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2007年11月16日 (金)

ぶどう球菌のバイオフィルム

今日はこんなスメアです。血液培養陽性例スメアを見ていてCNSか黄色ぶ菌か判別していますか?

細かいことですが、CNSって意外にクラスター形成していると思いませんか?黄色ぶ菌はバラバラなことが多いように思いますが、皆さんどうでしょうか?

CNSが感染症になるのは、カテ感染もそうですが、人口弁やインプラントの挿入者などもそうです。つまり、その解釈には感染部位がバイオフィルム形成が起こっている確率は高いように思います。

これは先日血液培養陽性者のスメアになります(①)が、クラスター形成しています。『CNS?』と思うでしょうが、やや小さめの菌は多く確認されますでしょうか?そうです、これは黄色ぶ菌のクラスター形成になります。MRSAかどうかの判断が待てない場合も多いかと思いますが、そういった場合はVCMで開始されると思います。

数日後、再度採取して頂いた血液培養が陽性になりました(②)。①と同じ菌と思いますが、やや菌が赤みを帯びたものが多いことが判りますか?VCMの効果を受けてやや、細胞壁が薄くなった菌と思います。MRSAだった場合は、このように見えた場合は

 ①有効な血中濃度が確保されていない

 ②バイオフィルムで抗菌薬が細胞壁にまで到達しにくい

ことが推測できます。

そうした場合は、カテなら抜去(黄色ぶ菌であれば抜かないと10%しか治癒しないし、皮下トンネルの場合は治癒できない)が原則で、インプラントの場合はリオペも検討必要なのでしょう。バイオフィルムは色々と不利益なことを我々に引き起こすことがあるようです。

クラスター形成のぶどう球菌バイオフィルム形成 と考えても良いのでしょうね。

バイオフィルムはマクロライド、リファンピシンなどの抗菌薬で壊せるというデータもありますのでまた探して下さい。先日はCAMを使いました。

ちなみに、緑膿菌とぶどう球菌のバイオフィルム形成のプロセスには大きな違いがあるようです。面白いですね。

Mrsavcm600 VCM投与前

Mrsavcm600_2 VCM投与後

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コメント

師範手前さまおつかれさまです。

>CNSって意外にクラスター形成していると思いませんか?黄色ぶ菌はバラバラなことが多いように思いますが、皆さんどうでしょうか?

そうですね、ブ菌系でのバイオフィルムはスクラム(グライコカリク
ス)ですか、CNSやMSSAなどで高頻度産生されると聞きますね。しかしMRSAなどでは逆に、スクラムを持つ必要ないのでしょう、産生するものが少ないと思います。と言うことは、皮膚、鼻などの常在フローラの形成は、こういったスクラムを持ったブ菌に守られているのかもしれませんね。

耐性を持たない菌は、こういったバイオフィルを持つことで生き残りをかけたstrategyなのでしょう、たくましさを感じます。


投稿: 倉敷太郎 | 2007年11月19日 (月) 17時51分

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