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2008年7月23日 (水)

またまた、カテ感染

カテーテル感染は、先日のブドウ球菌が多いことが知られていますが、忘れてはならないのがカンジダです。

またまた、不明熱の患者です。血液培養は、殆ど積極的に採取してくれるようになってきました。良いことです。

血液培養が陽性になり、見ていると、このような酵母様真菌が見えました。

さて、この瞬間何を考えるかですが、やはり菌種の同定が出来れば良いと思いますよね。直ぐに感受性と結びつくようになることが重要です。アゾール感受性菌かどうかの判定をここで出来るでしょうか?カテ感染ならCandida parapsilosisが多く検出される報告が多いですが(J Antimicrob Chemother. 2004 Feb; 53 (2): 283-)、それとの整合性をグラム染色で出来るでしょうか?

今回は、このスメアで皆さんガチンコ勝負しませんか?集団で相談すると白熱するかも・・・!?

ブドウ球菌とは少し対応が異なる(意外に同じと思っている若い先生は多い・・・)ので、ICTでは、今後の対応、合併症の予測、抗真菌薬の投与方法などについて、主治医にアセスメントする必要もあるでしょうね。

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グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

>アゾール感受性菌かどうかの判定をここで出来るでしょうか?カテ感染ならCandida parapsilosisが多く検出される報告が多いですが、整合性をグラム染色で出来るでしょうか・・・

Candida parapsilosisとよく似た形態のものにCandida glabrataがありますが、このスメアからは少し形が不整に見えます。
やはり、定番のCandida parapsilosisを疑います。

菌推定が可能ならアゾール系抗真菌薬の感受性は、Candida parapsilosisであれば感受性は有効と考えますが、Candida glabrataなら耐性の可能性が高いように思います、高用量のアゾール系抗真菌薬の投与が不可能ならアンホテリシンBになるのでしょう。

Sepsisや好中球減少の見られる臨床状態の悪い患者さんの場合、初期投与からアンホテリシンBでもいいのかなと思います。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年7月24日 (木) 11時26分

Candidaの中で、C.krusei, C.glabrataはアゾール耐性というのは有名な話だと思います。そしてそのグラム染色上での特長はalbicansと違い、Pseudohyphaeを形成しないということです。
形が不整かどうかという点に関しては、すいません、よく知りません。
この時点での対応としては、もちろん臨床的な患者さんの状態にもよると思いますが、真菌のカテ感染で待てない状況であれば最初からアムホテリシンBでもやむをえないかと思います。

合併症に関しては・・・知識不足です。
ちなみに、最近の症例でS.anginosusが膿瘍から検出されてきて、やはり検出菌と臨床的疾患というのは結構相関があって、検出菌の種類によって予想される疾患もおさえなければならないな、と切実に思いました。

投稿: highgear | 2008年7月24日 (木) 22時24分

highgearさま

合併症予測は変わりますよ。なので、菌が見つかってからは抗菌薬の投与日数、追加で行う検査など変わりますよね。
カンジダだったらどうしますか?先日もうちの研修医、専攻医にお話したばかりになります。

投稿: 師範手前 | 2008年7月25日 (金) 21時22分

患者さんが既に広域抗菌薬や複数のカテ使用、又は手術(外科的)、免疫力低下(ステロイド使用)などのリスクから、

C,albicans. C,parapsilosisなどであればアゾール系で、glabrataなら大量投与可能であれば同じくアゾール系か、又はボリコナゾール。
C,kruseiやその他non-albicansなどで、アムホテリシンBリポソーム製剤になるのでしょう。
上記抗真菌薬感受性の違いから、菌種同定はもちろんの事、感受性試験も実施しておきたいです。

投与日数はカテを抜去して2週間は全身投与が必要と思われます。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年7月26日 (土) 10時39分

先日当院で、珍しい酵母様真菌が検出されました。
Candida ciferrii カテから検出、静脈血も陽性になりカテ抜去。

患者さんの基礎疾患は、悪性リンパ腫です。

アゾール系抗真菌薬を使っていてバイタルも安定してきているとか、
投与量200㎎/日、現在感受性試験を行っています。
アゾール系抗真菌薬で、またこの投与量で本当に効いているのか?不安に思っています。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年7月28日 (月) 18時05分

感受性によると思いますが、FLCZのMICが低ければ常用量で可能だと思いますが、Eur J Clin Microbiol Infect Dis. 2004 May; 23 (5): 380-8によると、投与量不足とカテ抜去の有無が大きく1ヶ月生存率に関与しています。通常は200-400mg/日の投与になろうかと思いますが、loadingdoseをきっちり守ること、投与量を間違わないこと、菌種同定がしっかりすること、感受性をしっかりすることを守る必要があります。内因性感染が多く、やはり悪性腫瘍や血液内科などの免疫状態が悪い患者に多いようです。

投稿: 師範手前 | 2008年7月30日 (水) 20時28分

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