オブストラクション
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コメント
初めて書き込みさせていただきます。一年目研修医です。
スメアを観させていただいて、まずクラスターを形成したGPCと右下方にGPRが認められました。
GPCに関しましては、この方はドレーン留置から表皮ブドウ球菌あたりではないかと考えました。GPRはコリネバクテリウムあたりを疑えばよいのでしょうか。
勉強不足で恐縮ですが、誤りを御指摘いただければと思います。
投稿: 研修医 | 2008年4月23日 (水) 12時15分
膿胸(膿性の胸水)で認められる一般的起因菌には、
肺炎球菌、溶連菌、ブドウ球菌や口腔内嫌気性菌などで(誤嚥性肺炎から膿胸に進展)、これに免疫異常(免疫抑制)の患者では真菌やグラム陰性桿菌なども認められます。
さて、スメアですが、グラム陽性球桿菌様のものとグラム陽性小球菌(染色性不良)が中心部と右下方に散在して認められているようです。
グラム陽性小球菌は嫌気性菌の可能性が高いように思います。
結核性膿胸だそうですが、以前に外科的治療を受けたことのある患者さんなのでしょうか?
余談ですが、肺炎性胸水 → 膿胸への進展は約5%で、肉眼的に不明な場合、pH、糖、LDHなどそれぞれ<7.2、<40㎎/dl、 >1000IU/lだそうです。
胸水(膿胸)に至る感染症では第一にドレナージ、その理由として、胸水(膿胸)には細胞性免疫(抗体、補体、オプソニン)などがほとんど存在しない為、細菌など好中球による貪食機能が発揮できない状態になり、ドレナージ以外有効な(抗菌薬のみの治療)治療ができないことになりますよね。
投稿: 倉敷太郎 | 2008年4月23日 (水) 12時26分
師範手前さまおつかれさまです
オブストラクションは?
>急にスパイクフィーバーがあり、ドレーン感染を疑って・・・
ということは、外からの感染の可能性を考慮しなければならなかったのでしょうか?
形体から観て、短冊状のCorynebacterium sp.と同じく皮膚常在菌のaureus、CNSあたりでしょうか。
投稿: 倉敷太郎 | 2008年4月23日 (水) 18時07分
研修医さま
これからのご活躍期待しています。
さて、スメアの読み方は正解です。左上の白血球内にはクラスター状の陽性球菌が疑われます。右下はハの字の陽性短桿菌なので、コリネバクテリウムを疑います。皮膚常在菌のプロピオニバクテイルムも否定出来ませんので、嫌気培養は当然必須です。好気しか依頼ない場合もスメアを見て追加してもらうようなことをしましょう。
倉敷太郎さま
こういう場合は、皮膚常在菌の貪食もあり、起炎菌と考えて対応します。ドレーンの逆行性感染を疑うことが最優先になりますが、ドレーン内部のコロナイズを検出しているかどうかの判断をちゃんと出来るかです。貪食があれば勿論起炎菌と判定出来ますが、なければどうでしょう?免疫反応の弱い場所なんで貪食がなくても採取条件が整えば起炎菌として良いのでしょうね。
みなさんどう思いますか?
投稿: 師範手前 | 2008年4月24日 (木) 18時38分