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2007年12月12日 (水)

Nutritionally Deficient Streptococci

『Nutritionally Deficient Streptococci』・・・なんじゃらほい?と思われる方もいらっしゃいますが和文解釈しますと『発育要求性の悪い連鎖球菌』になります。臨床の先生は『連鎖球菌って発育が悪い菌て、学生時分に聞いたが、何?』とか『発育要求が悪いいって何?』など思われるだろうと思います。

写真は先日検出されたNutritionally Deficient Streptococciの中の『Abiotrophia defectiva』です。塗抹じゃ、さすがに判りませんが、通常のViridans group Streotococcusとは少し染色性が悪いので、気が効く人は、『なんか変?』と思うでしょう。⇒Viridansはここ http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_0eb3.html

検査室では、血液培養陽性のサブカルチャー(寒天に分離する行為)をする場合、塗抹で連鎖球菌が見えた場合は、血液寒天(通常ヒツジの洗浄血)を使用して分離することが多いです。菌の目的はViridans groupかβ-haemolyticのStreptococcusの分離目的にしているからです。このNutritionally Deficient Streptococciは通常の血液寒天にはL-システインやビタミンB6が少ないために、前述した普通に分離される連鎖球菌のような発育が出来ないために発育要求が悪いと称されています。

簡単な特徴としては、塗抹で連鎖球菌+血液寒天にて殆ど発育しない+チョコレート寒天には発育している=Nutritionally Deficient Streptococci?と推測できます。なので心内膜炎が判っている場合などは、血液寒天に加え、チョコレート寒天を追加することがお勧めです。

少し文献的な考察をしてみましょう。Abiotrophiaは

①連鎖球菌性の感染性心内膜炎のうちの5-6%を占める

②通常の血液培養で2-3日で陽性になる

③腸球菌や通常の連鎖球菌より予後が悪い

④30%以上の株で、PCGのMICが0.1μg/mlを超える(⇒ペニシリンの単独療法はしない方が良い。GMの併用)

⑤人工弁では10%程度しか分離されない(自然弁が多い)

⑥塗抹では、まれにブドウ状に観察される(ぶどう球菌と間違わないように)

などです。

治療に関して詳しく知りたい方、もっとオタク度を深めたいかた文献検索して下さい。

私の感染対策に関する参考文献はいつも以下のものを参照しています。

Circulation. 2005;111:e394-e434.

JAC. 2004;54:971-981.

CMR. 2001;14:177-207

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