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2008年1月 5日 (土)

好中球の新鮮さ

スメアを見る際に、菌以外の背景・・・特に白血球(好中球)の状態をいつも強く主張しています。血管外に放出された白血球はアポトーシスによって直ぐに死んでしまいます。血管内に循環している白血球はわずか5000/μl程度ですが、体内にはその何倍もの白血球は産生されています。一度感染症を起こすと末梢の白血球数は増加し、また病巣部への遊走をする白血球も多く動員されます。

病巣部の白血球が新しい、古いなどが細胞質の辺縁が明確なもの、核が明瞭なものなどで少しは見極めることが可能だと思われます。それはグラム染色を見る場合にも同じ像として確認することが出来ます。

本日は急性腎盂腎炎で入院してきた患者(生来健康)ですが、血液検査で白血球数1500/μlでした。血圧低下も認めややショック症状を呈していましたが、白血球が下がっていました。ウロゼプシスを非常に強く疑う症例です。提出医より白血球分画について問合せあったので、目視しようと末梢血のスメアをメイ・ギムザ染色しました。好中球は非常に分節形状のものが多く、分節の数も多い状況で非常に活性化していることが示唆されました。提出医は左方移動を確認したかったのですが、思惑はずれです。確かに白血球数が異常に減少している最中なので左方移動が確認しにくくなっていると考えられるのでしょうか?少し専門外なので良く理解できませんが。

一緒にグラム染色をして菌が見えるか挑戦しましたが、やはり菌が少量なのか見えませんでした。でも白血球は以下のように見えました。ギムザと比べて大きさ(細胞質、核)が違うのが判りますよね。でも、核の状態などに大きな違いがなく見る事ができます。

つまり、血管内の白血球のグラム染色でも新鮮さが確認出来ますので、応用すれば病巣部分にある非常にアクティブな白血球の状況はグラム染色でも確認できることが判りますよね。

どうでしょう、皆さんどう感じますか?

Photo メイ・ギムザ染色

Photo_2 グラム染色

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コメント

本当にちょっと前までは、グラム染色は細菌を評価するためのもの、ギムザ染色は血球(もしくはマラリアなど)を評価するためのものという先入観がありました。今ではグラム染色でも細菌以外の評価もかなりできるということがわかり、しかもそれが臨床を考える上で有用だということが分かり、グラム染色の有効性をさらに痛感しています。

投稿: highgear | 2008年1月 6日 (日) 07時58分

まだ用いている人は少ないですが、後染色をパイフェル液(塩基性フクシン液の希釈液)でしているので細胞がある程度見れます。グラム染色液の中にはサフラニンを用いている場合がありますが、その場合は少し染色性が落ちますので注意して見て下さいね。highgearさまは学生なのにグラム染色しているのですか?良い学校ですね。

投稿: 師範手前 | 2008年1月 7日 (月) 20時17分

グラム染色自体はうちの大学では実習で全員が一度は体験しますが、私は特別に先生にお願いして1週間ほど集中的にグラム染色ばかりやっていたことがあります。当時はあまり知識も無く、見ている検体がどのような経過で採取されて、何を目的に検査されているのかなどを意識しないでただただ顕微鏡を覗き込んでいましたが、いろいろと知識が増えてくるにしたがって、臨床的コンテクストの中におけるグラム染色の重要性を感じております。

投稿: highgear | 2008年1月 8日 (火) 06時58分

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