ありがちな・・・・?
ICTでラウンドしていますと、たまにこのような『ありがち』な症例と出くわすことがあります。皆さんもないでしょうか?
仮にですが、大腿骨頭の人工関節置換術後の経過観察中で、治療終了までにあと少しというところで、発熱です。良くあること?だと思います。
何かフォーカスとなるものを考えますが、当然長期の尿バルン留置患者でありますので、尿が濁っているかの短絡的な検索に走ります。確かに除外診断では必要な事項です。尿路感染かな?と思い、培養を出して経過観察。
ラウンドに行くと、指摘事項は
①尿一般検査が出てないじゃないの?
②新たな発熱に血液培養採取していないじゃないの?
など、つっこみ満載の症例です。
当院は、色々教育もすすみ、医師は率先して血液培養は採取してくれるようになりました。当たり前?と思いきた、この時期は新規の初期研修医も来ていて忘れがちですが、看護師さんなどから『血液培養も採りましょうか?』とナイスサジェストが出来るようになっていることも散見されます。
で、上記のような患者で、血液培養が陽性になり以下のスメアのような所見が確認出来ました。短絡的に考えたものの、CTRXによる治療が開始されています。尿培養は陰性。
でも、主治医は尿路感染を疑うのでしょう。ICTとして、サジェストする事項って何かありますか?
当院でも、『えっ?』、『ほほう・・・』という、ありがたいお礼はたまに聞かれます。
この血液培養の結果をどう考えますか?
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コメント
スメア所見は、染色性がよくずんどうなGNRということで、大腸菌などが疑われます。おそらく貪食像もあり、起因菌と考えていいのではないでしょうか?
単純な尿路感染でないことは師範手前さまの文面から分かるのですが・・・。
ICTとしてサジェストすべきこと・・・・。何でしょうか?
院内感染ということで、マルトフィリア、セパチアなどの高度耐性菌も考えないといけないということでしょうか。
スメア所見があまり合致しない気がしますが。
投稿: highgear | 2008年4月15日 (火) 22時43分
highgearさま
大腸菌か何か?というのは鋭い指摘です。染色の色合いなどから解ったのでしょうか?
単純な尿路感染ではなく、血液から大腸菌
次はどう考えるのが良いんでしょうか?
整形外科であれば専門外になるので、ICTの介入しどころではないでしょうか?
投稿: 師範手前 | 2008年4月15日 (火) 23時06分
師範手前さま
>大腿骨頭の人工関節置換術後(治療終了まであと少し)の経過観察中・・・
当然長期の尿バルン留置患者で血液培養が陽性、CTRXによる治療が開始されていた?尿培養は陰性・・・
長期間の尿道カテ留置によるUTIリスクは、1日に3~10%上がるといわれています。
また、バイオフィルム形成し90%以上に複数菌が原因となる為、UTI発症ではカテ脱去もしくは交換がまず第一に必要になりますよね。
CA-UTIで認められるE.coliは全体の1/4程度で、その他グ陰性菌ではEnterobacter Klebsiella Proteus Pseudomonasなどが検出されますが、私も今回のスメアではE.coliを疑います。
尿性敗症後、急性憎悪を引き起こす原因になります、何よりも先ず 2セット血培採血は重要ですね。
投稿: 倉敷太郎 | 2008年4月16日 (水) 14時50分
倉敷太郎さま
>長期間の尿道カテ留置によるUTIリスクは、1日に3~10%上がるといわれています。
また、バイオフィルム形成し90%以上に複数菌が原因となる為、UTI発症ではカテ脱去もしくは交換がまず第一に必要になりますよね。
ICTからの提言の一つとして、カテが必要な不要かの判定もあります。ふむふむ。確かに、カテ感染を疑う場合は、交換が条件になる場合も多いかと思います。短絡的に濁り=感染になりがちです。
血培2セットは必要ですが、何故このグラム陰性桿菌が出たか原因追求が必要でしょう。グラム陰性桿菌は尿以外も多くいますしね。
投稿: 師範手前 | 2008年4月17日 (木) 19時15分
師範手前さま
>何故このグラム陰性桿菌が出たか原因追求が必要でしょ・・ ・ グラム陰性桿菌は尿以外も多くいますしね・・・
血液培養での検出菌がE.coliなのでやはり、尿路感染を疑い、つぎに骨盤内臓器や人工置換術後のSSI、その他皮膚感染などになるでしょうか。
最初の尿培養未提出や新たな発熱に血液培養採取していないのはやはり非常に残念ですね。
投稿: 倉敷太郎 | 2008年4月18日 (金) 16時36分