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2008年3月31日 (月)

良くある質問でしょう

70歳男性です。糖尿病性腎症で入院しています。症状の悪化もあり、15日前下腿をアンプタしました。アンプタ部分から膿汁が出てきてCNS。栄養も悪く一時IVHで補給もしていました。突然の発熱もあり院内の法則のごとく血液培養と尿培養。尿培養はさすがに陰性。CMZを投与して経過観察していました。2日目に血液培養が陽性になり、このようなスメア。いつもの如く『起炎菌かどうか?どうなんでしょう?』。一応相談にこられたからには力になってあげないとと思い、ご提案をしました。皆さんは何と言いましょうか?抗MRSA薬どうしましょう?

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2008年3月29日 (土)

少し、しょうもない統計を採ってみました

5月にある研究会で、グラム染色をよりadvanceに紹介しようと思い資料を探そうと思い考えついたことがあります。

日本はグラム染色を重宝する傾向にある(場合もある)が、米国は状況によりますが、段々と重宝しなくなってきた傾向にあるように思います。確かに治療の妥当性を迅速に評価出来る(初期治療の標的菌が当たるか外れているか)ものと思われます。

成人市中肺炎の検査はそんな状況を表しています。

各種ガイドラインに『グラム染色』という名前がいくつ出てくるか?調べました

日本の成人市中肺炎の診療ガイドライン(ポケット版) ⇒11個

IDSAのCAPガイドラインには

 1998年  ⇒36個 (ちなみに尿中抗原3個)

 2000年  ⇒40個 (ちなみに尿中抗原12個)

 2003年  ⇒11個 (ちなみに尿中抗原12個)

 2007年  ⇒20個 (ちなみに尿中抗原26個)

2000年から2003年には尿中抗原が流行り、2003年から2007年にはグラム染色がもう一度評価されたことになりますかね?ページ数の問題もあろうかと言葉の密度をパラメータ化しました

1998年は1.28、2000年は1.11、2003年は0.37、2007年は0.43です。やはり少し多く記載されていますが、2000年以前よりは少ないようです。日本はポケット版で0.23なので米国より記載が少ない状況です。意外にも意外です。

写真は広州に行った時にお伺いした検査室の写真です。良く『どんなんやった?』って聞かれますが、予想を遥かに超えている設備でした。検体自動搬送機(日本のメーカー)が入っていて、某メーカーの自動機器システムとDMSが入っていました。パニック値は自動再検でしかも異常値は全て担当医の携帯電話へメールを自動配信してくれるようです。また、自動的に必要な追加検査をピックアップして測定するようです。うちも欲しいと思った瞬間です。

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2008年3月27日 (木)

これが判れば凄いかも?

今回はこんなスメアです。先日検査していて『ピピッ』と来ました。部屋の後輩に『何やと思う?』と聞くとその後輩もズバリ!!です。成長したもの?だと関心しましたが、僕の教育も満更ではないのかな?とかなり前向きに考えました。

で、患者は心不全で運ばれ、ICUで人工呼吸器下4日目です。少し炎症反応が上がり、喀痰も出てきたので採取しました。心不全もあり胸水も溜まっているようで、『肺炎像な・・・?』と胸写を見ながら相談受けました。起炎菌であればたぶんこれでしょうと言いオブザベーションにしました。

さて、何菌? えっ?見えない? 見えるでしょう。一応大サービスで強拡大を2枚用意しました。

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2008年3月24日 (月)

明日の予告

明日は姫路で講演会(セミクローズらしい・・・)です。以前当院で初期研修を受けられていたT先生からのご依頼です。30人程度の双方向性のある講演にしたいと思っていますが、私のような若輩者で通じるのでしょうか?依頼を受けた先生からは『ブログのような内容で・・・』と言われ(おっと、ブログ愛好家でしたか・・・)たので、もう少し掘り下げてお話したいと思います。『検査技師さんなのに、どうしてそこまで見識が広がっているのですか?』とも言って頂きましたが、意外にも知っている人は多いと思いますよ。皆さん、検査室を多いに活用していますか?

テーマ:感染症診療に必要な検査情報とその整理

参加者の方宜しくです。

写真はピロシキ屋のピロシキです。音楽を聞かせると美味しくなるようです。僕はばい菌に聞かせましたが、小さくなりました。病原菌はダメですね。

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2008年3月21日 (金)

もうMEPM入ってるよぉ

今回はこんな症例です。COPDと気管支拡張がある患者がインフルエンザの後に肺炎になり来られました。スメアを急いで見るとこんなの・・・・。変だね?と思い、主治医へ推定起炎菌の報告をしましたが、『実は研修医が最初に見たんですが、MEPM 0.5g1回入れちゃった後なんですよ。』と、MEPM投与後1時間後の話です。 何菌でしょうか?簡単ですよね?でも、変の理由は?抗菌薬の種類が解る場合ありますよね。

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2008年3月19日 (水)

市中肺炎です。ICTはこんな質問も受けます

76歳男性。喫煙歴45年、20本/日。市中肺炎で入院されました。両肺にはしっかりとした影がありました。喀痰採取して、抗菌薬(ABPC/SBT 6g/分4/日)の投与を開始しました。スメアを見てこんな感じです。

主治医からは『市中肺炎を疑いABPC/SBT 6g/分4/日で開始しましたが、グラム染色の結果で少し検討したいのですが・・・』と言われました。推定起炎菌を返しましたが、その時何とコメントしましょうか?(していますか?)抗菌薬は妥当でしょうか?ただし、今回は非定型肺炎などの話は省きましょう。

最近新しい方からのコメントを沢山頂くようになり、より高度なグラム染色を掲載しようと思っています。閲覧数もとうとう800超えです。本当にどこからこのブログ情報を仕入れるのでしょうか?不思議です。ともあれ、ありがたいです。今後もよろしくお願いします。

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2008年3月14日 (金)

さて、復習です

48歳女性です。発熱と頻尿で来院しました。尿培養と血液培養を抗菌薬の前に採取しました。直ぐに結果が知りたいとグラム染色の至急です。さあ、これは膀胱炎でしょうか?腎盂腎炎でしょうか?根拠つけて考えましょう。あっ、CVA叩打忘れたそうです。かなんなあ・・・。グラム染色で取り返せるか?

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2008年3月13日 (木)

速報!! グラム染色報酬改定(案)?その3

来月からの保険点数改定で、検体検査管理加算(Ⅲ)に微生物学的検査が実施項目として取り上げられたのは皆さんもうご存知と思いますが、微生物学的検査?って何をすれば良いのか?と皆さん困惑されていると思いますが、詳細については3/5(私が中国に行っている間に・・・)に明らかになったので掲載します。

緊急当直帯で行う微生物学的検査は、このブログもそうですがグラム染色です。でも、どの検査材料かの記載が不明確だったのですが、『排泄物、滲出物又は分泌物』になりました。これでもまだ不明確なので、『排泄物、滲出物又は分泌物』って何か記載ありましたので掲載します。

D017 排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査
(1) 排泄物、滲出物又は分泌物の細菌顕微鏡検査は、尿、糞便、喀痰、穿刺液、胃液、十二指腸液、胆汁、膿、眼分泌液、鼻腔液、咽喉液、口腔液、その他の滲出物等について細菌、原虫等の検査を行った場合に該当する。

(2) 染色の有無及び方法の如何にかかわらず、また、これら各種の方法を2以上用いた場合であっても、1回として算定する。

特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱い「shinryou.pdf」をダウンロード

診療報酬の算定方法の制定等に伴う実施上の留意事項について「houysyuu.pdf」をダウンロード

でもこれって、殆ど全部ですよね?つまり、人工物以外はすることになりそうです。

うちもトレーニングが必要です。

写真は広州で行ったレストランの食材です。亀ですが普通の亀ではありません。さすが、食は広州にありと言ったものです。本当に美味しいのでしょうか?

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こんな症例もグラム染色で判断できる

こんな症例もあります。

外来でフォローしていた患者です。気管支拡張症を基礎に持っている患者で、外来フォローをしています。この時期ですが、インフルエンザを初めとしたウイルス性の呼吸器感染症が流行します。また、流行した後に喀痰が増えた、少し息苦しいなどの症状を訴えてこられるようですが、基礎疾患だけにやや増悪しそうな場合には、他院で抗菌薬を常用されている場合もあります。

中にはこんなスメアがあります。さて、どう考えれば良いのでしょうか? ちなみにSBTPCを1日2回服用している患者です。抗菌薬と起炎菌の関係は妥当でしょうか?また、経口での治療を継続する場合はどうしましよう?A-DROPスコアが3点として考えましょう。

ますは起炎菌をグラム染色から推測してみても良いでしょう。背景も読めますでしょうか?

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2008年3月11日 (火)

広州にて

皆さん只今でごじゃる。

JICAプロジェクトの一環で中国広東省の広州市へ行って参りました。

渡航する前と実際行ってみるのとはやはり違いますね。発展途上?と思い指導にあたると過去に苦い思い出をしたので、今回は色々と面白いエビデンスと自己検討データを絡み合わせて講演してきました。特に経済的損失を感染対策でどうリカバーするか?という内容で、中国国内ではあまり見ない検討内容だったようで好評のようでした。

臨床検査技師さんのレベルは日本と変わらないくらい高く、すでにCLSIのM100-S18(2008年版)があったのにはびっくりしました。ただ、問題点はそういったマニュアルやガイドラインは遵守するのですが、多くは科学的根拠の検証などしないまま自院へ導入しようとしていることです。本邦でも過去に同じような論議がされていたと思いますが、肝心なのは英字に識字率にあろうかと思います。それは日本も同じことだと振り返り思いました。

一応通訳は居ましたが、慣れない片言の中国語と汚い英語で対応してきました。自己紹介は少し長めに中国語でさせて貰いました。通じたようですが・・・。一番ネイティブだったのが夜の宴会で『青島:チンタオ』を頼んだ時だったようですが。問題は少し話しても聞き取れないことでしたが。

確認出来たことは、グラム染色が治療の妥当性を迅速に判断出来る検査だったということでした。グラム染色は万国共通語ですよね。でもグラム染色は中国語でどう書くのでしょうか?『具拉無染色』でしょうか?

写真は広州中心を流れる珠河という川です。高級ホテルのホワイトスワンでご飯食べた時に写しました。あとは、違う日に会食の材料を買い出しに行った時に勧められた具材です。さてなんでしょう?子供のころに良く田んぼで採りましたよね? 

そうです。ゲンゴロウです。本気で好好(美味しい)と言われましたが・・・・。

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2008年3月 5日 (水)

無念100点ならず、その次はの次

膿瘍はデブリして、洗浄を繰り返し、全身投与はABPC2gを6時間毎に始めました。廃膿も上手く行き、改善傾向にあったのですがCRPが下がらないという理由で抗菌薬の変更のコサルトありました。全身状態もさることながら、局所の状況は落ち着いているようです。

DMもありますし、溶連菌+後腹膜膿瘍になるので、経過はCRPで追わない方が良いんじゃないですか?と言いましたが、主治医はすでにCRP依存症です。確かに微小な炎症は残るのは当たり前と思っていますので、排膿を続けABPC投与で経過観察して下さいと言いました。一応気になるのであれば、もう一度膿瘍採取して下さい。と言いましたところ下記のようなスメアでした。どうでしょうか?菌はさすがに見えませんが、臨床に何てコメントしましょうか?

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2008年3月 3日 (月)

無念100点ならず、その次は

たぶん掲載されるころは、本国を離れているころでしょう。広州へ院内感染対策指導い行く事になりました。福原愛ちゃんの出る卓球に応援に駆けつけようと思いましたが、どうやら入れ違いで残念です。

さて、前回掲載した染色所見の症例です。http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/100_b297.html

皆さんも考えてください。

抗菌薬投与もスムーズに行き、解熱軽快したかに見えました。抗菌薬を減量していき2週間を目処にオフにしましたが、オフ後、3日くらい経過したらジワジワを炎症反応が上がってきて、CTを撮ると後腹膜に膿瘍形成を認めました。その時のスメアです。

皆さんどう回答しますか?また、1000倍の上に写る結晶?はどう解釈しましょう?培養発育するでしょうか?

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