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2008年6月23日 (月)

グラム陽性菌でもバルジ?

グラム染色をしていて、抗菌薬の使用後と思われるスメアの特徴に『バルジ化』という現象が見られます。これは、β-ラクタム薬が菌に作用して、菌の一部が膨張したように見える現象です。グラム陰性桿菌に良く見られます。PBPの作用が現象として確認出来ているものでしょう。

『グラム陽性菌でも見れないのか?』なんて思っていましたが、これはその『バルジ化』なのでしょうか?

患者は抗癌化学療法中の好中球減少患者で確認されたものですが、菌が歪な形になっています。菌は何?なんて、もう野暮な事は聞けませんよね。好中球減少時なので、CFPMの投与中でありました。

じゃあ、こんなんが見えたら後はどう考えますか?

  ①抗癌化学療法中で、粘膜障害など考えられる

  ②感染性心内膜炎

  ③虫歯

  ④その他

単に報告(鑑別)するだけでも構いませんが、以後のアクションをどうしようか迅速に考え追加検査を提出を促すこと+薬剤感受性の傾向を報告することが重要でしょう。

CFPM単独で良いでしょうか?この場合は感受性検査結果が出るまでGMが妥当でしょうかね・・・。

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グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

 最近、コメントを書く勇気が出てきています。グラム染色アトラスで確認しながら。連鎖が非常に長いグラム陽性球菌、化学療法中の発熱性好中球減少から S.viridans でしょうか。口内炎などの口腔内の粘膜障害が疑われます。この場合のS.viridansは抗菌薬投与歴があれば、耐性度が高いと記憶していましたが、GMで大丈夫でしたでしょうか?教えてください。

投稿: Kenken | 2008年6月29日 (日) 21時49分

KenKenさま
そうですね、長いのでビリダンスを疑わなければいけない症例です。やはり、論点は口腔内の菌にあたるのでしょうか?ビリダンスで問題になるのはペニシリン耐性です。PBPの変異に関しては肺炎球菌と同じと考えれますので、GMを足すか足さないかになります。GMの感受性は本来関係ないのですが、併用効果狙いであげますので。(少し解説しましたが、これで良いでしょうか?)

IDSAのFNのガイドラインではCFPM±アミノグリコと記載あります。必ずしも+ではないようです。奏功すれば必要ないのでしょうね。GMの感受性は通常512μg/mlという高度耐性を確認します。今回は感受性でしたので、GMによる併用は可能と判断しました。初期から追加しましたが、奏功しているようです。当院は、IEが多く、GMの感受性に関しては非常にシビアにしていますので、高度耐性の確認をしています。通常のラボではしていませんので、各自確認が必要な検査になります。通常の耐性はおおよそ8μg/mlになりますが、連鎖球菌に判定基準はありません。

投稿: 師範手前 | 2008年6月30日 (月) 22時00分

師範手前さま、ありがとうございました。わたくしも少し調べてみました。 Infections caused by viridans streptococci in patients with neutropenia. CID 2002:34:1524 のtable 3では CFPMの耐性率(breakpoint<=1)は34%となっていました。私は血液や腫瘍の専門家ではないので、臨床的な実感がまったくありませんが、CFPM+GMでほぼ大丈夫で、VCMまではいらないことが多いのでしょうか。めんどうな質問でしたら答えなくても結構です。

投稿: Kenken | 2008年7月 1日 (火) 15時33分

Kenken さま

勉強不足で申し訳ありません。
以下の文章が見つかりました。この場合ではVCMは必須です。
ほかに感受性のある抗菌薬でも構わないようです。

For some physicians in some medical centers, intensive chemotherapy that produces substantial mucosal damage (e.g., high-dose cytarabine) or increases the risk for penicillin-resistant streptococcal infections (e.g., infection with viridans streptococci), as well as prophylaxis with quinolones for afebrile neutropenic patients before onset of fever, are also considered indications for vancomycin to be included in the initial regimen. Sudden increase of temperature to >40℃ has, to some extent, been predictive of sepsis with viridans streptococci.
Although the combination of ceftazidime and vancomycin has been used most extensively in the past, in some medical centers, the possible risk of emergence of resistance to ceftazidime may justify the recommendation that vancomycin be preferentially used in combination with cefepime or a carbapenem (imipenem-cilastatin or meropenem).;Clinical Infectious Diseases 2002; 34:730–51

some cancer centers now routinely include vancomycin in their initial empirical antimicrobial regimens for neutropenic patients. In a study of neutropenic patients with cancer who had bacteremia caused by a-hemolytic streptococci, mortality was higher when vancomycin was not
included in the initial empirical antimicrobial regimen.Clinical Infectious Diseases 2002; 34:1524–9

投稿: | 2008年7月 2日 (水) 18時36分

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