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2008年2月 4日 (月)

繰り返す肺炎

この時期はインフルエンザが流行します。今年はAH1型(ソ連型)が流行しています。本来、流行始めはソ連型、大流行を起こ1-2月はAH3(香港型)が目立ちます。インフルエンザの流行に合わせて起きるのが細菌性肺炎ですが、特に肺炎球菌性肺炎は感冒が前駆症状に多いことがあるとの報告も多いです。最近は劇症型の報告例も増えてきていますが、米国では血清型の12型が劇症化するとの報告もあるようです。肺炎球菌のワクチンも、本邦では接種できるようになりましたが検出頻度の多い23価ワクチンになります。

今回のこの症例はどうでしょう?毎年、この時期になると入院される患者で、2年前に予防目的で肺炎球菌のワクチンも接種していますが、昨年も入院、今年も入院するくらいの肺炎になりました。DMも基礎疾患にあり、感染症のコントロールが少し難しい症例ですが、やはり喀痰塗抹でこのような像です。

少し、気になり調べてみましたが、分離された肺炎球菌の血清型は6A型。肺炎球菌の尿中抗原も陽性です。感染のコントロールは難しいのでしょうか?

やはり、塗抹は急ぐのでしょうか?毎年同じになるのは予測されています。じゃあ、尿中抗原などはもっと急ぐものでしょうか?疑問ばかりです。

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グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

楽しく拝見させていただいています。
よさそうな喀痰がとれていてG染色のやる気も起きますよね(笑)
肺炎球菌ワクチンをうっていて罹患率や重症化のリスクは下がっているかもしれませんが絶対的なものではないのは確かです。でも、肺炎球菌は肺炎の原因菌として第一に挙げられる菌ではありますが、インフルエンザ等の罹患後の黄ブ感染などもよくあり、その他の菌の可能性を考えた精査は必要かなと思います。
肺炎といっても重症から軽症な状態まで様々な状態がありますよね。COPD、DM、肝硬変、嚥下障害といった合併症の有る患者さんや感染を繰り返し抗菌薬での治療をよく受けている患者さんなどはほんとに喀痰の塗抹が抗菌薬決定に約に立ってます。尿中抗原も最初の菌のあるなしには役に立ってますが、塗抹は現在どんな菌(細胞内寄生細菌の可能性を含め)が原因として考えられるかという情報だけでなく、抗菌薬を始めた後の経過でその効果もみることができ、自分の治療に自身がもてます(笑)
いい喀痰をとるのが非常に難しいのも事実ですが・・・

投稿: yebisu | 2008年2月 5日 (火) 01時44分

yebisuさま
肺炎については話しても話切れないことがいくつもありますよね。良い喀痰は採れると思わないと採れないことが多いですよね。しっかりと患者に意識付けをすることも必要かもしれません。難しい話です。これは感染対策になるのでしょうかね?

肺炎球菌ワクチンですが、良く考えるとこの場合のvaccin failuerはどう考えるのでしょうかね?抗体測る訳でもないですし。
でも今回の事例はわざわざ血清型を記載した理由があるんですが、どう解釈しましょうか?現在の23価ワクチンの問題もありますし、7価ワクチンが早く接種できると少しは変わるんじゃないですか?
カラクリを見抜いて下さい。

投稿: 師範手前 | 2008年2月 5日 (火) 20時32分

肺炎球菌ワクチン23価摂取後の肺炎球菌罹患に関しては、①23価以外の莢膜を持つ肺炎球菌感染
②ワクチン接種後も有効な抗体価が獲得できなかった
③有効な抗体価獲得するも時間経過で消失している
といったことが考えられるのではないでしょうか?
今回の症例では血清型は6A型であり、23価ワクチンに含まれていないものであります。また、7価ワクチンにも6A型は含まれておらず、侵襲性の3、6A、7F そして特に 19Aの肺炎球菌血清型が広がっていることを危惧する報告もあります。19Aを含む13価結合ワクチンも開発中のようですね。
いずれにせよ、耐性化問題やワクチンでの予防といったことは今後の課題でもあり常に頭を悩ませるところです。

投稿: yebisu | 2008年2月 6日 (水) 19時29分

yebisuさま
非常に有用なコメントありがとうございます。(せっかく、凄く良いコメント頂いたので、コメント編集しました。申し訳ありません。)

ワクチンは打てばOKと思いガチですが、内容を把握しないとどえらい目になります。yebisuさまのいうような考えがしっかりと整理出来ていれば問題がないような気がします。
本当にありがとうございます。検査室に『なんで毎回なるんだろう?ワクチンもしているのに・・・』と相談することもあるでしょう。だとしたら、このような検討は必要かもしれませんね。

今回のカラクリと言いましょうか?ポイントですが

・肺炎球菌のワクチンを接種済み
・でも再燃する肺炎球菌性肺炎

になります。上気道に保菌しては、宿主状態が悪くなれば肺炎を起こすのでしょうね。

ただ、問題にしたいのが検出される血清型です。わざわざ検査をしましたが、6A型です。
6A型?と思われるでしょうが、23価ワクチンには6B型が入っていますが6A型ではありません。交差性は少しはあるようですが、やはりワクチン効果の無い血清型での感染は避けれないんでしょう。

yebisuさまのコメントにもありますが、最近は少し様変わりした血清型も登場してきています。先日の学会でも報告ありましたが、成人では12型多く検出されるといった傾向にあります。12型は非常に重症化するので本当に注意が必要ですね。
一部HPで掲載していますので、興味のある方がご覧あそばせ。
http://jslm2008.umin.jp/Figure4.jpg

投稿: 師範手前 | 2008年2月 6日 (水) 19時45分

23価肺炎球菌ワクチンは,侵襲性肺炎球菌感染症(いわゆる髄膜炎や敗血症)の罹患率を低下させますが,必ずしも肺炎を予防できるわけではない,といったものだったように思います.
とあるところからの引用では,"Pneumococcal vaccination protects against invasive disease including bacteremia and meningitis but, in most studies, does not prevent nonbacteremic pneumonia" ということです.
ですので,肺炎球菌ワクチンをうっても,肺炎球菌性肺炎を繰り返すのは,ある意味仕方ないことなのです.肺炎球菌ワクチンは,「肺炎を予防するワクチン」ではないのです.半分詐欺みたいですが.
こういった患者さんは,お孫さんとかと一緒に暮らされている(それで,もらっちゃう)ことも多いので,そのあたりへの配慮が必要だと思います.
なお,注意すべき血清型としては,私だけが主張していますが,"35B型"もよろしくお願いします...

投稿: ID conference管理人 | 2008年2月 9日 (土) 21時07分

ID conference管理人さま
コメントありがとうございます。35B型について少し解説願えれたら幸いです。
ワクチンは詐欺まがいのこともありますが、麻疹や水痘などの終生免疫的なワクチンとは大きく違うのは理論から言えば仕方のないことなのでしょうが?同じ言葉での解釈になるので誤解を招く恐れが多いですよね。確かに家族歴や集団生活歴などを検討する必要性が大きいと思います。

投稿: 師範手前 | 2008年2月11日 (月) 23時46分

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