« 新生児の髄膜炎 | トップページ | 嫌気性グラム陰性桿菌って言っちゃって良いでしょうか? »

2007年10月23日 (火)

肺化膿症に見る嫌気性陽性球菌の判断

本日も先日相談受けた内容です。

良く『喀痰でグラム陽性球菌の貪食がたくさん見られ、小さい球菌なのですが、誤嚥を表しているのでしょうか?』

ご存知の通り、誤嚥には色々あります。消化液の誤嚥、唾液の誤嚥、食物の誤嚥など・・・。

誤嚥像と確認する際に気をつけるのは口腔内の扁平上皮の存在、胃液などの酸性物質に加え、不染性のグラム陽性球菌の存在です。不染性と言っても以前からお見せしているミレリ菌もそうですが、やや大きい菌に見えます。

その① http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_7ec9.html

その② http://gram-stain-id.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_5450.html

ミレリ菌も一応嫌気条件で発育旺盛な菌ですが、好気でも発育してきます。下に掲載したのは嫌気性グラム陽性球菌です。Peptostreptococcusなどが代表的ですがその像は、ミレリ菌よりやや小さく、不染性が強い球菌です。この像を見れば『あっ、嫌気性のグラム陽性球菌⇒誤嚥?かな~』と推測してもらいたいものです。でも貪食像がポイントですので、背景に一杯見えても誤嚥になるかどうかは判りませんのでご注意を。

一応類似の菌との鑑別も添付しておきますが、皆さんコメントも下さいね。

『こんなん、わからんわ!』なども構いませんし、もう少しプロっぽく解説して頂いても構いませんよ。

知的な情報?・・知らない方に

昔からPeptostreptococcusという愛称で知られていた菌種は今はP. anaerobiusのみになってしまいました。P. magnusやP. microsはそれぞれ、Finegordia magnaMicromonas microsに菌名が変わりました。菌の報告書見るときにはご注意を。

Gpc 今回頂いた相談のスメア

Photo 類似菌との鑑別

|

« 新生児の髄膜炎 | トップページ | 嫌気性グラム陰性桿菌って言っちゃって良いでしょうか? »

グラム陽性菌」カテゴリの記事

コメント

嫌気性菌感染症を疑うとき、スメアで通常の好気性菌のイメージとかなり違った感じをよく経験します。
2相性感染後の、結局、炎症の遷延状態を観ているのでしょうか、そこには比較的はっきりした炎症の跡として観られる事が多いように思われます。貪食像も明瞭で、フャゴライソゾームの形成も明瞭な事が多いように思います。
また師範手前さまおっしゃられるように、嫌気性菌は検体スメア上での鏡検で、好気性菌と比べ染色性が弱く、不染性で認められるのも特徴的ですね。

嫌気性菌培養を実施していなければ嫌気性菌感染の証明は無理になってくるのは当然で、スメアで認められたが、培養結果と食い違いがでる・・・・・。もし、嫌気性培地を用いて、培養していたら貴重な結果は得られたはず、やはり嫌気培養を避けて通る事はできないと思います。やはり、重症化の一因として、嫌気性菌感染症の培養検査は重要ですね。

私の場合、嫌気性菌培地に発育してきた菌の臭いで(もちろんトマツ確認後)だいたい、何属の菌か、分かるようになってしまいました。偏性嫌気性菌は代謝産物として、アルコール、脂肪酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸やコハク酸)など、特徴的な臭いにより、数を経験していく内に同定結果とあまり違わなくなりました。
       ちょっとマニアックすぎでしょうか?

>昔からPeptostreptococcusという愛称で知られていた菌種は今はP. anaerobiusのみになってしまいました。P. magnusやP. microsはそれぞれ、Finegordia magnaとMicromonas microsに菌名が変わりました。
  私、知りませんでした、知的な情報ありがとうございます。

投稿: 倉敷太郎 | 2007年10月25日 (木) 17時46分

倉敷太郎さま
先日はご丁寧な電話ありがとうございました。いつもお世話になっている感謝を伝え切れなくて残念です。

さて、嫌気性菌の臭いの件ですが、確かに臭いは大切な同定の情報です。臨床では臭い=嫌気性菌との解釈もされるくらいですので。でも、臭わない嫌気性菌もありますよね。クロストリヂウムは臭わないのでこれも鑑別に使っていますがなんで臭わないのでしょうね?臭いで判るのはマニアックですが、菌検査していると乳糖非分解菌の集落性状での同定もかなりマニアックですよね。腸内細菌ではプロテウスやエンテロバクターも臭いですよね。血液培養の結果を急ぐ場合は参考にします。

Peptostreptococcusの新しい分類には私も頭が痛いです。学会に行くと『これ何菌?』て眺めることも確かにあります。

投稿: 師範手前 | 2007年10月26日 (金) 09時08分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 新生児の髄膜炎 | トップページ | 嫌気性グラム陰性桿菌って言っちゃって良いでしょうか? »