月 3日 (日)

お疲れ様でした

金曜~日曜まで、日臨技感染制御部門研修会でした。参加させて頂きましたが、外の気温に負けないくらいの熱気でした。

結核は古い病気ですが、鎮圧が難しく、もうかなり昔から問題になっています。

実習では、通常の菌の検査以外にも、QFTやrpoBの検出などしました。単純ですが、非常に社会影響力も高いため、対応には慎重になり兼ねません。制圧には知得で対抗するしかないのでしょうか?

昨日の懇親会もお疲れ様。非常に面白かったです。

写真はQFTの実習風景です。

追伸:このブログ愛読者?の方と少しお話しました。いつもありがとうございます。

”先生が楽しみにしています。””答えが早く知りたい””答えはいつ掲載されるのですか?”

たまに、答えを書くの忘れます。書き込みでせかして下さい。

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