少しお知らせを
再来週の26日、27日に第19回日本臨床微生物学会総会がタワーホール船橋で開催されます。http://jslm2008.umin.jp/
その中で『顕微鏡でみる感染症』というコーナーを企画しています。実際顕微鏡を置いて実習形式に鏡検してもらおうという企画です。ただし、今までの鏡検のみの閲覧とは少し形式が異なり、実際に塗抹鏡検をして患者より得られる感染症情報をどこまで引き出し、整理して感染症診療に役立つのか?考えようという一歩進んだ顕微鏡像の使い方を考える内容にしています。詳細を下記に掲載します。
1)皮膚・軟部組織疾患
①癩を見逃さない!ここがポイント ②結膜炎!?眼脂からの癩菌検出 ③かさぶたから破傷風 ④眼内炎?!グラム染色で推定出来たまさかの溶連菌 ⑤Mycobacterium haemophilum による皮膚膿瘍
2)膿瘍・閉鎖性材料
⑥Salmonella による脾膿瘍 ⑦播種性Mycoplasma hominis による播種性髄膜炎の一例 ⑧肺化膿症の判読~Streptococcus milleri groupと嫌気性菌の見分け方~
3)呼吸器材料
⑨インフルエンザ菌?いえ、百日咳 ⑩ジフテリア?いえ、ウルセランス ⑪こうして疑え!マイコプラズマ肺炎 ⑫グラムでよく染まる!推定困難であったレジオネラ肺炎 ⑬スエヒロタケによる肺真菌症
4)全身性発熱疾患
⑭Capnocytophaga canimorsus による髄膜炎 ⑮Neisseria elongataによる敗血症の一例 ⑯Helicobacter cinaedii 検出のコツ!
5)消化器材料
⑰だちょうの肉食べて下痢!腸管スピロヘータ ⑱サイクロスポーラ症の一例 ⑲グラム染色で見つけた肝吸虫卵
6)泌尿器・生殖器材料
⑳グラム染色で鑑別!放射性膀胱炎?腎盂腎炎? 21:髄膜炎菌による膣炎 -淋菌とはここが違う!-
また、有用な情報整理のための進んだグラム染色の見方について,レクチャー形式のプレゼンテーションを予定しています。臨床上極めて有用な興味ある症例を中心に,2 回に分けてプレゼンテーションしていただく予定にしています。
26 日:13:00~13:45 ベーシックレクチャー
①臨床医が求める塗抹検査のあり方 ②起因菌を決定する ③背景・菌叢をみる ④治療効果を見る
26日:18:00~18:45 症例解説1
⑤癩を見逃さない!ここがポイント ⑥こうして疑え!マイコプラズマ肺炎 ⑦グラム染色で鑑別!放射性膀胱炎?腎盂腎炎? ⑧ Capnocytophaga canimorsus による髄膜炎(⑧は諸事情により口頭プレゼンは中止になりました。変更後再度アップします)
27日:13:10~14:00 症例解説2
⑨肺化膿症に続発したMRSA 感染ミレリ菌の鑑別方法虎の巻 ⑩ Helicobacter cinaedii 検出のコツ! ⑪グラムでよく染まる!推定困難であったレジオネラ肺炎 ⑫感染症 菌が見えない? 発育しない? さあどうしよう
昨日、知人何人かとお話していましたが、マニアックかつプロフェッショナル魂をそそるような企画なので是非参加したいと言ってくれました。お時間のある方は覗きにきませんか?ただし、学会参加になりますが、¥5000(学会・非会員も同額です)です。
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コメント
どうも,続けて書き込みです.
師範手前様に,本学会でのレクチャーの機会をいただきました.テーマは「臨床医の求めるグラム染色のありかた」です.
なかなか同定できない難しい微生物をズバリと同定してやろう!という職人技ももちろん大事ですが,もっとコモンで迅速な治療が必要な感染症はたくさんあります.「グラム染色でそれが分かっていたんだったらもっと早く言ってくれたら良かったのに」ということも結構あります.
よりたくさんの患者さんを迅速に救えるグラム染色結果をどのように報告すべきか?ずばり「戦略的なグラム染色結果の報告の仕方」について,皆さんとお話し合いをしたいと思っています.
提示された症例は相当にマニアックですが,おそらく当日の私のお話は恐縮するほどベーシックです.
よろしくお願い申し上げます.
投稿: ID conference管理人 | 2008年1月15日 (火) 01時00分
ID conference管理人さま
コメントありがとうございます。当直平和そうで良かったですね。昨今救急診療に対しては非常に世の中過敏になっていますので。
今回は企画の段階で、日常良く見る感染症の起炎菌を判別できるポイント、症例に応じた見方などを企画しようと思いましたが、さすがに全国学会なので、そのベースを基本にして稀に見える症例も鑑別してやろうという企画へグレードアップしました。
ID conference管理人にはベーシックなレクチャーお願いしています。基本が理解出来なければ、応用は出来ませんのでしっかりとレクチャーお願いします。
投稿: 師範手前 | 2008年1月15日 (火) 18時33分