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2007年11月28日 (水)

プロカルシトニンの有用性

先日、ある研究会でプロカルシトニン(PCT)の有用性について話す機会がありました。プロカルシトニンに関しては簡易キットが現在発売されています。過去にも掲載した通りです。http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_19d3.html

で、その後色々と個人的ですが検討しましたので、私的な感想を記載します。

①敗血症診断の有用性

確かに有用性がある検査ですが、重症菌血症かどうかの判定に用いるためのキットになります。重症感染症など二次救急の当院にはそれほど無く、敗血症性ショックであるのはせいぜい腎盂腎炎、胆肝膵疾患によるものです。多臓器まで侵襲性のある疾患に出くわす頻度は低いようです。なので使用頻度は少ないため炎症マーカーに関してはCRPでこと足りるような結果になっています。確かに真菌やウイルスでは上がらないみたいです。

②陽性となる期待値は低い

Critical Care 2004,Vol.8,No.1にはCRPとの比較で陽性期待値がCRP 92.9%(感度67.2%)に比べ、PCT(0.6ng/ml cut off)は69.5%(感度70.7%)となっており、感度こと違いないのですが、期待値は大きく異なります。なので、陽性の値を見るより陰性の結果価値が高い検査のように思えます。

ここでこの研究者はこう言っています。
• Using a cut-off level chosen by Youden’s Index, PCT is not a better marker of bacterial infection than CRP for adult emergency department patients. Yet high serum PCT level is highly specific for infection
A low serum CRP or PCT level cannot be used safely to exclude the presence of infection, especially in patients with SIRS
• In patients with elevated serum CRP levels,
PCT may be used as a measure to further support the diagnosis of infection, and as a marker of disease severity

なるほどと思います。CRPで目安付くものはPCTの価値が低いことと解釈出来ます。ただ、個人的な見解なのでこの部分はもう少し検討が必要かもしれません。

③新生児やARDSなど元々重症患者

この患者に対しては非常に有用性が高い検査になろうかと思います。特に新生児の場合は、鑑別診断は待てないのでウイルス性か細菌性か考えずにまずempricになろうかと思いますので、少し早い時点で細菌性かどうかの判定が出来れば優れものです。

④腫瘍性病変や壊死を伴う臓器による占拠性病変を伴う疾患では無効?

腫瘍細胞や壊死組織からPCTは正常に産生されるのでしょうか?壊死細胞などは無理でしょうし、腫瘍細胞がPCTの制御が可能か不明です。一部腫瘍により偽陰性になるとの文献もありますし、少し角度が違うのですが胆道疾患で高値を示すとの報告もあります。メーカーに聞いてもばっくれるだけで正式な回答はどこへやら・・・・。困ります。

本当のところどうなんでしょう?最近この手の検索により当ブログに辿り着くことが多いと見受けます。海外文献も100ほどあります。今後も注目ですね。

今日の掲載は、『もうこんな季節ですか?・・・』と思うスライドです。ご存知、グラム染色の代名詞のようなスメアですね。感冒様症状に続いて散見される像です。起炎菌・・・もう言わなくても解りますよね。先生に聞くと、『肺がんのルールアウトで痰の量が増えてきたから・・・』と。貪食もあるし、明日にでも淡い影が出てくるのかな?と思うスナップでした。一応不要かと思いましたが、推定菌名を電話で報告しておきました。余計とは思いますが。先手必勝です。

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