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2007年11月 1日 (木)

食欲の秋、でもカンジダ

今日はこんなスメアです。

42歳女性。子宮頸がんが基礎にありました。下腹部痛で来院、エコーとCTで骨盤内膿瘍が見つかり直ぐにドレナージしました。同時にCMZを投与していました。当日のスメアはバクテロイデス様のグラム陰性桿菌が優位で、腸球菌や嫌気性グラム陽性桿菌(乳酸桿菌かな?)が多数見つかりました。そうです、腸の内容物のようでした。通常単純な骨盤内膿瘍は単一菌のようなスメアが確認されることが多いのですが、この時ばかりは少し違うと思いました。先生とお話していると『腸との交通もあるようで』・・・と言っていました。リオペも視野に入れているようでした。ICTとの相談内容から、少し血圧低下も認めてきたのでCMZからIPMへ変更し経過観察としました。継続して見ていましたが、やや解熱傾向に落ち着いたと思いきや5日目の再評価時に発熱がまた増強してきました。とりあえずドレーン排液を提出してもらい、菌検査で今後の方針を決めることにしました。そこで、スメアの出番、これはその時のスメアです。検討事項が2つありました。

①見て判るように、カンジダが優位に見えますね。しかも仮性菌糸がこんなに長く。菌種は決定です『Candida albicans』。

⇒貪食もあるので起炎菌として問題ないだろう。fos-FLCZ400mg(初日,2日目倍量)で開始です。

②『発熱の状況から抗菌薬か変えた方が良いのかな?』といいう質問。

答えは『心配ならIPM継続で。不要なら終了で。継続するなら10日を目処に終了検討しましょう。』⇒炎症反応は強い像ですが、一般的な細菌は認めず、初日のスメアから考慮すると抗菌作用が十分にあると考えられるため。

結局、カンジダによる腹膜炎を合併していたようです。スメアは偉大です。

昔より、食欲の秋と言いますが、白血球は自分より大きな菌もこのスメアのようにムシャムシャと食べていきます。暴飲暴食、無謀な白血球に思えます。でも自分より大きすぎるので本当に貪食で死んでいるんでしょうか?どうなんでしょう?特にこんな菌糸が伸びているのは、白血球はどこを標的として貪食するのでしょうか?菌?菌糸?悩むばかりでこちらの食欲は上がりそうにありません。

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