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2007年12月31日 (月)

今年一年ありがとうございました

本年も今日で終りです。3月から始めたブログですが、年を越せるようになったのも愛好家の方(オタク稼業の方?)の応援のお陰と思っています。また来年も宜しくお願いします。

話しは変わりますが、昨日病院から連絡頂きました。『病棟の忘年会でノロの集団発生があった』とのことでした。生牡蠣を忘年会で出したそうですが、少し医療従事者とも思われない状況だったと思います。患者のことを考えてあえて食べなかった職員もいるようです。昨日は休日にも関わらず病棟の状況、職員の配置・対応上の問題点などをピックアップして細かく対応しました。暫くは患者に接する場合は全て手袋着用になります。栄養科は生食を控えさえもらっているのに恥ずかしい話です。嗜好の問題なので食べるなとは言いませんが、悪いアウトカムも生じることを考えましょう。ちなみに私は牡蠣は嫌い(柿も)です、生肉も嫌いです。良かったかどうかは判りませんが当たる事は少ないです。

スメア追加しました。先日見えた関節液のピロリン酸の結晶です。⇒偽通風

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2007年12月27日 (木)

難治性の慢性中耳炎

たまにこんな症例を見かけます。難治性の中耳炎です。皆さん非常に困ると思います。

テキストを開いてみると、肺炎球菌やインフルエンザ菌のことが多く書かれていると思います。確かに急性中耳炎の場合には多い菌ですが、遷延する場合など緑膿菌を初めとするグラム陰性桿菌が多いと思います。特に耐性が強い場合はどうしようもありませんし、キノロン耐性であればそれこそ治療の幅が狭くなります。

セフェム?・・・・耐性は多い

アミノグリコシド・・・・耳鼻科領域では使い難い

などなどです。

写真は慢性中耳炎です。菌は判りますか?難しいでしょう。本当にこの菌が出た場合は難治難治です。ヒントはSTやMINOが感受性ですが、その他は耐性です。

そういった場合は消毒薬に頼るしかないと思います。

 ①オキシドール

 ②3%酢酸

 ③3%酢酸アルミニウム

問題になるのはこの菌含め、MRSAもそうですね。あとは苦肉の策でFOMやCAMなどのバイオフィルム対策でしょうか?

写真掲載しておきますね。

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2007年12月25日 (火)

お前はもう死んでいる。あたたたたた・・・・・・

個人的な話になりますが、金曜日は部内忘年会でした。

一つ出し物をしました。ガリレオを文字ってガリレ○←名前入ります。

したものは電気クラゲ(静電気で浮くビニール)、液体の有体離脱、火を使わないポップコーンの作り方の3つです。少しガリレオ風に台本作りしましたが、別のグループがラララライ体操をしたので優勝は逃しました。残念です。そんなの関係ねえをすれば優勝だったのでしょうか?

ところで、先日の腸腰筋膿瘍でhighgearさんが抗菌薬の作用と記載されていましたが、本日ABPC/SBT投与後の喀痰所見がありましたので掲載しておきます。

面白いことにグラム陰性桿菌ですが、中央が抗菌薬の作用で膨らんでいますFusobacteriumの一部でもこのような像が見られますが、陰性の染色性や均一な菌体などから腸内細菌にペニシリンが作用した像が示唆されます。ペニシリンはPBP2bに親和性が高く、その次はPBP2になります。第一段階でこのような真ん中の膨らんだ分裂が阻止された像が見えます。面白いので掲載しました。この後は延伸して、破裂するのでしょうね。北斗神拳思い出しました。

嫌気性菌との区別は熟れないと、難しいかもしれません。

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2007年12月22日 (土)

腸腰菌膿瘍

本日は神戸西ブロックの薬学研修会で講演してきました。年末、しかもクリスマスイブ直前にも関わらず150名くらいの方が来られていました。非常に熱心極まりないと思いました。敬服します。

調剤薬局に勤務されている薬剤師さんが中心だったので、『抗菌薬使用時のポイント ~日常の疑問に応えましょう~』という内容で行いました。日常ICT活動を通して頂いている抗菌薬使用についての疑問難問などをまとめて紹介しました。特に調剤薬局さんなどは、依頼を頂いたまんまに処方するので、施設間の違い、診療科の違いなど疑問が多いと思います。

例:市中肺炎でLVFXを分3と分2と分1で処方されている現場の考え方

●300mg/分3/日⇒添付文章どおり

●400mg/分2/日⇒レスピラトリーキノロンを意識したPK/PDを考慮した用量用法

●400mg/分1/日⇒玄人好みのPK/PDを考慮した用量用法

解り易かったとお世辞も頂きました。世話人の方本当にありがとうございました。解消できたでしょうかね??

ところで、本日は奇怪な症例です。

『腸腰筋膿瘍』ですが、尿路や消化器に瘻孔などの交通もなく、菌血症になっていない症例(つまり、侵入門戸が不明)。

腸腰筋膿瘍の場合は、尿路や消化器に腫瘍性病変や感染性疾患、カテ感染のある場合の合併症として発生すると良く聞きます(記載されています)。でも原発で発生する場合もあります。原発の場合はS. aureusが多いかと思いますし、合併症の場合はその原発臓器の状態にもよるでしょう。

今回は原発性の腸腰筋膿瘍でしかもpolymicrobial patternを呈しているのです。CTやMRIでも見ましたし、手術しても筋膜内の占拠性病変のみで・・・。非常にレアだと思います。ちなみに血液培養は陰性です。

通常のintra-abdominal therapyを応用した形で、術後にABPC/SBT 1.5g・6h/日で開始です。洗浄もしましたが、悪臭も多く非常に大きな占拠性病変だったので、少し多目に投与しました。経過は良好です。本当にこういった文献検索も出来ない症例は困ります。料理と一緒で、味付けも応用なんでしょうね。

で、スメアから読み取れたこと

①バクテロイデス  ②腸球菌  ③大腸菌  は確実。あとは培養の結果を参照で・・・。

みなさんどうでしょうか?菌、読めますか?

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2007年12月17日 (月)

アクトヒブ

先日、青木眞先生のブログを拝見していましたが、Hibワクチンについての記載がありました。コピペ歓迎と書かれていたので、お言葉に甘えコピペします。http://blog.goo.ne.jp/idconsult/e/0e0191ebcffc0a7e4e57da2e5ef48304

丁度タイムリーにも、アップデートされた前日に10ヶ月の子供でHibの髄膜炎患者が入院になりました。写真掲載しておきます。

10ヶ月の小児で、好中球多数+グラム陰性桿菌=インフルエンザ菌?と考えますが、少し写真見ながら考えてください。『この菌は本当にインフルエンザ菌?』と思うでしょう。追加でラテックスなどしていれば確信的になるのでしょうが、無い施設はどうするか・・・。

インフルエンザ菌は短桿菌という風に学生時分には修学したかと思いますが、テキストの済みにはしっかりと『多形成』と記載されているのを見逃してませんか?そうなんです。インフルエンザ菌は長い菌、短い菌が混在して、薄い染色性のあるか細い陰性桿菌が多数見られます。特徴を逃さず把握できればインフルエンザ菌の信憑性が更にアップします。もう、培養を待つなんて、髄膜炎症例に関してはナンセンスでしょう。それには、細菌検査の院内実施は必須でしょうね。ありがたや。

ところで、インフルエンザのシーズンになるとインフルエンザ菌の分離率が急激に上がり、髄膜炎を起こす患者も多くなるように見受けれます。2008年度からは任意ですが、Hibワクチンの接種が可能になるというのに、今回は『1年遅かったら・・・』と思われる症例でした。

Hibに関しては出た患者の周囲も菌検索を行い除菌するなどのアクションも必要ですし、保育所などの集団生活を実施している施設でも介入が必要な場合もあります。

また、肺炎球菌ほどではありませんが、20%近く後遺症が残る疾患です。

後遺症は、2004年に生方先生がまとめたデータでは①運動機能障害②脳萎縮③硬膜下膿瘍④水頭症⑤聴力障害など多彩です。小児聴検も何人か立会いましたが、後遺症が残るのを見ているといたたまれません。早期発見、早期治療に向けて全速力しているのですが残念です。

そう言えば、先日のNEJM Volume 357:2431-2440.に『細菌性髄膜炎とデキサメサゾン』について掲載ありました。興味がある方がご参照下さい。http://content.nejm.org/cgi/content/full/357/24/2431

Hib 短いの(×1000)

Hib_2 長いの(×1000)

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2007年12月12日 (水)

Nutritionally Deficient Streptococci

『Nutritionally Deficient Streptococci』・・・なんじゃらほい?と思われる方もいらっしゃいますが和文解釈しますと『発育要求性の悪い連鎖球菌』になります。臨床の先生は『連鎖球菌って発育が悪い菌て、学生時分に聞いたが、何?』とか『発育要求が悪いいって何?』など思われるだろうと思います。

写真は先日検出されたNutritionally Deficient Streptococciの中の『Abiotrophia defectiva』です。塗抹じゃ、さすがに判りませんが、通常のViridans group Streotococcusとは少し染色性が悪いので、気が効く人は、『なんか変?』と思うでしょう。⇒Viridansはここ http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_0eb3.html

検査室では、血液培養陽性のサブカルチャー(寒天に分離する行為)をする場合、塗抹で連鎖球菌が見えた場合は、血液寒天(通常ヒツジの洗浄血)を使用して分離することが多いです。菌の目的はViridans groupかβ-haemolyticのStreptococcusの分離目的にしているからです。このNutritionally Deficient Streptococciは通常の血液寒天にはL-システインやビタミンB6が少ないために、前述した普通に分離される連鎖球菌のような発育が出来ないために発育要求が悪いと称されています。

簡単な特徴としては、塗抹で連鎖球菌+血液寒天にて殆ど発育しない+チョコレート寒天には発育している=Nutritionally Deficient Streptococci?と推測できます。なので心内膜炎が判っている場合などは、血液寒天に加え、チョコレート寒天を追加することがお勧めです。

少し文献的な考察をしてみましょう。Abiotrophiaは

①連鎖球菌性の感染性心内膜炎のうちの5-6%を占める

②通常の血液培養で2-3日で陽性になる

③腸球菌や通常の連鎖球菌より予後が悪い

④30%以上の株で、PCGのMICが0.1μg/mlを超える(⇒ペニシリンの単独療法はしない方が良い。GMの併用)

⑤人工弁では10%程度しか分離されない(自然弁が多い)

⑥塗抹では、まれにブドウ状に観察される(ぶどう球菌と間違わないように)

などです。

治療に関して詳しく知りたい方、もっとオタク度を深めたいかた文献検索して下さい。

私の感染対策に関する参考文献はいつも以下のものを参照しています。

Circulation. 2005;111:e394-e434.

JAC. 2004;54:971-981.

CMR. 2001;14:177-207

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2007年12月10日 (月)

糖尿病あっての皮膚の膿瘍(潰瘍)

本日は『んんん・・・』と思う像です。糖尿病の患者が外来で来ています。下肢の潰瘍部分は何で出来たか定かでない(血管炎?)のですが、膿瘍が採取できました。皮膚の病変はその他紅斑もなくその部分だけ。ポケットに少し臭気がある膿瘍を綿棒に採取して提出。

膿瘍ということで処理をしていました。スメアみて少し変?と思い出場所を見ると透析室。腹壁の膿瘍かな?と思える像でした。誤嚥時に良く見るpolymicrobial patternです。

文献的に考察しますとこういったことが記載あります。

『Aerobic gram-positive cocci are the predominant microorganisms that colonize and acutely infect breaks in the skin. S. aureus and the b-hemolytic streptococci (groups A, C, and G, but especially group B) are the most commonly isolated pathogens. Chronic wounds develop a more complex colonizing flora, including enterococci, various Enterobacteriaceae,obligate
anaerobes, Pseudomonas aeruginosa, and, sometimes, other nonfermentative gram-negative rods』
~Clinical Infectious Diseases 2004; 39:885–910~

つまりpolymicrobial patternが標準になるのですが、気を付けるのが溶連菌の存在です。高頻度に検出されるので意外に盲点になります。診療科の先生は当然溶連菌と思っているのでしょうか?聞きたいところです。

じゃあ、感受性に必要な抗菌薬は?と思いますが、外科だとABPC/SBT。皮膚科だとABPC/SBT。じゃこれもABPC/SBTが標準的な治療になってくるのでしょうね。それほどブロードな抗菌薬は不要ですが問題はoutpatientかhospitalized patientかなのでしょう。そう、緑膿菌のカバーをどうするのか?になってくるのでしょうが、じゃあ市中感染の場合は不要になろうかと思います。この場合は膿瘍の状態も肝心でしょうが、やっぱり、当たり前のことですが、検査する時の情報に入院外来の区別は必要ですね。

みなさん、菌がいくつ、どんな菌が居るか想像して下さい。

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2007年12月 4日 (火)

先日、ICTで相談受けた症例です

14歳女性。1週間前から感冒様症状あり。近医にて抗菌薬(CDTR-PI)処方されるが改善なく、翌日再診したそうです。胸部レントゲンにはキレイといっては悪いですが、陰影像で肺炎のため、当院への入院になりました。市中肺炎疑いにてABPC/SBTと加えてAZMの投与を開始しました。インフルエンザ迅速とマイコプラズマIgM抗体は陰性。肺炎球菌尿中抗原も陰性です。喀痰検査では常在菌のみでしたが、新鮮な好中球の侵潤のような像がある割りには菌が見えない。CDTRの影響もあるかな?と判断できる像です。3日しても改善なく、ICTへ相談があり介入になりました。

そうです、考えられる内容としては『マイコプラズマのマクロライド耐性株』。早速AZM⇒MINOへの変更です。すると、予想した通りに反応ありました。

ただ、どうしても証明したいとの一心です。

①培養⇒時間かかる

②感受性⇒市中病院ではもっと非現実的

などの要素もあり、駆け込み寺のごとく遺伝子検索を依頼しました。

ヒットヒットというか、私の予想は当たりマイコプラズマのマクロライド耐性菌だったようです。文献(AAC, Dec. 2004, p. 4624–4630)にもある市中に蔓延している株だったようです。今や2割の割合で検出され、医学的にも問題になってくる感染症でしょう。Photo 迅速に解る時代になりました。凄い発展です。

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2007年12月 3日 (月)

コンタクトレンズの場合

眼科からの依頼で、コンタクトレンズがやってきました。細菌検査室にはただ来ただけで培養という指示です。

さて、皆さんは目的をきっちり分別されていますか?

 ①細菌性眼内炎の起炎菌検索

 ②真菌性眼内炎の起炎菌検索

 ③アカンソアメーバーの検索

だいたいこんなところです。

今回は一応先生に聞いたところ、『んーー! 普通の細菌の検査で』とおっしゃっていました。勿論、コンタクトレンズ関連の眼内炎で検出される細菌と言えば『緑膿菌とその仲間たち』になろうかと思います。ぶどう糖非発酵菌は非常に角膜との親和性が高く、眼内炎になれば予後が悪いようです。MDRPなど付いたらもう大変です。みなさん気をつけましょう。

眼科の先生の中には、『検査室に出せば答えが出るだろう・・・』と思われている方も居ると思います。ちょっとした声掛けで目的が明確になり検査もしやすくなります。特に頻回に検査材料が出ない科に関してのコミュニケーションは大切です。

写真はこの前でた、コンタクトレンズをフラッシュした沈渣です。やはり・・・・。

フラッシュで思い出しましたが、キューティーハニーの『ハニーフラッシュ!!』は、空中元素固定装置を稼動させる合言葉です。空中元素固定装置??と思われる方がいらっしゃいますが、自分の周りにある物質を一度元素まで分解して再構成する代物です。なので、あの魅惑の変身シーンはわずか2秒の間で行われていると言われています。子供ゴコロにドキドキした覚えあります(私だけでしょうか?)。ちなみに如月ハニーはアンドロイドです。知っていました?

Cl ×400

Cl1 ×1000

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