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2008年1月 8日 (火)

肛門周囲膿瘍

50歳男性です。痔核の悪化により肛門周囲膿瘍が出来て入院になりました。肛門周囲膿瘍ですが、皆さんの施設ではどのように採取されていますか?

①膿瘍なので穿刺して採取しケンキポーターなどに入れる

②嫌気培養可能なスワブに採取

③嫌気培養出来ないスワブに採取してしまっている

④特に何も考えていない

本来は膿瘍なので、切開して膿の部分を上手に採取もしくは針で穿刺が正確な採取方法になりますが、恐らく私の推測では上記の②をしている施設が殆どでしょう

たまに参考にしていますが、米国微生物学会発行のSpecimen Management Clinical Microbiologyには肛門周囲膿瘍のスワブ検体は不と記載されています。というのは正確な検査結果が得られない可能性が高い理由から来ているそうです。他には口腔表面の歯根膜部、褥創、火傷の創部をスワブで採取するとそれに当たるそうです。しっかりと組織や穿刺による検体が望まれるようです。

また、肛門周囲膿瘍のスメアはpolymicrobial patternが見られます。培養すると確かに好気性菌と嫌気性菌が多く検出されます。特にS.aureus、E.coli、B.fragilisなどが多いですが、嫌気性菌は好気性菌に比べ3倍も検出されるようです。JCM,11,1997,2974-2976.

スメアの結果急ぎますか?私は急がなくて良いと思いますが、以外に少ないですが溶連菌も出てくるようです。

この患者は発熱もあったので、血液培養も採取しましたがBifidobacterium spp.が検出されました。血液培養だけに直ぐに報告していますが、下部消化管由来と思われる膿瘍だけに腸内細菌フローラが検出されるのは当たり前かもしれません。でも、E.coliやClostridium spp.のようなビルレンスの高い菌が出た場合はもっと急ぐ必要があるかもしれません。肛門周囲膿瘍が起因になる敗血症の死亡率は20%程度と意外に高いそうです。

写真は肛門周囲膿瘍のグラム染色です。新旧の白血球が集まっています。

Photo ×200

Photo_2 ×1000

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