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2007年10月18日 (木)

今日はStreptococcusでもpneumoniaeです

本日は62歳男性です。悪性リンパ腫が基礎にあり、COPDにて外来HOTでフォローしてました。発熱および呼吸困難が酷く来院されました。CRX上で肺炎になり、血液培養を実施しましたが、翌日陽性になりました。後輩が観察していましたが、私もそうですが、肺炎球菌で結論付けようとしました。ただ、腸球菌との鑑別を・・・と後輩に言いまましたが、上手く伝えられないようです。

少し無駄ですが尿中抗原試験を応用してしましたが、流した最初から陽性ラインが出ました。Hbの影響は阻害なので、肺炎球菌と断定できることが可能でした。とりあえず命には別状のない状況でしたのでMEPM⇒ABPCde-escalationです。

最近、連鎖球菌並べていますが形や色合い、菌の散らばり方など比較してみてはどうでしょうか?

明日から上京します。病院見学兼ねて、明日は都臨技の勉強会を覗きに行きます。ドキドキです。

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グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

師範手前さま
おはようございます。涼しくなり肺炎の患者さんも増加中・・です。ご呈示のケースでは肺炎球菌性肺炎で間違いないと思いますが、尿中抗原にはいくつか落とし穴があるようで、自分もどのように使用するのがよいのか迷っています。いくつかわずかに調べたことによりますと
①まずは感度が十分でないことで、尿中抗原陰性が肺炎球菌感染を否定しないこと(ClD2004;38:222によると感度66%の報告。血培陽性例では感度高くなるが陰性のことも)概して感度は60-80%台の報告が多いようです。これも何をGold standardとするかによりますが・・・
②特異性は概して高いけれども特定の患者層では下がりうること。小児では低いようで、成人でもCOPD患者ではある程度低くなりそう(Clin Vacc Immunolo2006;13:1092)という報告があります。副鼻腔や肺に定着しているから?でしょうか。
③いつまで陽転化しているのか?についても明確なデータなくEurRespir J2003;21:209では1ヵ月後も70%が陽性だったと・・・つまり先月の肺炎を検出している可能性も?

自分の乏しい経験でもPISP髄膜炎・菌血症の患者さんでも血培でGPDC様、肺炎球菌?腸球菌?と思ったときに尿中抗原陰性であったことがあります。

みなさまのご施設では肺炎球菌尿中抗原をどのような場面でどのような目的で使用されておられますでしょうか?個人的には
①抗菌薬前投与されてしまったときの肺炎の診断補助
②塗抹培養でGPDC?が出たときの早期同定の補助
 いずれも陰性でも否定しない、陽性なら臨床像とあわせて肺炎球菌かなーと思う、ということかと思っておりますが・・。

投稿: 総合内科医志望 | 2007年10月19日 (金) 07時23分

皆さま,お久しぶりです。
文面から読み取ってみると,師範手前さまが行った尿中抗原キットを使用した検体は,尿ではなく,血液培養から陽性になった菌体を扱ったと推測されます。
あくまで推測ですが・・・そうだとして話をさせていただきます。

血液培養で,グラム陽性双球菌・・・
腸球菌だろうか,肺炎球菌なのか・・・などと,顕微鏡を覗き込んで長考していたりすると,後ろで誰かが仁王立ちしているケースがあります(笑)
そのような時,師範手前さまのように,手がかりになる迅速簡易キットを使用して補助的判断の参考にすることがあります。今回,尿中抗原キットを使用されたようですが,他にも肺炎球菌莢膜抗原検出キット,例えばメニンゴキット(市販一時中止になったとか)や,他社からも販売されているようです。総合内科医希望さまからご指摘があったように,こういったキットの検出感度が問題になるようですが,陽性ならば報告して,陰性の場合は,OPディスクを置いた血寒で炭酸ガス培養し,数時間後に集落の観察が一般的だと思います。

↑これでは,グラム染色道場失格ですね(笑)
なぜここまで慎重かと言うと,何度かグラム染色像にだまされている(自分の至らなさ大ですが)からかもしれません。典型的ならバシッと言うのですが。

金曜日の都臨技勉強会は,師範手前さまから数回前に紹介がありました,大楠 清文 技師(岐阜大学大学院医学研究科)が遺伝子検査の最前線についてご講演してくださいます。楽しみですね。

師範手前さまの,病院見学レポートも楽しみにしております。東京は,夕方から雨のようです。傘を忘れずに。

投稿: 先生 | 2007年10月19日 (金) 09時18分

総合内科医志望さまや。お早うございます。今新幹線の中でブログ確認しました。まさにおっしゃるとおりです。臨床医も感覚では理解されてるとは思いますが、総合内科医志望さまみたいにしっかりと認識されている臨床医は多くないと思いますのでコメントありがとうございます。正確に書かなかったんですが、尿中抗原のキットを応用して血液培養の培養液をしたところ陽性になりました。保険外(病院負担)になりますが鑑別にはもってこいです。ちなみにうちは髄膜炎の時も使います。意外に良いです

投稿: 師範手前 | 2007年10月19日 (金) 09時30分

ご教示ありがとうございます。
臨床状況によっては、迅速抗原キットも使いようということですね。当院の若手のやり手は壊死性筋膜炎での手術検体から絞った液で溶連菌キットを行って陽性であったのでPCGを中心として抗菌治療したことあり!と言っていました。
感染症関連検査によらずどんな検査も、どのような状況でどのような病像を想定して用いるか、その結果をどのように解釈するか、どんな有用性があるか、といったことがきちんと整理されていれば出番があるものだと思います。逆にそれがないままむやみに検査を乱発するドクターにならないように注意したいと思いますが・・それがなかなか難しいところです。

投稿: 総合内科医志望 | 2007年10月20日 (土) 15時01分

総合内科医志望さまコメントありがとうございます。釈迦に説法でしたよね。また追加コメントありがとうございます。いろいろなアイテムありますが、ドラえもんと同じで必要な時にはしっかりとしたアイテムを出さなければコンプライアンス下がりますよね。あと余談ですが中日日本シリーズ進出おめでとうございます。日本シリーズも頑張って下さい。

投稿: 師範手前 | 2007年10月20日 (土) 21時42分

都臨技の勉強会にて会えるとは嬉しかったです。また、なんで先生か解りました。大楠先生も講演ちゅうに私の名前出してくれまして嬉恥ずかしいでした。変な汗出ました。

投稿: 師範手前 | 2007年10月20日 (土) 21時46分

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