豪華なメンバー
先日の研究会でも話ましたが、グラム染色の的中度です。驚くことに、グラム染色の的中率は、良いのが解りました。肺炎球菌は少し低いのですが、インフルエンザ菌が86%(Journal of clinical infectious diseaseより)と高いことがなんとなく頷ける値です。で、Cysticfibrosisの場合ですが、もっと確率が上がるようです。 Journal of Clinical Microbiology,32,54-58.には緑膿菌はなんと98%の感度と・・・。凄いデータですが、一定の疾患についてなので、高くなるのでしょうか?面白いデータです。やはり臨床背景ありきと思います。
じゃ、これはどう読みますかね?良く見ると判りますが、豪華なメンバーですね。
少しサボると閲覧数が減ります。世間は意外に敏感です。
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コメント
おはようございます。
多核好中球がうようよしています。急性期の炎症像です。
まず一番分かりにくいだろうGNCBであるH.influenzaeが全体的に散在しております。さらにムコイドを持ったGNRがあり,よく見ると曲がったバナナのような形もしており,緑膿菌だと思います。左上・右上には緑膿菌とはまた違う雰囲気のGNRも見られ右上では貪食されているようです。
また染色性の悪いGPCがあり,嫌気性菌を疑わせる様相です。
こういういろんな菌が見られるときはH.influenzaeは見逃されやすいので要注意ですね。
投稿: highgear | 2008年5月23日 (金) 06時42分
師範手前さま
>Cysticfibrosisの場合ですが・・・
緑膿菌はなんと98%の感度と・・・やはり臨床背景ありきと思います
そうですか、グラム染色で98%とは恐れ入りました。
欧米で多い襄胞性線維症(CF)、一説ではCFの患者さんで、驚きの保菌率50%とも云われています。
緑膿菌のムコイド(alginate)産生菌は、高栄養素含有培地で継代培養すると、非ムコイド産生になり、逆に低栄養、低湿度、嫌気状態に置かれるとムコイド産生が亢進するらしいですね。
いわゆるbiofilm形成緑膿菌は、生体の防御免疫機構や抗菌剤にほとんど反応せず、継続してコロナイズし、気道の慢性炎症を遷延化し続けるのでしょう。
グラム染色でここまでわかれば、病態の改善効果を狙ったマクロライド少量長期投与の出番です。
近年、マクロライド以外、クリンダマイシン、リフャンピシンなどもalginate産生を抑制できるそうですね。
さてこのスメア、緑膿菌以外に、influenzaeもAcinetobacterどちらも莢膜をもつものがありますが、
日和見感染菌の、Acinetobacterを疑います。
投稿: 倉敷太郎 | 2008年5月23日 (金) 12時50分
ムコイド様のGNRは緑膿菌で確定です。肺炎桿菌は少し様相が違います。殆ど抜けて見えますので。小さな桿菌はアシネトバクターと見間違うのでしょうが、外来で肺炎なので、インフルエンザ菌の方が的確なコメントになるのでしょうね。
投稿: 師範手前 | 2008年5月26日 (月) 18時25分
>小さな桿菌はアシネトバクターと見間違うのでしょうが、
外来で肺炎なので、インフルエンザ菌の方が的確なコメントになるのでしょうね・・・
考えすぎました、コメントした後で思いました、やはり外来肺炎なのでまずはインフルエンザ菌が一般的ですね。
形状、大きさからアシネトバクターよりやや小さい感じしますね。
投稿: 倉敷太郎 | 2008年5月27日 (火) 15時03分