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2008年1月 3日 (木)

新年明けましておめでとうございます

愛読家の皆様、今年も宜しくお願いします。

年末に掲載しようと思っていましたが、ドタバタしていたので掲載出来なかったスライドを見せたいと思います。

18歳男児。1週間前から頬部の痛みを感じていたようで、近医を受診しCFDNを数日服用したようです。一時軽快するも3日後に再発し、近医で『おたふく?』と言われ当院に紹介になりました。さすがに見た感じ『おたふく風邪?』の症例だったために一応CTも撮りましたが・・・、膿瘍形成がありました。穿刺した膿瘍はアンチョビ様の血性成分を伴うものでした。スメアを見ると複数菌居るようで、年末の最終近くの検体であったのと頬部膿瘍とコメント貰っていたので直ぐに返事しました。もちろん、スメアからペニシリンまたはβ-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリンが有効だと感じたからもあり、抗菌薬適正使用を考えてのこともあります(不明というか奇怪な症例にはカルバペネムをついつい使用してしまうケースも散見されるようなので。)。

電話で追加情報として聞いたことは『歯の噛み合わせ悪くないですか?歯は虫歯多くないでしょうか?』です。 ⇒悪いらしいです。

抗菌約カルバペネム+CLDMなんか通常初期治療には考えがたい症例でしょう。特に今回のように市中+18歳という組み合わせからは当然のことです。

どうでしょうか?スメアから感じ取れること、菌情報などありますか?

ちなみに私は観察不足もあり、50%しか正解しませんでした。残念です。ブログを良く見ている方なら出来ると思います。

考え方として

①グラム染色性(陽性か陰性か)⇒②菌の形状(特徴など)⇒③何菌種居るの?

自分のレベルごとに進んで行って下さい。

Photo ×400

Photo_2 ×1000(その1)

Photo_3 ×1000(その2)

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コメント

今年もよろしくお願いします。

さっそく症例に関してですが、1週間前から痛みがあって膿瘍形成があるわりにはスメアでみられる好中球の多くが新鮮だな、という印象です。
拡大スメアでは2種類の細菌の貪食像が見られると思います。一つ目はGPCで、染色性が不良ということと口腔内膿瘍ということから嫌気性Streptococcusかと思います。2つ目は長細いGNRで、central swellingは伴わないものの形態的にはFusobacteriumだろうと思います。

こういった症例でペニシリン単独というのはどれほど効果があるのでしょうか?βラクタマーゼ阻害剤入りでないとほとんどの嫌気性菌には効果が無いのではないかと思うのですが、実際にこの症例ではどのような抗菌薬の選択をして、どのような経過になったのでしょうか?
(なにぶん学生なもので、教科書的な知識が、実際の現場とどれほど整合性があり、もしくはかけ離れているかということが分からないのです)

投稿: highgear | 2008年1月 3日 (木) 09時11分

highgear さま
年始早々のコメントありがとうございます。

今回は少しひねっています。
細いGNRで、central swellingがない⇒Fusobacterium?

確かに紡錘形になっていますが・・・。
紡錘形になるのはFusobacteriumのみではないようです。少し染色性が悪い(悪過ぎる?)

Fusobacteriumであればβ-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリン(ABPC/SBTやCVA/AMPC)が良いようですが、確かにβ-ラクタマーゼ産生の嫌気性GNRはPrevotellaやPorphyomonasなどありますので、ペニシリン単独のものは効果ないかもしれませんね。Bacteroidesは少し違う(耐性機序が複雑)アプローチが必要ですので、分けて考えた方が良いかもしれません。

少しひねっています。

投稿: 師範手前 | 2008年1月 3日 (木) 12時11分

旧年中は本当にお世話になりありがとうございました。
本年も何卒、辛口でのご指導、ご教授お願いいたします。

さて、ご大変ご無沙汰いたしておりましたが、最近はとくにレベルが上がって来て、なかなかコメント難しく、出遅れてしまいました(反省)。

>18歳男児1週間前から頬部の痛みを感じていた近医でCFDNを数日服用、一時軽快するも3日後に再発。
CTも撮りましたが・・膿瘍形成がありました。

私もやはり、ブ非発酵菌やいわゆる院内感染関連菌などが除外出来るのであれば迷わずABPC/SBT、CVA/AMPCをお勧めします。
β-ラクタマーゼ産生の嫌気性GNRはPrevotella(bivia)やPorphyomonasなどありますのでペニシリン単独のものは効果ないかもしれませんね。

スメヤから考えられる菌としては、口腔内常在菌あたりが原因として考えられると思います。まずFusobacteriumは間違いないでしょう。それから形態からミレリグループおよびB,G群溶連菌などでしょうか。
CVA/AMPCも1:2程度で1:14までの高容量は耐性肺炎球菌狙いではないので必要なさそうですね。カルバペネム+CLDMはグラム染色からできれば使用してもらいたくないですね。
丹毒程度の膿瘍形成であれば、CLDMの使用も必要ないように思われる症例に思われました。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年1月 3日 (木) 13時14分

あけましておめてとうございます。
私事ながら、今年現在の病院を退職し、また細菌検査業務をしたいと考えております。
こちらのブログで色々と勉強させていただきたいと思います。
今年もよろしくお願い致します。

内容に全く関係なく申し訳ありません・・・

投稿: 彩純 | 2008年1月 3日 (木) 21時59分

>紡錘形になるのはFusobacteriumのみではないようです。

なるほど、紡錘形はFusobacteriumの専売特許かと思い込んでいました。他にあのような特異な形態をする細菌とは・・・・分かりません。

GPCに関しては、貪食されたものはなんとなく不染性で連鎖が短いと思われますが、こういった視点でミレリグループだろうと推測してよろしいのでしょうか?

すいません、少しひねられるともうさっぱり分かりません。ご教授お願いいたします。

投稿: highgear | 2008年1月 4日 (金) 07時00分

highgear さま
>GPCに関しては、貪食されたものはなんとなく不染性で連鎖が短いと思われますが、こういった視点でミレリグループだろうと推測してよろしいのでしょうか?

一概にそうとは言えませんがこの連鎖状に見える球菌ですが、ミレリであるのであればもう少し連鎖している球菌が多い(背景にも)像になりますので、今回はルールアウトできると思います。Fusobacteriumとミレリはあまり同一スメアで確認しませんね、そう言えば。

>紡錘形はFusobacteriumの専売特許
世の中と一緒で似た人は世界に2人居ると言います。専売とまではいきませんが、同様の形状をしている菌は実はあるんです。ヒントですが、Zoonosisで稀に問題になります。

投稿: 師範手前 | 2008年1月 5日 (土) 17時09分

彩純さま
おめでとうございます。本年も宜しくお願いします。
プー太郎ですか、細菌検査は意外にはまると面白いですよね。ただし、趣味にしないように心がける必要がありますよね。趣味は極めれば有意義ですが、興味のみで考えると患者さんが迷惑になる場合もありますよね。この辺の間を漂うのは難しい限りですが・・・。

投稿: 師範手前 | 2008年1月 5日 (土) 17時12分

倉敷太郎さま

>旧年中は本当にお世話になりありがとうございました。
本年も何卒、辛口でのご指導、ご教授お願いいたします。

辛口トークですか・・・。少し気を付けた方が良いかもしれませんが・・・、でも師範手前の身分道場主としては看板所って立ってるので少し、辛口の方が良いかもしれません。宜しくお付き合い下さい。

>最近はとくにレベルが上がって来て、なかなかコメント難しく、出遅れてしまいました

そうでしょうか。もう少し簡単な話題取り上げます。

投稿: 師範手前 | 2008年1月 5日 (土) 17時15分

師範手前さま、おつかれさまです。

>紡錘形で、Zoonosis
Capnocytophaga、わすれていました、まだまだです。

>もう少し簡単な話題取り上げます
いいえ、どんどん難しい症例もお願いします。
検査技師が弱いところの、臨床もいっぱい入れてください。

投稿: 倉敷太郎 | 2008年1月 9日 (水) 12時53分

倉敷太郎さま

>紡錘形で、Zoonosis
Capnocytophaga、わすれていました、まだまだです。

すごいお答えです。そうです。Capnocytophagaは忘れてはいけません。猫を飼っているようです。

投稿: 師範手前 | 2008年1月10日 (木) 20時11分

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