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2008年5月31日 (土)

なる~~~

腎盂腎炎です。バルン挿入を余儀なくされている患者です。在宅でショートステイなども繰り返しています。バルンの閉塞でしょうが、腎盂腎炎にて来院。スメアをみていますと、2つの菌がありました。グラム陽性連鎖球菌とグラム陰性桿菌。

①グラム陽性球菌は、連鎖が短いのが多く、菌がやや横長なので⇒腸球菌で決定

②グラム陰性桿菌は、莢膜もなく、長くもなく短くもなく、染色は濃いので⇒腸内細菌で決定

でした。

翌日培養を見てみると、腸球菌と腸内細菌は当たりました。でも腸内細菌は遊走しているではないですか・・・。そう、プロテウスでした。こんな風に見えるんだと思いまして掲載しました。でもきっちりESBLでした。はやり、患者背景よりハイリスクを考えないといけませんね。

Esbl ×400

Esbl_2 ×1000

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コメント

UTIに関して最近あった事件です。(今回の内容とは関係ありませんが)
僕は個人的に感染症を疑った場合は検体を採取し自分でグラム染色をして、処方する抗菌薬を考えています。しかし、周りの多くの指導医はそんなことはせず、「膀胱炎にはキノロン」という誰から教わったのか、その一点張りです。
入院歴が無く、発熱、背部巧打痛などもなく、単純性の膀胱炎が疑われる高齢女性がこられました。グラム染色をしましたが、ばっちり染色性の強い寸胴なGNRでE,coliを疑いました。(というより、心の中ではほぼ同定したような気持ちでした)
ということでバクタ内服していただき、後日フォローのため外来受診もしていただきましたが、とくに副作用などの合併症も無く治療終了となりました。
 さらに後日、こういうことがありましたという話を上級医にしたところ、バクタを投与したということに、ある意味カルチャーショックを受けられていたようです。その先生いわく、やはり単純性膀胱炎でもクラビットなどのキノロンを投与するべきとのことでした。
 僕自身がこれまで勉強してきたことと、実際の現場で行われていることの解離に僕もカルチャーショックを受けました。
 さらにさらに(長くなってすいません)、培養にも提出したのですが、感受性結果にST合剤が含まれていませんでした。これにもショックを受けました。要するに膀胱炎でST合剤を使うことは想定されていないということなのだと理解しましたが、それでいいのでしょうか?みなさんの施設ではいかがですか?
 検査室に聞いたところ、希望があればその都度感受性に使う抗菌薬の種類を変えることもできるということでしたが・・・

投稿: highgear | 2008年6月 1日 (日) 19時50分

highgear さま
>上級医にしたところ、バクタを投与したということに、ある意味カルチャーショックを受けられていたようです。その先生いわく、やはり単純性膀胱炎でもクラビットなどのキノロンを投与するべきとのことでした。僕自身がこれまで勉強してきたことと、実際の現場で行われていることの解離に僕もカルチャーショックを受けました。

確かに、良かれと思って自信を持って行ったことに対して、最新の知見など関係なく、経験的なコメントで全否定されるとつらいものですよね。でも、ちゃんと使用した経緯(キノロン耐性菌が多いなど)を説明出来るだけの勇気が必要ではないのでしょうか?確かにガイドラインは必要で、大切ですが、肝心のガイドラインの行間を言葉に出して説得しないと感染対策は通じないことがあります。こっれくらいでへこたれないで下さい。

ところで、ST合剤ですが、米国では汎用されている抗菌薬ですよね。日本では、添付文章の警告欄に『血液障害や・・・、他剤に無効又は使用出来ない場合投与を考慮すること。』と記載があります。なんで、使い難いそうですが。
キノロンが耐性の大腸菌は問題になっていますよね。highgear さまの病院でのローカルデータは無いのでしょうか?細菌検査で出している抗菌薬薬剤感受性率表を見せてもらい、再度上級医に話してみてはどうですか?20%ほど耐性が居ると思います。臨床的には効果がないな?と感じているとは思いますが。

>さらにさらに(長くなってすいません)、培養にも提出したのですが、感受性結果にST合剤が含まれていませんでした。これにもショックを受けました。要するに膀胱炎でST合剤を使うことは想定されていないということなのだと理解しましたが、それでいいのでしょうか?

それは感受性検査をする抗菌薬を吟味する必要があります。日本では80%ほどが自動機器を使用しているので、殆どが既に測っていると思います。ただ、ディスク法のところは10の倍数か6の倍数かで感受性する項目の設定をしています。なので、必要な場合は、直接言いに行くと角が立つので、しかるべき委員会などを通して感受性してくれと言いに行けば良いのではないですか?意外に細菌検査の方も、何で入れないねんと思ってることもあるでしょうが。

投稿: 師範手前 | 2008年6月 2日 (月) 21時31分

>プロテウスでした。こんな風に見えるんだと思いまして掲載しました。でもきっちりESBLでした。

師範手前様、度々失礼します。
プロテウス属もESBLを獲得の時代ですか。
J Clin Micro 2002;40:1549-52にもありましたが、ナゼかP. mirabilisですよね。P. vulgarisでESBL(+)っていう株の報告はあるのでしょうか?

っていうか、vulgarisにとってはESBLなんてイラネェヨという世界なのかもしれませんが。

投稿: 勤ノ字 | 2008年6月 3日 (火) 17時55分

 highgear様、尿グラム染色、僕もそのようにグラム染色しています。ST合剤は使ったことはありませんが。僕は、GNR-Mを見て大腸菌と判断したら、CFDNを使用しています。「よくならなかったら、また来てくださいね。」と言葉を添えて。たまにGPC-chainを見たら、やはり尿グラム染色をしていてよかった、と思う事ひとしおです。
 先日、大腸菌と判断してCFDNを処方して、今ひとつすっきりしないと4日目に再診されました。たまたまそのときに、初日に何か思うところがあって培養に提出していましたが、その結果はまだ出ておらず、検査センターに電話で尋ねても、診察の間には途中経過のFAXは届かず、参考には出来ませんでした。そこでもう一度グラム染色をしたら、フィラメント化した大腸菌がたくさん見えて、よく効いているけど、一部に大腸菌の形を保ったものがありました。効果は十分出ているとおもい、もう4日追加して様子を見ていると、返ってきた結果がE.coli(ESBL疑い)でした。CFDN;Rでした。ゲゲッと思って、電話して、もう一度来院していただきました。ずいぶんよくなっているけど、まだすっきりはしきらない、と。 結局、そのときに感受性のあるとでていたミノマイシンに変更しました。
 ESBLが結構身近に迫っているのでしょうか、その患者さんは、それ以前に抗生物質を使用したのは半年ほど前とのことで、膀胱炎も別にそんなに繰り返すわけではない、過去に膀胱炎を起こしたのは数年前、といっていました。
 見た目ではESBLはわからないので、今後、あまりすっきりしません、という人は要注意でしょうかね。でも、フィラメント化していたのはそれなりにin vivoでは効いていたこととしていいのでしょうか、中止したらまた再分裂するのかもしれないでしょうか。

投稿: 三省 | 2008年6月 3日 (火) 20時32分

勤の字さま
ブルガリスは元々ペニシリナーゼを持っていますので、入り込み難いのではないですか?ミラビリスに関しては、2年前からESBLに仲間入りしましたが、それまではきっちりとした基準が無かったので、特に調べていなかったという経緯があります。でも、メタロもそうですが、ESBLも大腸菌や肺炎桿菌だけではなく、グラム陰性桿菌であれば伝達されていると思ってもらっても過言ではないのです。緑膿菌でも検査したら陽性になっているという話しも聞くくらいです。細菌検査の目的は菌もそうですが、耐性遺伝子になります。臨床的にはビルレンスも考慮した報告が必要だと思いますが、その辺は臨床と基礎の考えの違いになるのかもしれません。

三省さま
ESBLですが、確かにセフェムを使用していてもしっくり来る時、来ない時があります。感受性しても耐性と報告する時がありますが、元々尿という部位は濃縮がかかりますので、臨床的に効果がある場合も出てくるかと思います。ただ、耐性(R)という意味は、微生物学的に常用量で効果が無いか、耐性機序を獲得しているというカテゴリーになります。Craigの取ったデータを見た事がありますが、耐性と判定された場合は治療成功率が下がるということになりますが、失敗しないケースもあります。ESBLの場合はカルバペネムが第一選択になることが多いですが、外来診療している場合は、キノロンやFOMなども考慮して投与を検討する必要性があるのかと思います。ただ、3世代セフェムで治癒した、ESBLの腎盂腎炎などはある程度あります。ただ、抗菌薬の変更を感受性検査の結果を見てしないと、治療が失敗し重症化した場合に問題が発生するのではないか?ということです。抗菌薬の変更、つまりローカルファクターが大切なのは、この時にキノロンの耐性率が50%などというデータがある時にキノロンは使えない場合が多いという証拠になります。

あとフィラメント化した菌=耐性?と考えて損はないかと思います。それが長期投与中であればなお更だと思います。すかさず変更が必要なケースもあります。というのは、培養したら陽性になりますのでご注意を。

投稿: 師範手前 | 2008年6月 3日 (火) 21時12分

大腸菌のキノロン耐性は確かに問題で,私も個人的にESBL産生の大腸菌による市中感染膀胱炎症例を2例経験しています.

バクタですが,ものの本によると,「地域の大腸菌のバクタに対する耐性率が20%を超えるとバクタを第一選択として使用しない方がよいかもしれない」という記載があります.

手元に大腸菌のバクタに対するアンチバイオグラムがないのですが,以前調べた時には,結構日本の大腸菌は,使ってない割にはバクタに耐性があるな,と思ったように思います.

師範手前様,何かいいデータ,おもちじゃないですか?

投稿: ID conference管理人 | 2008年6月 8日 (日) 22時51分

 はじめて、投稿します。いつも勉強させていただいております。遅レスで失礼いたします。個人的に尿路感染症にはバクタ頻用しています。最近2年では、尿路系でバクタ以外の経口薬は処方していない感じです。当院のアンチバイオグラムでは、STの感受性率は、E.coli 86%, K.pneumoniae 93%, E.aerogenes 100%, P.mirabilis 89%でキノロンより安心です。怖いのは副作用だけですが、使いまくっている割には出会ったことがありません。周りにすすめても、ほとんど使ってくれないのがさみしいです。

投稿: Kenken | 2008年6月24日 (火) 15時10分

ID conference管理人 さま、すっかりコメント忘れていました。また、Kenkenさま初投稿ありがとうございます。

さて、うちも少し調べましたが、STの感受性率です。
★E.coli 85%(尿は83%で少し悪い・外来は88%で入院は77%と入院患者の方が低い結果になりました。)
★K.pneumoniae 97%(尿は93%で少し悪い・外来は97%で入院は97%%と特に差はありませんでした。)

わかることは
①大腸菌の方が肺炎桿菌よりST耐性化が進んでいる
②入院患者の方が耐性化が進んでいる

なので、入院患者で大腸菌の尿路感染症の場合は、STは使えるか感受性を見ながら検討が必要になるということが分かりました。
でも、キノロンよりましかもしれません。
確か各種ガイドラインにも『ローカルファクターを見ること』とい記載があるので、感受性率をくまなく見ることが必要でしょうね。

投稿: 師範手前 | 2008年6月24日 (火) 22時17分

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