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2008年1月31日 (木)

さて、そのまた1週間後です。再燃?

さて、シリーズ3回目になりました。最初が胆汁のスメアhttp://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_aff4.html、2回目が血液培養のスメアhttp://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/post_5cd4.html。血液培養ですが、全ての菌が陽性になっているとは限りません。

 ①発育の早い菌が選択的に増殖し、陽性になる

 ②発育の早い菌がビルレンスが高い

 ③侵襲性のある菌が陽性になる

と考えることが出来るのでしょうか?

血液培養は何?と思われるでしょうが、菌の形態などから見ると腸内細菌で、最初の腸内細菌が検出されている可能性が高いと考えれます。これを腸内細菌かどうか判別するのは予後の関係もあるので迅速性がものをいうような気がします。

結局

  胆汁・・・ウェルシュ菌、肺炎桿菌、モルガネラ

  血液・・・肺炎桿菌

という結果になりました。

で、かなりショック症状もありIPM/CSを初期投与に使用していましたが、途中で評価しようとしていましたが、6日目に発熱が再燃し、胆管炎の再燃?と思い、ICTへコンサルトありました。

まず、胆汁を再度採取してもらい、胆管炎の再燃について検討しました。その時のスメアです。どうでしょうか?

はなしは全然代わりますが、昨日ローソンで購入した『スカシカシパン』食べました。http://www.lawson.co.jp/recommend/shokotan/index.html勿論菓子パンの方です。カスカスしたパン?って感じです。実物(ヒトデ)も見て見たいものです。職場の人に言ったらドン引きされました。キザウマウスと評されています。

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2008年1月30日 (水)

さて、続きです

前回のスメアですが、茶褐色のは胆汁です。便汁と見間違えても仕方ないです。あのように、少し微粒子でクラスター形成した無機物のような像になります。グラム染色でも有色になるのは、このように胆汁や塵埃になります。喀痰の炭粉は黒く染まるのでスモーカーかどうかの確認も出来ます。

長い陽性桿菌はクロストリディウムですが、芽胞はしっかりと確認出来ません。私たちの統計ではC. perfringensが多いです。C.perfringensはβラクタムに良好な感受性を示すことが知られています。グラム陰性桿菌は良く見ると2種類居ます。細いのとずんぐりむっくりしたもの。

細いのは何でしょう?これからはプロテウスかな?

ずんぐりむっくりのは何でしょう?これからは肺炎桿菌でしょうか?

さて、次の日に、同時採血していた血液培養が陽性になりました。このようなスメアです。

胆汁と少し違いますが、どうかんがえましょう?また菌は推測出来ますか?

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2008年1月29日 (火)

さて、今回は情報無く推測してみましょう

今日は少し趣向を変えての出題です。

このスメアは何の材料でしょうか?

ヒント?・・・グラム陽性の桿菌が特徴でしょうね?あとは、茶褐色の物質でしょうか?

材料が判れば、次は菌の推定、次いで疾患の推測です。

一度何の情報も無く材料が提出されたと過程して考えて見ましょう。

まさか、喀痰という人はおれへんやろ。往生しまっせ~!!

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2008年1月28日 (月)

大成功!! 顕微鏡(め)でみる感染症

土日は第19回日本臨床微生物学会総会に参加してきました。顕微鏡(め)でみる感染症の企画担当で準備段階からドキドキものでしたが、いざレクチャー・症例解説になるとわんさかと人が来てくれました。来場して下さった参加者の方々ありがとうございました。こんなにオタク家業の方が居られるなんて、私は普通なんだとひと安心しました(おい、そこかい・・・)。

顕微鏡は細菌検査をしていて最初に解る感染症情報だけに、日ごろ智徳している情報を整理して、一つ一つ掴んでいくと非常に良い情報が迅速・安価に得られることが皆さん理解できたと思います。これをきっかけにオタクならではの医療経済的な効果を与えてあげようではないですか。みなさん更なる精進を頑張りましょう。

最後に言いましたが、

臨床から頂いた情報をグラム染色を使い読み取るスライドから読み取れる情報を臨床医に伝える

ではないかと思います。良いネゴシエーションしましょう。

参加者の中で、私を『オタク・マニア』と絶賛!?される方もいらっしゃいましたが、私はID-CONFERENCE管理人さまの『グラム染色は大事だけど、表記するスペースが報告書全体の3%しかないのは、どうなんでしょう?』という感性に衝撃を受けました。まさにその通りです。http://idconference.cocolog-nifty.com/idconference/2008/01/post_e5b3.html

写真は当日参加者に配布したテキストの表紙です。非常にキレイなものに仕上がりました。関係者には本当に感謝です。謝謝。

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2008年1月25日 (金)

オランダの感染対策の話

昨日、HAICS研究会主催のオランダの感染対策の講演会に行ってきました。非常に関心することばかりで面白かったです。やはり、MRSA患者の発生率が2%以下というだけに制御は凄いかな?と思っていたのですが、意外に緩やかな気がしました。

関心した点というか、当院に足りなかった事項で組み込もうと思った事項に、入院時のカテゴリーを明確化することです。当院は、入院時(後)に発生した患者の感染リスクをカテゴリー化して、どのレベルでの感染対策が必要か決めれるシステムで運用しています。ただ、救急領域の持ち込みに関しては少し呑気な面もあったために、どうしようかね?と思っていました。

オランダですが

 カテゴリー1:MRSA確定者

 カテゴリー2:24時間以上、2ヶ月以下の外国での入院歴がある、もしくは24時間以内に カテーテルなどの処置をした人、開放性の膿汁がある人

 カテゴリー3:外来の透析患者

 カテゴリー4:危険因子なし

で、入院時にどのような感染対策をするか分けているようです。ただし、入院時にはスクリーニング培養を必ずするそうです。

上記の事項で例を上げると

 経管栄養をしている⇒カテゴリー3

 医療従事者⇒カテゴリー4(日本は3くらい)

になるようです。

元々、オランダ自体にMRSAが居ないので、医療従事者も居ないようです。医療従事者の場合は居たら直ぐ除菌、除菌出来ないと出勤停止だそうです。MRSA蔓延国の日本とは大きく違う点です。

面白いのは、人に居ないので、今度は家畜が対象になってきて、家畜関係の獣医などはカテゴリー2だそうです。大変ですね。日本人自体カテゴリー2になりそうです。

質問も多く寄せられましたが、勇気絞れず発言出来ませんでしたが、MRSAのスクリーニング培養が終わるまで個室から出れない場合もあると言われていましたが、4-5日も結果を待つようです。当院は24時間で白黒付けるのですが、進んでいるオランダらしからぬことを言っていました。

忘れていましたが、オランダは確かHIV感染防止に失敗しかけたと聞いています。それは、麻薬の注射器をリユース&回し打ちしていたという理由です。今は法律も改正になり、麻薬は合法だそうです。そういう理由から、近隣のMRSAの罹患率の高い国からの移入もあり、制御上問題になっていることもあるようです。麻薬と売春は合法だそうです。驚くべき理由です。

じゃあ、ひどい褥創のグラム染色でこんなん見えたらカテゴリー1になるのでしょうか?これで判るのもグラム染色の有用性かもしれません。

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2008年1月24日 (木)

顕微鏡でみる感染症の見方

今週の第19回日本臨床微生物学会総会http://jslm2008.umin.jp/ですが、顕微鏡でみる感染症のコーナーをしています。時間があれば覗いてください。

このコーナーは単に、グラム染色を見るだけでは終わらせません。その菌がどういう状況で検出され、今後どうしないといけないか?など診療に役立つための少し進んだグラム染色のコーナーです。

え?良く判らないという方に、この会場の回り方、グラム染色の考え方を少しポイントを抑え解説したので掲載します。(これでも判らないかも・・・)

参考にして下さい。また質問等も多いに結構です。来たれチャレンジャー!!! 元気があれば、グラム染色が出来る。何菌ですかっ~~~!!!

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2008年1月23日 (水)

抗菌薬適正使用マニュアルの作成

今年に入り、ICTと看護部の方でマニュアル変更等を盛んにしています。殆どが更新事項で、抗菌薬適正使用の手引きについては2003年に作成して以来変更していませんでしたので、一部追加変更をしている途中です。De-escalation、high dose-short durationやPK/PDなどの新たな考えが加わり、適正な抗菌薬の使用が耐性菌発生の抑制になることは当たり前になってきました。抗MRSA薬もLZDの参入で、より強力なラインナップになってきました。本年には薬価の見直しもあり、LZDはより使いやすいお値段になってきます。なので、適正使用をちゃんとしてもらおうとするためにはマニュアルの整備はICTの仕事として必要なことでしょう。

MRSAは培養で出ていたからといって治療の対象にならないことが多く、膿汁などは良いのですが、喀痰から出た場合の捉え方はグラム染色所見に委ねられる場合もあります。その一つが貪食像の確認になってきます。

先日、こんな連絡がありました。『喀痰からMRSA出ているけど、起炎菌になりそうですか?』。検査室では良く耳にする言葉です。膿の場合には起炎菌の可能性が高いのですが、さすがに上気道は保菌も考えて抗MRSA薬の投与をするかどうか悩むところです。掲載のスライドですが、はっきり『保菌です』と言い切れたものです。患者はパーキンソンがありPEGの導入目的で一時入院されていました。当然栄養状態も悪く、MRSAに関しては持ち込みで、急に呼吸器症状が悪くなり少し悩んで先生は電話くれたようです。

みなさんはどう感じますか?

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2008年1月21日 (月)

吸引痰もちゃんと採れてますか?

喀痰の材料評価は皆さんの施設で良くしているとは思いますが、吸引痰の評価はどうしていますか?検査室の方もどうですか?吸引痰に関しては臨床でも医師や看護師さんが採取していると思いますが、全てが上手く採取できる訳ではありません。吸引は上手くいかないと塗抹検査の評価解釈もしにくくなると思いませんか?

単に誤嚥性肺炎のみだと良いのですが、この時期肺炎球菌性肺炎を合併することも多く、尿中抗原ばかりに頼ると酷い目に合うこともあるかと思います。呼吸状態が悪く吸引しか出来ない患者にも、しっかり採れているか提出する前に、確認してもらうのと、結果解釈時に考えるようにしましょう。少し解説を掲載しておきますがjpgにしたら汚くなりました。ご勘弁を。

これは今週から始まる臨床微生物学会の別冊に掲載しています。もう少しキレイだと思います。よかったら参加してくださいね。Photo 

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2008年1月17日 (木)

VPシャント部の感染

ずっと前になりますが、こんな髄膜炎ありました。SAH(subarachnoid hemorrhageの患者で、術後にシャント管理になりました。退院して暫くして様子が変になり、再入院してきました。VPシャントの感染のようです。

主に、腸内細菌、腸球菌、緑膿菌などの感染が多いと思いますが、今回は一味違う菌でした。スメア掲載しておきます。

形状を良く観察して下さいね。まずは、属レベルまで行えば問題ないでしょう。出来なければ腸内細菌群かブドウ糖非発酵菌群かでも違いますね。

それが決まれば抗菌薬選択の幅が広がりそうです。

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2008年1月16日 (水)

発熱、下痢、下腹部痛・・・・そしてキノロン

先日こんな症例がありました。

76歳男性。主訴は発熱、下痢、下腹部痛、血便。この時期なんで、下痢=ノロという考えもありますが、この患者さんは下腹部痛が酷いのに併せて1週間前から胃腸炎で近医に受診していたようです。近医で処方を受けたのは、胃腸炎なんでLVFX。3日後に症状悪化してセカンドオピニオンがありました。抗菌薬投与後⇒下痢が酷くなる⇒粘血便という相談にて外来で偽膜性腸炎を疑うとのことでした。腹部エコーでも大腸全般に浮腫性病変を認めたようです。

私は、粘血便なので、キノロンの著効しないキャンピロも考えないと・・・と思い、染色するとこんな像です。確かに白血球が多いのや、腸粘膜上皮?と思しき細胞の剥離がありました。粘血便+白血球=サルモネラ、キャンピロ、赤痢+αと絞り、依頼もあったこともあり、一応+αのCDトキシンの検査をしました。昨年販売されたB型まで検出できるキットを使用して検査を実施しましたが、残念ながら陰性。グラム染色の結果を待っていた主治医に『グラム染色上は白血球が多数見えるので、下部消化管の感染菌、例えば粘血便なのでキャンピロも疑わしいですよ・・・。毒素は陰性ですが偽膜性腸炎も可能性は残りますがね・・・。あと、グラム陽性のレンサ球菌の貪食もあり、もしかして溶連菌も出るかも?、どちらにしても培養待ちでしょう。』とお話しました。期待していたコメントだったのでしょうか?

その後、患者さんは緊急でCFを実施すると、主治医は『やっぱり』という感じだったのでしょうか?直ぐに細菌室に電話があり、『びっちりと偽膜ありました。ありがとうございました』と。お役に立てなくて申し訳なかったかと思い、わずかに在庫していた旧のA型のみ検出出来るCDトキシン検査キットをすると、速攻陽性ラインが・・・。『げげっ』と思い、主治医に『旧キットでA型陽性でした。』と解離した理由とともにお話しました。グラム染色で見えていた陽性球菌の貪食は(仮説)

偽膜形成⇒粘膜の破壊⇒基底膜の暴露⇒常在菌(腸球菌)の貪食

に感じました。誤嚥性肺炎の応用だと感じた一瞬です。次回の糧にしたいと思います。

キットが解離した理由は何と説明したら良いでしょうか?皆さんで考えてください。一応、こちらは納得の行く内容を説明出来たかと感じてます。

補足ですが、ポイントは

①キットの原理 ②キットの感度 になります。

新しいキットで期待しているだけにショックな症例です。

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2008年1月15日 (火)

ワンサン・アンギーナ(Vincent's angina)

グラム染色をルチンで見ていると下記のようなスメアに出会うこともあります。主症状は咽頭痛や舌炎などがコメントとして添付されてくることが多く、材料は殆ど扁桃部膿瘍や咽頭粘液になります。

さすがに、細菌検査を始めて間もない方が見るとびっくりする場合もあります。それはそうでしょう。キャンピロバクターが大きくなった螺旋桿菌が多数見えます。

一応コメントとして『ワンサン・アンギーナ?』と付けて返しますが、全くと言って良いほど臨床からの反応がありません。ワンサン・アンギーナ?って国試レベルでの事項になり、覚えている人は少ない事項なのでしょうか?扁桃周囲の膿瘍や白苔がべっとり付着し、咽頭偽膜のような感じですが、一部脱落したような症状を呈するようです。

ワンサンはフランスの医師(1862-1950)の名前が付いています。それと、スピロヘータ(Borrelia vincinti)と紡錘菌により起こる疾患と記載があるくらいで詳しいことは書かれていません。難しい限りであります。

ただ、スピロヘータが見えるので梅毒の否定だけはしないといけないのかな?とも思い、螺旋の回数を数えたりします。梅毒トレポネーマは8回程度の螺旋回数だそうです。見えているのは恐らく常在菌だと思いますが、たまに糞便からも見えますよね。

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2008年1月12日 (土)

少しお知らせを

再来週の26日、27日に第19回日本臨床微生物学会総会がタワーホール船橋で開催されます。http://jslm2008.umin.jp/

その中で『顕微鏡でみる感染症』というコーナーを企画しています。実際顕微鏡を置いて実習形式に鏡検してもらおうという企画です。ただし、今までの鏡検のみの閲覧とは少し形式が異なり、実際に塗抹鏡検をして患者より得られる感染症情報をどこまで引き出し、整理して感染症診療に役立つのか?考えようという一歩進んだ顕微鏡像の使い方を考える内容にしています。詳細を下記に掲載します。

1)皮膚・軟部組織疾患

①癩を見逃さない!ここがポイント ②結膜炎!?眼脂からの癩菌検出 ③かさぶたから破傷風 ④眼内炎?!グラム染色で推定出来たまさかの溶連菌 ⑤Mycobacterium haemophilum による皮膚膿瘍

2)膿瘍・閉鎖性材料

⑥Salmonella による脾膿瘍 ⑦播種性Mycoplasma hominis による播種性髄膜炎の一例 ⑧肺化膿症の判読~Streptococcus milleri groupと嫌気性菌の見分け方~

3)呼吸器材料

⑨インフルエンザ菌?いえ、百日咳 ⑩ジフテリア?いえ、ウルセランス ⑪こうして疑え!マイコプラズマ肺炎 ⑫グラムでよく染まる!推定困難であったレジオネラ肺炎 ⑬スエヒロタケによる肺真菌症

4)全身性発熱疾患

⑭Capnocytophaga canimorsus による髄膜炎 ⑮Neisseria elongataによる敗血症の一例 ⑯Helicobacter cinaedii 検出のコツ!

5)消化器材料

⑰だちょうの肉食べて下痢!腸管スピロヘータ ⑱サイクロスポーラ症の一例 ⑲グラム染色で見つけた肝吸虫卵

6)泌尿器・生殖器材料

⑳グラム染色で鑑別!放射性膀胱炎?腎盂腎炎? 21:髄膜炎菌による膣炎 -淋菌とはここが違う!-

また、有用な情報整理のための進んだグラム染色の見方について,レクチャー形式のプレゼンテーションを予定しています。臨床上極めて有用な興味ある症例を中心に,2 回に分けてプレゼンテーションしていただく予定にしています。

26 日:13:00~13:45 ベーシックレクチャー
①臨床医が求める塗抹検査のあり方  ②起因菌を決定する ③背景・菌叢をみる ④治療効果を見る

26日:18:00~18:45 症例解説1

⑤癩を見逃さない!ここがポイント ⑥こうして疑え!マイコプラズマ肺炎  ⑦グラム染色で鑑別!放射性膀胱炎?腎盂腎炎? ⑧ Capnocytophaga canimorsus による髄膜炎(⑧は諸事情により口頭プレゼンは中止になりました。変更後再度アップします)

27日:13:10~14:00 症例解説2
⑨肺化膿症に続発したMRSA 感染ミレリ菌の鑑別方法虎の巻 ⑩ Helicobacter cinaedii 検出のコツ! ⑪グラムでよく染まる!推定困難であったレジオネラ肺炎 ⑫感染症 菌が見えない? 発育しない? さあどうしよう

昨日、知人何人かとお話していましたが、マニアックかつプロフェッショナルをそそるような企画なので是非参加したいと言ってくれました。お時間のある方は覗きにきませんか?ただし、学会参加になりますが、¥5000(学会・非会員も同額です)です。

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2008年1月10日 (木)

肛門周囲膿瘍その後

先日の肛門周囲膿瘍の続きです。

結局出てきた菌は

①β溶連菌(型別不能) ミレリ?

②Enterococcus faecium

③Bacillus cereus

④E. coli βラクラマーゼ陰性

嫌気性菌も分離されるのかと、予測しましたが結局無くというか、検出がちゃんと出来ませんでした。培養法の限界かもしれません。理屈でいくと、4菌種×3倍として12菌種になります。臨床的にどうなんでしょうか?確かにBacteroidesやClostridiumが検出されれば臨床的意義は高いと思いますがね。

その後、膿瘍は小さくなるも、初めが大きすぎたせいか中々外来治療までには少し遠いです。排膿もしっかりとコントロール出来ていますが。

これは3日目のスメアです。IPM投与しているのですが、このように新鮮な白血球と菌が居ますが初日に比べてやや少なくなっています。やはり排膿です。

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2008年1月 8日 (火)

肛門周囲膿瘍

50歳男性です。痔核の悪化により肛門周囲膿瘍が出来て入院になりました。肛門周囲膿瘍ですが、皆さんの施設ではどのように採取されていますか?

①膿瘍なので穿刺して採取しケンキポーターなどに入れる

②嫌気培養可能なスワブに採取

③嫌気培養出来ないスワブに採取してしまっている

④特に何も考えていない

本来は膿瘍なので、切開して膿の部分を上手に採取もしくは針で穿刺が正確な採取方法になりますが、恐らく私の推測では上記の②をしている施設が殆どでしょう

たまに参考にしていますが、米国微生物学会発行のSpecimen Management Clinical Microbiologyには肛門周囲膿瘍のスワブ検体は不と記載されています。というのは正確な検査結果が得られない可能性が高い理由から来ているそうです。他には口腔表面の歯根膜部、褥創、火傷の創部をスワブで採取するとそれに当たるそうです。しっかりと組織や穿刺による検体が望まれるようです。

また、肛門周囲膿瘍のスメアはpolymicrobial patternが見られます。培養すると確かに好気性菌と嫌気性菌が多く検出されます。特にS.aureus、E.coli、B.fragilisなどが多いですが、嫌気性菌は好気性菌に比べ3倍も検出されるようです。JCM,11,1997,2974-2976.

スメアの結果急ぎますか?私は急がなくて良いと思いますが、以外に少ないですが溶連菌も出てくるようです。

この患者は発熱もあったので、血液培養も採取しましたがBifidobacterium spp.が検出されました。血液培養だけに直ぐに報告していますが、下部消化管由来と思われる膿瘍だけに腸内細菌フローラが検出されるのは当たり前かもしれません。でも、E.coliやClostridium spp.のようなビルレンスの高い菌が出た場合はもっと急ぐ必要があるかもしれません。肛門周囲膿瘍が起因になる敗血症の死亡率は20%程度と意外に高いそうです。

写真は肛門周囲膿瘍のグラム染色です。新旧の白血球が集まっています。

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2008年1月 5日 (土)

好中球の新鮮さ

スメアを見る際に、菌以外の背景・・・特に白血球(好中球)の状態をいつも強く主張しています。血管外に放出された白血球はアポトーシスによって直ぐに死んでしまいます。血管内に循環している白血球はわずか5000/μl程度ですが、体内にはその何倍もの白血球は産生されています。一度感染症を起こすと末梢の白血球数は増加し、また病巣部への遊走をする白血球も多く動員されます。

病巣部の白血球が新しい、古いなどが細胞質の辺縁が明確なもの、核が明瞭なものなどで少しは見極めることが可能だと思われます。それはグラム染色を見る場合にも同じ像として確認することが出来ます。

本日は急性腎盂腎炎で入院してきた患者(生来健康)ですが、血液検査で白血球数1500/μlでした。血圧低下も認めややショック症状を呈していましたが、白血球が下がっていました。ウロゼプシスを非常に強く疑う症例です。提出医より白血球分画について問合せあったので、目視しようと末梢血のスメアをメイ・ギムザ染色しました。好中球は非常に分節形状のものが多く、分節の数も多い状況で非常に活性化していることが示唆されました。提出医は左方移動を確認したかったのですが、思惑はずれです。確かに白血球数が異常に減少している最中なので左方移動が確認しにくくなっていると考えられるのでしょうか?少し専門外なので良く理解できませんが。

一緒にグラム染色をして菌が見えるか挑戦しましたが、やはり菌が少量なのか見えませんでした。でも白血球は以下のように見えました。ギムザと比べて大きさ(細胞質、核)が違うのが判りますよね。でも、核の状態などに大きな違いがなく見る事ができます。

つまり、血管内の白血球のグラム染色でも新鮮さが確認出来ますので、応用すれば病巣部分にある非常にアクティブな白血球の状況はグラム染色でも確認できることが判りますよね。

どうでしょう、皆さんどう感じますか?

Photo メイ・ギムザ染色

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2008年1月 4日 (金)

本日から仕事初めになります

年末年始の当直時間中にこんな症例が来ました。

37歳男性。お尻に出来物みたいな腫れ物が出来て痛い。

ずるっとズボンを下げて見るとお尻が赤く腫れあがっているではないですか?

臀部の蜂窩織炎を疑い膿瘍を穿刺して排膿しました。ドロっとした膿が引けてきましたが臭いはありません。DMもなく生来健康です。

スメアから推定したのが

①黄色ぶどう球菌

②B群溶連菌

です。

感じたことは①に関しては膿瘍がしっかりと形成されていたが、ぶどうの房が少ないのが変?だったので②のB群溶連菌の可能性大。

お尻やそけい部の膿瘍の場合は意外に多いですよね。

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2008年1月 3日 (木)

新年明けましておめでとうございます

愛読家の皆様、今年も宜しくお願いします。

年末に掲載しようと思っていましたが、ドタバタしていたので掲載出来なかったスライドを見せたいと思います。

18歳男児。1週間前から頬部の痛みを感じていたようで、近医を受診しCFDNを数日服用したようです。一時軽快するも3日後に再発し、近医で『おたふく?』と言われ当院に紹介になりました。さすがに見た感じ『おたふく風邪?』の症例だったために一応CTも撮りましたが・・・、膿瘍形成がありました。穿刺した膿瘍はアンチョビ様の血性成分を伴うものでした。スメアを見ると複数菌居るようで、年末の最終近くの検体であったのと頬部膿瘍とコメント貰っていたので直ぐに返事しました。もちろん、スメアからペニシリンまたはβ-ラクタマーゼ阻害剤配合ペニシリンが有効だと感じたからもあり、抗菌薬適正使用を考えてのこともあります(不明というか奇怪な症例にはカルバペネムをついつい使用してしまうケースも散見されるようなので。)。

電話で追加情報として聞いたことは『歯の噛み合わせ悪くないですか?歯は虫歯多くないでしょうか?』です。 ⇒悪いらしいです。

抗菌約カルバペネム+CLDMなんか通常初期治療には考えがたい症例でしょう。特に今回のように市中+18歳という組み合わせからは当然のことです。

どうでしょうか?スメアから感じ取れること、菌情報などありますか?

ちなみに私は観察不足もあり、50%しか正解しませんでした。残念です。ブログを良く見ている方なら出来ると思います。

考え方として

①グラム染色性(陽性か陰性か)⇒②菌の形状(特徴など)⇒③何菌種居るの?

自分のレベルごとに進んで行って下さい。

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