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2008年5月10日 (土)

すべては、こんな疑問から

肺炎と言ったら何を想像しますか?胸部レントゲン?喀痰の色?グラム染色?職種によっては印象が違うと思います。私は臨床検査技師なので、グラム染色の態度かな?と思います。

肺炎で、喀痰から得られる情報は何か?と言われて、見ると肺炎球菌、インフルエンザ菌、緑膿菌など色々メジャーな菌が出てきます。

でも、菌は見えて当たり前・・・でしょう。起炎菌の推定以外に出来るものはないだろうか?と思い、感じていたことがあります。少しだけ病理の経験もあり、炎症について興味があったのも理由の一つでもあります。

急性肺炎のスメアで見えるもの

菌+新鮮な好中球+滲出したフィブリン+たまに見える単球=急激な炎症で、数日経っている。

こういった、複合した要素を固めて総合的に見れるんじゃないか?と少し進んだグラム染色を開始しました。それが、このブログを作った、元々の経緯でもあります。役立つ情報は、創作しないと、今は色々な検査も多く活用される側に回ってしまい兼ねません。頑張りましょう。

Photo_2 背景はこちら(×200)

Photo_3 起炎菌はこちら(×1000)

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コメント

>役立つ情報は、創作しないと、今は色々な検査も多く活用される側に回ってしまい兼ねません

臨床と名の付く検査技師として、そこのところ非常に賛同いたします。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年5月11日 (日) 10時32分

 恥を忍んでお伺いします。教えてください。
菌+新鮮な好中球+滲出したフィブリン+たまに見える単球=急激な炎症で、数日経っている。
 まず、浸出したフィブリンは、写真で見えるネバーッと伸びたものですよね。
 次に、たまに見える単球、ですが、これは×200で見える、好中球とは明らかに違うでっかいもの(写真中央右寄り部分)ですよね。ちなみに、×200で核が分葉していない、写真中央やや下寄りにあるものも単球ですか?×1000のほうで写真右上寄りにある、細胞質のはっきりしない、丸っこいような核だけ見えるようなもの、これも単球ですか?
 恥ずかしいですが、聞くは一時の恥、ですので・・・

投稿: 三省 | 2008年5月16日 (金) 23時46分

三省さま
返信遅れましてすいません。
ところで、恥を忍んでの質問…との事ですが、そんな事は無いでしょう、診療において判らないより、判る方が言いように、グラム染色もわかった方が役に立つこと間違いなしです。
×200にて中央右の大きな奴は組織球で、中央やや下は単球でしょう。核の染まりが好中球と違うので、違う分化過程を経たものでしょう。また細胞質も赤味を帯びています。好酸球も赤く染まりますが、もっと赤いのでわかります。判ってくると言うことは、スライドの声、つまり患者さんの声が聞こえてる事になります。意識して見ていくとスライドを通して会話が可能です

投稿: 師範手前 | 2008年5月20日 (火) 08時19分

三省さま 師範手前さま

私見です、今までグラム染色によるダイレクトスメアを顕鏡してきて思うことですが、通常の血液検査(血液像)May-Grunwald-Giemsa染色法で観られる血液像にグラム染色はどこまで近づけるのか、また限界は?ということでコメントさせて下さい。

通常の血液像はMay-Grunwald-Giemsa染色法で染色されます。
好中球(幼弱球なども含め)、リンパ球、単球、好酸球や好塩基球など分類します。
核質のクロマチン構造の粗さ濃さの違いや、核小体、顆粒など、
また細胞質の染色性(色調)など微妙な差の違いで鑑別します。

単球は好中球大のものからかなり大きいもの(大リンパ球と同大)があり、細胞質はやや不整で、くすんだ色調の細胞質と柔らかい感じの核質が通常観察できます。
大リンパ球の細胞質は淡青色で透明感があり、核は固い感じです。
マクロフャージは単球が分化したものであり、抹血と喀痰や組織中で観られるものは形体(内部)が非常に違っています。

>丸っこいような核だけ見えるようなもの←リンパ球の脱核かも・・(核の染色性が回りの好中球より濃く染まって観える)
>写真中央やや下寄りにあるもの←核は固い感じではありませんが細胞質とその辺縁の色調からから単球か大リンパ球かも・・


さて、それではグラム染色でどこまで個々の細胞を鑑別ができるかですが。
強拡大にしてもその核質や細胞質の微妙なタッチを色調から鑑別することは多分難しい事と思います。しかし、血液スメア両方で目が慣れてくると、ある程度イメージできるようになるかもしれません。
細菌検査の前は血液検査担当で10年ほど血液像を観ていました、グラム染色からある程度イメージできるかなとは思っています。

グラム染色からは、患者の背景からそのスメアに認められる性質的な分析も重要ですが、どちらかと云うと動的な情報(火事現場的)を分析報告することが重要と考えます。

先日当院で、喀痰スメア上数日で全てマクロフャージ(高炎症性メディエ-タ-として)に置き換わり、SIRSを発症後MODSへの進展し亡くなられた方がありました。
レ線でコンソルデーションが急激に進行していました。

重要と思われる事は、患者さんの背景(病態)を十分に意識して、観て行く事だと思います。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年5月20日 (火) 11時32分

 師範手前様、倉敷太郎様、ありがとうございます。
 ほかの方が何も書き込まれないので、知らないのは僕だけなのかな、皆さんそのようなところまで判断されているのかな、と不安になって、でも知らないことは知らないことなので、質問させていただきました。日々、勉強になります。
 ギムザ染色はしたことがなく(学生時代にしたか?)、卒後もギムザ染色の標本を顕微鏡で覗くことなど、皆無のなかで来たので、いまさらながら、単球や組織球など、勉強しなおすような有様です。でも、きっかけがあって勉強したほうが頭に残るので、それがいいのだ、と自分で自分を慰めています。
 恥ずかしさついでにもうひとつ。血液のグラム染色は、’血液のスメアを引いてグラム染色をしたらわかる’ものではないのですよね? 一度、ある患者さんの高熱で、血圧も低めで、これは敗血症か、と思って、まさか、グラム染色でわかる?と思い、静脈血でCRPなどの測定でとった血液を1滴たらしてスメアを引いてグラム染色をしてみたことがありました。わけがわかりませんでした。そうおもって血液のグラム染色について何か方法を書いてないかな、と思って手元にある本を開いていましたが、特に載っていませんでした。ここで相談するにはあまりにも「はぁ~?」という質問だと恥ずかしいので、ようしませんでした。でも。今回、恥のついでに質問します。血液のグラム染色はどうやってしているのですか?

投稿: 三省 | 2008年5月20日 (火) 23時00分

三省さま

>高熱で、血圧も低めで、これは敗血症か、と思って、まさか、グラム染色でわかる?

方法がグラム染色しかない場合、血液スメアからでも十分参考
になると思いますよ。
形体的な分類は別にMay-Grunwald-Giemsa染色法でなくても
鑑別可能です。
また、赤血球1000個中大まかに白血球を数える事で白血球数
の概算も可能です。
通常の細菌感染症なら、好中球の左方推移も認められるでしょうし、ただし中毒性顆粒とかその他の感染症情報はグラム染色からだけでは無理でしょう。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年5月21日 (水) 07時59分

三省さま続けてコメントします

>血液のグラム染色は、’血液のスメアを引いてグラム染色をしたらわかる’ものではないのですよね?

抹血を直接(遠心後の検体でも)グラム染色で菌が認められる事はありません。

グラム染色で確認できるのは、10^2/ml以上菌がいなければ難しいです。

逆に菌が認められれば、手技的なコンタミネーションのの可能性を疑います。

敗血症患者の菌数は1~10/ml以下の場合が多いですから、血液を直接(遠心後の検体でも)寒天平板培地に検体を接種しても、菌が発育してきません。やはり最低10^2/ml以上の菌数が必要と云われています。

血液培養ボトルは、ごく少数の菌検出の為の増菌培地です。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年5月21日 (水) 10時39分

 倉敷太郎様、さっそくのコメントをありがとうございました。やはり、抹梢血の血液グラム染色は実際的ではないのですね。コンタミンエーションをきたしたら、余計に判断の狂いにつながるし、無理にしないほうが無難、それより敗血症を疑ったときにはきちんと血液培養を2箇所から採る、あるいは入院先に即紹介する、ということのほうが重要ですね。
 ありがとうございました。モヤモヤが解消されてうれしいです。

投稿: 三省 | 2008年5月21日 (水) 13時31分

三省さま

直接血液からの敗血症診断法に、ハイブリゼップ(Hybrisep)と
いうIn-Situ Hybridization(ISH)をもちいた方法があります。
ご存知でしょうか。

ハイブリゼップは好中球やマクロフャージに貪食された細菌のDNAをISHで検出する方法です。
この方法では敗血症を疑っていても血液培養で起因菌など検出されない疑陰性(貪食されて菌が死んでいるような場合)などでもDNAから検出が可能になります。

嶋田らの"報告によれば292例で、血培・Hybrisepとも陽性12例4.1%、両方とも陰性149例51.0%、Hybrisepのみ陽性111例38%、血培のみ陽性20例6.9%。

7菌種の検出が可能でStap.aureus,Stap.epidermidis,E.coli,P.aeruginosa,K.pneumoniae,Enterobacter cloacae,Entero.faecalis。

血培のみ陽性20例6.9%など該当しない菌種であるとか、菌数が少ない場合は検出が困難な場合もあるそうです。

抗菌薬の投与など関係なく検査できる代わりに、該当しない菌種の検出不可、菌数が少なく検出困難、薬剤感受性ができないなど、またシグナルの判定に経験が必要かもなどなど、やはりGold standardは今も昔も血液培養2セット採取です。

"Shimada J et al,:Clinical trial of in-situ hybridization method for the rapid diagnosis of sepsis.
J Infect Chemother 5:21-31,1999

投稿: 倉敷太郎 | 2008年5月21日 (水) 16時08分

盛り上がっていますね。

ハイブリダイゼーションによる敗血症の診断方法もあります。現に使用されてる施設もあり、成績をも残されていますが、このキットに関しては、私もしましたが、手間暇かかるものです。保険も収載されていますが、手元でするには中々のものです。外注も必要に感じて依頼される方が良いかもしれませんが。

最近はPNA FISH法という方法も出来、黄色ぶ菌かCNSか染め分けれるようになってきました。
診断技術の進化はすごいと思いますが、基本的な診断となる血液培養をもう一度見直すのは基本になるでしょう。

投稿: 師範手前 | 2008年5月21日 (水) 16時14分

 ありがとうございます。
>ハイブリゼップ(Hybrisep)というIn-Situ Hybridization(ISH)をもちいた方法
>PNA FISH法という方法も出来
知らないことばっかりです。診療所レベルでは難しそうですね。でも勉強になります。
 血液培養が現実的ですね。ただ、実際には当院ではまだこの3年間で血液培養は一度も採っていません。採りたいと思ったときがあったのですが、そのときに血培のボトルを置いていなくて、採れませんでした。複雑性尿路感染症で高熱で、腎盂腎炎から来る敗血症を疑ったのですが、でも入院はぜったい嫌、先生ここで治療してもらえないか、というときでした。尿グラム染色をしたらGPC-chainでした。腸球菌と判断してペニシリン系で治療しました。
 そのときに血培のボトルを外注先の検査から今後のために取り寄せるようにしたら、このボトルは有料だとのこと、好気性・嫌気性ボトルのセットで900円、これを2セット常備したら1800円。使用期限は短く数ヶ月・・・交換は不可。ありゃりゃこれでは悲しいことに、絶対赤字覚悟で望まなければならない。悩んで悩んで、悩んでいるうちに数ヶ月。この数ヶ月で結局まだ置いていないのと、それに外来で血液培養を採ろうと思う人が現れていないので、あの時常備するようにしたとすれば、そのセットはすでに期限切れで廃棄処分になっていたと思うとますます手元にそろえるのに躊躇してしまいます。・・・俗な話ですみません。恥ずかしいですが。

投稿: 三省 | 2008年5月22日 (木) 03時15分

三省さま

>俗な話ですみません・・・
いいえ、多分皆さん迷われている検査だという事は感じています。

hintです
血液培養に使用されるボトル(瓶)には多くの種類があります。
日本ではバクテアラートとかバクテックなど、自動検出機が主流で、多くの施設や検査センターで使用されています。

さて、自動検出機にセットしないもので(某製品)1本のボトルで、 好気性・嫌気性菌両方の培養が1度にできるものがあります。
もちろんフラン器は用意しなければなりません、安いもので十分。

実は当院でも長年使用していますが、cost performance(検出率、単価)共に十分と思っています。
ただこの方法、マニュアル法なので1~2日目は日に3回、その後は日に1回程度、混合して下さい、混合のたびごとに、陽性サインを確認します。

最終判定は5日目長くても7日目に、陽性サインが出なくても、グラム染色で確認します。

陽性サインまたは、陽性サインが出なくてもグラム染色で細菌や真菌(陽性サイン出ません)が認められたら、そこで初めて検査会社に同定・感受性を依頼します。
また、陰性の方が多いですから、そのまま検査判断料となりますよ。

某製品にてお調べ下さい、すぐ見つかりますよ(製品の期限も最低2年はあります)。


投稿: 倉敷太郎 | 2008年5月23日 (金) 12時16分

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