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2007年12月17日 (月)

アクトヒブ

先日、青木眞先生のブログを拝見していましたが、Hibワクチンについての記載がありました。コピペ歓迎と書かれていたので、お言葉に甘えコピペします。http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/0e0191ebcffc0a7e4e57da2e5ef48304

丁度タイムリーにも、アップデートされた前日に10ヶ月の子供でHibの髄膜炎患者が入院になりました。写真掲載しておきます。

10ヶ月の小児で、好中球多数+グラム陰性桿菌=インフルエンザ菌?と考えますが、少し写真見ながら考えてください。『この菌は本当にインフルエンザ菌?』と思うでしょう。追加でラテックスなどしていれば確信的になるのでしょうが、無い施設はどうするか・・・。

インフルエンザ菌は短桿菌という風に学生時分には修学したかと思いますが、テキストの済みにはしっかりと『多形成』と記載されているのを見逃してませんか?そうなんです。インフルエンザ菌は長い菌、短い菌が混在して、薄い染色性のあるか細い陰性桿菌が多数見られます。特徴を逃さず把握できればインフルエンザ菌の信憑性が更にアップします。もう、培養を待つなんて、髄膜炎症例に関してはナンセンスでしょう。それには、細菌検査の院内実施は必須でしょうね。ありがたや。

ところで、インフルエンザのシーズンになるとインフルエンザ菌の分離率が急激に上がり、髄膜炎を起こす患者も多くなるように見受けれます。2008年度からは任意ですが、Hibワクチンの接種が可能になるというのに、今回は『1年遅かったら・・・』と思われる症例でした。

Hibに関しては出た患者の周囲も菌検索を行い除菌するなどのアクションも必要ですし、保育所などの集団生活を実施している施設でも介入が必要な場合もあります。

また、肺炎球菌ほどではありませんが、20%近く後遺症が残る疾患です。

後遺症は、2004年に生方先生がまとめたデータでは①運動機能障害②脳萎縮③硬膜下膿瘍④水頭症⑤聴力障害など多彩です。小児聴検も何人か立会いましたが、後遺症が残るのを見ているといたたまれません。早期発見、早期治療に向けて全速力しているのですが残念です。

そう言えば、先日のNEJM Volume 357:2431-2440.に『細菌性髄膜炎とデキサメサゾン』について掲載ありました。興味がある方がご参照下さい。http://content.nejm.org/cgi/content/full/357/24/2431

Hib 短いの(×1000)

Hib_2 長いの(×1000)

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