« そんな○○○に騙されて・・・ | トップページ | めっちゃムズいかも »

2008年5月 4日 (日)

スメアで暴く感染症

26歳の男性です。潰瘍性大腸炎で外来フォロー中でした。下痢が増えたと言って来院されました。一応R/Oで便培養になりました。スメアを確認しましたが、こんなスメアです。

翌日主治医から、『起炎菌何か出た?』と電話があり、『サルモネラやO157なんかは陰性ですよ。でも、大腸菌の検査終わっていないから・・・。明日まで待ってください。』と返答。大腸菌を精査すると、O-119に。

一応、結果について詳細に説明しましたところ、『じゃ、治療するわ』と納得されました。

スメアの結果も付加価値を生んだ結果になりましたが、どう解釈しましょうか?

Photo_2 ×400

Photo_3 ×1000

|

« そんな○○○に騙されて・・・ | トップページ | めっちゃムズいかも »

グラム陰性菌」カテゴリの記事

グラム陽性菌」カテゴリの記事

背景など病態把握」カテゴリの記事

コメント

頻回の下痢の為か、全体では菌量少ないですね。
菌種の分布(割合)では、通常糞便細菌叢と比べグラム陰性桿菌が優位に認められます。

今回検出のO-119ベロ毒素の産生は無くて、病原性あるとすればEPEC(腸管病原大腸菌)に近いのでしょうか。
菌貪食好中球の周囲にはゴーストRBC多数目立ちます。

当院でも年に何回かこのようなスメアを経験します、嫌気性菌感染を疑い培養して純培養で多数のBacteroides fragilisが検出される症例もあり、興味を持った経験があります。

その時の患者さんはS状結腸の円周性肥厚があり、直るまで時間が大変かかりました。

Bacteroides fragilis糞便以外の臨床検体から良く検出されますが、糞便中には比較的少ないそうです、ちなみにBacteroides fragilisにはフラジリン毒素産生株があるそうです。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年5月 4日 (日) 17時02分

少し方向性を変えてください。UCが基礎疾患です。UCの場合は、どのような場合に便培養出してきますか?

投稿: 師範手前 | 2008年5月 5日 (月) 23時30分

師範手前さま
>26歳の男性です。潰瘍性大腸炎で外来フォロー中・・・
一応R/Oで便培養・・・
UCが基礎疾患です、どのような場合に便培養出してきますか?

UCの外来フォローということで、何か合併症など下痢以外にヒントがあるのでしょうか?
例えば、発熱、吐き気、貧血などや皮膚症状、眼症状、肝機能障害などなど。
患者さんの身体所見やその他の判断に合わせてステロイド治療時の予防的抗菌薬治療ということなのでしょうか。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年5月 6日 (火) 11時33分

下痢が増えた=有症状が悪化 と理解されてもおかしくないものです。発熱や下痢以外の消化器症状を確認するのは必要と思いますが、ただ単にUCのR/Oでと書かれていると、大腸菌は見逃される結果になります。潰瘍部分がびらん化して、貪食像が見られるとも解釈出来ますが、O-119の一部にはEaggECもあり、十分にこの症状と加味して考えれば治療対象になろうかと思いますが。
消化器内科の先生などはこのサイトをごらんになっていないでか?

投稿: 師範手前 | 2008年5月 8日 (木) 21時04分

師範手前さま

EAggEC(凝集付着性大腸菌)でしたか、
O-119がこれに該当するとは知りませんでした。

ほとんどベロ毒素産生しませんが、たまに毒素産生菌検出されています。
どちらかというと、小児などで問題視する程度の認識でした、勉強になります。

EAggECの性質としては、自発凝集性や血液などの凝集性、ETEC
とは別種の耐熱性EAST(腸管毒)を産生すると云われています。

師範さまご指摘のように、ただ単にUCのR/Oとオーダーに書かれているだけでは、大部分の大腸菌群は見逃されているのが現状と思います(当院でも同じ)

今後は便培養時、グラム染色など積極的に利用してゆくことは、基礎疾患のある患者さんで大変重要なことであり、認識を変えようと思います。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年5月 9日 (金) 12時25分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« そんな○○○に騙されて・・・ | トップページ | めっちゃムズいかも »