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2008年4月28日 (月)

どっちが常識?

この時期は肺炎球菌性肺炎が多いです。季節の変わり目、冷暖房の入れ替えなど、気候にも左右されるかもしれませんが、重症者もたまに居ます。背景疾患は、脳神経患者、担癌患者など教科書どおりですが、グラム染色を見てみると、教科書には双球菌、莢膜ありなどと記載あります。

肺炎球菌は和名ですが、正式名称はStreptococcus pneumoniae分類学的には連鎖球菌に属します。ムンテラしーの、レントゲンとリーのし、染色みーの(嫁ぎーの←関係ありません)、『双球菌、双球菌』と探しても、近いのはありますが、どうかな?と思うことあると思います。肺炎球菌の中で、一部連鎖が長く見える菌が混じることがあります。その場合は、双球菌が連なったと思い、続けて見て行く必要があります。双球菌4つ並んで連鎖球菌。良く見ると大連鎖でも莢膜は確認出来ますよ。皆さん、固定概念を捨てるのもグラム染色鑑別のコツになります。

ところで、30日で締め切りになりますが、第2回GSSG研究会の件です。

午前の部の染色をしてみようは、盛況につき一杯になってしまったそうです。続々と申し込みがあるようですが、今は午後の部への振り替えをさせて頂いているようです。午後の部は、皮膚・軟部組織疾患、消化器疾患、全身性発熱症候群など興味深い症例を揃えています。医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師からのコメントも付加しての総合的なグラム染色の所見を読む企画になっているそうです。興味のある方は、まだ若干余裕があるそうなので。

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グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

師範手前さま

>固定概念を捨てるのもグラム染色鑑別のコツになります

わたしもそう思います
学生実習を当院でも受け持たせていただいてます。

まず固定概念でスメアを観ないよう指導しているつもりです。
たとえば、多分一番観にくいだろうインフルエンザ桿菌とか(多形性)、いくつもバリエーションを観てもらい感想を言わせるようにしています(どの学生も気持ちいい返事が返りますが、あとからレポート見て本当に分ったの?不安になることもありますが)

固定概念(教科書的)では、例えば実際検体から観られる形体と、栄養豊富な培地からのスメア形体とで非常にマッチしないことなど経験させられます。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年4月29日 (火) 10時54分

 基本的な質問かもしれませんが、教えてください。肺炎球菌と思うけれども、連鎖が結構あっても、球菌の形がやや丸い形ではなく、やや細長い、米粒を縦にしたみたいな形があれば、肺炎球菌と判断していいのですよね。
 そんな中で、見慣れたグラム陽性双球菌の米粒型よりも、もっと長さが短い感じのものが多く見受けられるときがありますが、それは細胞分裂が活発にどんどん進んでいるような場合に、そのようになるのでしょうか?こんな恥ずかしい質問ですみません。

投稿: 三省 | 2008年4月29日 (火) 23時17分

三省さま

>見慣れたグラム陽性双球菌の米粒型よりも、もっと長さが短い感じのものが多く見受けられるときがありますが・・・
それは細胞分裂が活発にどんどん進んでいるような場合に、そのようになるのでしょうか?

一定の細菌で一定の培養条件での菌数と菌量(ボリュウム)は比例する。しかし、一定の細菌の培養条件を良くして増殖を速くすると、1個の菌の菌量が大になるので同一菌数であっても、培養条件(周囲環境の違い)が良ければ増殖の速い方が菌量が大になるそうです。

肺炎球菌も同じ連鎖球菌群ですが、連鎖が短く(長い連鎖状態も観ます)2個が対を成して双球菌状になるものが多いですね。また、双方遠位側が尖って観えるものが多いです。
しかし、もう一つ忘れてはいけないものに、病原性(ビルレンス)のあるものは大抵莢膜を持っているはずです。

これから私見になりますが、やはり細菌がおかれている周囲の環境に影響を受けているように思います。
どうしてもstereotype的な見解に陥りdilemmaを感じながらグラム染色を観ているのは私も同じです。

病原性のある肺炎球菌であればまず莢膜を持っているはずですから、丸い球菌状や長い連鎖状のものでも、良く観てゆくと、肺炎球菌推定に気づけるようになると思います。
また肺炎球菌の貪食像が観られることは少ないこともあり、肺炎球菌自体が少ない場合とか、ガンバッテ観察眼をやしなうしかないのでしょうね。

大変生意気なコメントですみません。


投稿: 倉敷太郎 | 2008年4月30日 (水) 11時31分

三省さま

連鎖球菌は慣れないと、鑑別が難しいです。先入観が入ってしまうとなお更です。丸いのから長細いのまで・・・形状を見てだいたいですが、腸球菌と肺炎球菌の鑑別が最も難しいですが、
・腸球菌は楕円ですが、直列に連鎖
・肺炎球菌は楕円ですが、ややハの字になっている
やはり、莢膜の確認が重要だと思います。一部分のみに捉われて考えるのではなく、全体像を見渡すことをお勧めします。
痰の質が良くて、扁平上皮が殆ど無い状態で、楕円の長い連鎖がある場合は肺炎球菌を疑っても問題ないと思います。ただ、誤嚥に合併した肺炎球菌性肺炎をたまに見かけますが、困難です。良く見れば解りますがね。
参考にですが、以前掲載したアトラスをご覧下さい。http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_3bde.html

細胞診みたいなものでしょうか?一定の基準を持ち、あとは経験でカバーです。頑張ってください。

投稿: 師範手前 | 2008年4月30日 (水) 19時39分

 師範手前様、倉敷太郎様、ありがとうございました。やはり、相談してよかったです。自分で感じた素朴な疑問を相談できる場所がこのようにあることは、とてもうれしいです。
 莢膜ですね、これまでも、これは莢膜がありそうだから、たぶん肺炎球菌だろうなあ、と半ば思いながら、半ば自信なく思っていました。恥ずかしい話ですが、どっちにしても、AMPCでいけるから、AMPCにしよう、と言ったような心のつぶやきで決めたこともありました。
 これからは、「これは莢膜があるから」と、もっと自信を持って判断をつけてゆくことができそうです。カラーアトラス、ありがとうございます。とっても参考になります。これまでも、何回も見直したりしていました。

投稿: 三省 | 2008年5月 1日 (木) 17時48分

そうですね。教科書に載ってない名人芸は、お金に換えれないものだと思います。アトラスは、無料で簡単に配布ということで作りました。研究会用の配布物としても使用しましたが。スケールを並べるのが苦労しましたが。良かったと思います。
何事も思い込みは、判断を鈍らせる材料になりますので、気を付けてください。
グラム染色は特に、材料の質を合わせて見ることが重要ですよね。

投稿: 師範手前 | 2008年5月 1日 (木) 20時52分

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