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2008年1月23日 (水)

抗菌薬適正使用マニュアルの作成

今年に入り、ICTと看護部の方でマニュアル変更等を盛んにしています。殆どが更新事項で、抗菌薬適正使用の手引きについては2003年に作成して以来変更していませんでしたので、一部追加変更をしている途中です。De-escalation、high dose-short durationやPK/PDなどの新たな考えが加わり、適正な抗菌薬の使用が耐性菌発生の抑制になることは当たり前になってきました。抗MRSA薬もLZDの参入で、より強力なラインナップになってきました。本年には薬価の見直しもあり、LZDはより使いやすいお値段になってきます。なので、適正使用をちゃんとしてもらおうとするためにはマニュアルの整備はICTの仕事として必要なことでしょう。

MRSAは培養で出ていたからといって治療の対象にならないことが多く、膿汁などは良いのですが、喀痰から出た場合の捉え方はグラム染色所見に委ねられる場合もあります。その一つが貪食像の確認になってきます。

先日、こんな連絡がありました。『喀痰からMRSA出ているけど、起炎菌になりそうですか?』。検査室では良く耳にする言葉です。膿の場合には起炎菌の可能性が高いのですが、さすがに上気道は保菌も考えて抗MRSA薬の投与をするかどうか悩むところです。掲載のスライドですが、はっきり『保菌です』と言い切れたものです。患者はパーキンソンがありPEGの導入目的で一時入院されていました。当然栄養状態も悪く、MRSAに関しては持ち込みで、急に呼吸器症状が悪くなり少し悩んで先生は電話くれたようです。

みなさんはどう感じますか?

Mrsa ×400

Mrsa_2 ×1000

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コメント

GPCが見られますが、扁平上皮細胞がメインで好中球の存在、まして貪食像は見られないので、炎症の原因とはいえないと思います。私も保菌と考えてよいと思います。

投稿: highgear | 2008年1月23日 (水) 17時01分

highgearさま

>患者はパーキンソン、PEGの導入目的、当然栄養状態も悪く
呼吸器症状の悪化あり
highgearさまと同じです、菌交代のあとなのでしょうか、ほとんどブ菌のみで、炎症反応も見当たらずMRSAの保菌と考えます。

 呼吸器症状の悪化は栄養状態と関係があるのでしょうか?
 安全な栄養管理のためにも早くペグしてもらいたいですね。


投稿: 倉敷太郎 | 2008年1月24日 (木) 17時06分

highgearさま、倉敷太郎さま 早速のコメントありがとうございます。

highgearさまの言う通り上皮細胞成分が多く、白血球が少なく貪食が無いので保菌と考えられます。痰の質にも左右されますが、入院で喀痰採取に関してしっかりと介入出来ていれば問題ない事例でしょう。ただし、少数が曲者で、1つだけ貪食の白血球があった場合はどうしましょう?感染?
あれば、もっと他の視野を見渡せばあるはずです。しっかりと他も信じて確認することが大切ですが、どうしてもあるとしつこく見ると周りからKYと言われますので注意です。

倉敷太郎さんでは早く手術して退院する方が患者にとっても、現場にとっても良好なアウトカムが発生すると考えれます。呼吸器症状の悪化は栄養状態を直接反映している訳ではありませんが、経管栄養の場合は、誤嚥のリスクが上がること、カロリー接種が十分に反映出来ない場合もあることがあります。リンパ球の数も減っているでしょうし、間接的に感染リスクが上がります。ただ、栄養物の誤嚥いよる呼吸障害との鑑別は大切かな?と思います。

投稿: 師範手前 | 2008年1月24日 (木) 21時28分

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